穏やかな水中散歩が一転⁉ウミガメに起こった珍劇に思わず笑いが…

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沖縄県那覇市でダイビングショップ「Diver’s guide guma」を経営する大谷さんが、「クマノミアッパー カメちゃんびっくり」と称してツイッターに投稿した動画が話題を集めている。

ハマクマノミがまるでアッパーを繰り出しているかのようにみえるユニークなこの動画は、10月15日、ケラマ諸島渡嘉敷島・アリガーケーブルにて撮影された。撮影者の大谷さんは、撮影時の状況を次のように語っている。

「水深5mのリーフ上を泳いでいるウミガメを発見しお客様へ合図を送り、ウミガメと並走しているシーンを撮影。するとハマクマノミの上に差し掛かった時に映像のシーンの通りにクマノミが攻撃を仕掛けたといった感じです。コンデジの上にGoProを設置して、動画を撮りながら写真を撮るスタイルなので、たまたま撮れました。ちなみに、こんなにも綺麗にウミガメにアタックしているのは初めて見ましたが、同じようなシーンには後日、別のポイントで遭遇しました。面白いですね(笑)」。

「ドゥクシッ」という効果音が聞こえてきそうなほど見事なアッパー。見てるこっちは面白いが、ウミガメにとってはとんだ災難だったといえよう。

なぜアッパーを?

大谷さんのコメントにもあるように、ハマクマノミがウミガメにアタックしたことは1度ではないらしい。とするとなにか理由があるのだろうか。興味深いハマクマノミの行動について考察してみた。

ハマクマノミとは

スズメダイ科の亜科である”クマノミ亜科”(※)に属する海水魚の一種。「クマノミ科じゃないの?」と思われるかもしれないが、そもそもクマノミ科というものは存在しておらず、クマノミも、ハマクマノミ同様、クマノミ亜科に属している。※亜科とは、生物分類学上の単位の一つ。科と属の間に設けられている。

ハマクマノミの生態について

強烈なアッパーの理由は、どうやらハマクマノミとイソギンチャクの共生関係にありそう。というのも、クマノミ亜科に分類されるすべての種は、イソギンチャクの中に住むことによって自身と卵を守りつつ、イソギンチャクをも餌としているのだが、その代わりにイソギンチャクを狙う他の生物を追い払っているらしい。そうだとすると、ギブ&テイクの精神で、ウミガメからイソギンチャクを守ったと考えられなくもない。

また、クマノミ種の成魚が住み着くイソギンチャクは生涯にただ一つで、数メートル以上離れることもまれ。これだけでも相当のイソギンチャク依存を感じられるが、それもそのはずで、孵化する前の卵の時点で、将来の宿主となるイソギンチャクの匂いを刷り込まれるからだとか。今回の考察ではハマクマノミが特別凶暴であるとか、産卵の時期であったとか目立った根拠は見つからなかったが、もしかしたら関係性があるかもしれない。有力情報があれば、ぜひともオーシャナ編集部まで。

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協力:ダイバーズガイドグマ 沖縄
(文:染谷遥)

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