【屋久島】評判のいいクリーニング屋さん by 原崎森

【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 24.4℃
【透明度】 20m
【海況】 やや時化気味
【天候】 雨
【潜水時間帯】 10:02-12:34
【潮まわり】 06:50 209cm 満潮 / 12:38 96cm 干潮 / 18:12 217cm 満潮 / 大潮(月齢:14.3)
【日の出・日の入】 日出06:39 日没17:24

今日も雨。。。
北東の風は思いの外、強く、多少の北東には強いはずの一湊タンク下もかなり水面がバシャバシャしていた。

あと、雨続きという事もあって、水面直下には淡水が溜まってもの凄く白く濁っており、水中はかなり暗い。
今日は最初、シリテンをまた追いかけようと考えていたのだが、暗すぎてスグにヤル気が失せた。

DSC7278 199x300 評判のいいクリーニング屋さん

クリーニング・ステーションの若きCEO?

DSC7143 199x300 評判のいいクリーニング屋さん

いや!バイトくんだったみたい。。。(笑)

一湊タンク下の-12m付近にあるナガレハナサンゴの群落の上には評判のいいクリーニング屋さんがある。
潮通しの良い鼻先近くにあるからか、この辺一帯では最もお客さんの数は多く、いつも賑わっている。
しかし、ここにはホンソメワケベラは1匹しかおらず、しかも立派な成魚ではなく、小さな若魚なのが驚きだ。
そう。。。彼は若くして独立し、1人自営でクリーニング屋を営み、口コミでどんどんお客さんの数は増えていき、今では地域一番店の座に君臨している。

でも。。。そんなはずはない!!
大学出たての若造がたった1人でここまで大きなクリーニング・ステーションを営めるはずはないっ!
何か悪さをして儲けているに違いない!!(笑)

その悪事を暴こうと僕は店の前に張り付いて一部始終を観察することにした。
すると、いつものようにニセカンランハギやタテジマキンチャクダイ、カンランハギなどがワラワラと集まってきた。
体というのは本当に嘘がつけない正直者だ。
彼らは気持ちよくなると途端に体色が変わるので、気持ちの良さを隠すことはできない。。。

DSC7327 300x199 評判のいいクリーニング屋さん

ニセカンランハギをクリーニングするエビ

当然、若き起業家がクリーニングを始めると体色が変わるワケだが、なぜかその隣りの魚まで体色が変わってる。。。
よ〜く見ると、クリーナーはこの若き起業家だけではなかった!!
無数のニセアカホシカクレエビがカンランハギたちの体にへばり付き、クリーニングをしている!

というか、もしかしてこの若き起業家って、社長じゃなかった???えっ??(笑)
このナガレハナサンゴの群落は昔からあって、ニセアカホシカクレエビも沢山着いていた事を考えると、むしろ、経営主体はこのエビたちなのではないか?
そう。。。ここはニセアカホシカクレエビたちの共同企業体だったのだ。
若き起業家だと思っていたホンソメワケベラの若造はある日突然、ガテン系求人誌を見て応募してきたバイト君だったのだ!(゚д゚)!

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PROFILE
世界遺産の島・屋久島の海をほぼ毎日潜っているショップ「森と海」のブログ。そのオーナーガイド原崎森(しげる)さんは水中写真とフィッシュウォッチング(生態観察)において日本でも有数の、まさにスーパーガイド。また、的確な思考力・文章力にも定評がある。
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