健康診断を受けていないプロダイバーが15%という調査結果
こんにちは。高野です。
春濁りが続く中、いつもにも増して緊張感を持ちながらガイドをしています(汗)。
さて、今回は健康診断についての質問紙から見た結果をお話しします。
疾患による事故が、中高齢者(40歳以上)を中心に近年多くなっていると言われています。
では、実際にお亡くなりになった方は、健康診断を受けていなかったのでしょうか?
それとも何らかの疾患があった、または体調に異変を感じていたのにダイビングをしていたのでしょうか?
そこで、「健康診断(1年以内)で指摘された事項はありましたか?」という質問をしてみました。
結果は、以下の通りです。
健康診断結果による指摘の有無(インストラクターの回答)
n=134
健康診断結果による指摘の有無(一般ダイバーの回答)
n=451
健康診断を受けていないプロが15%
まずここで気になったことは、健康診断を受けていない方が、インストラクター134名中、15%、一般ダイバーは451名中、7%いるということ。
そして、指摘されたことがあった方が、インストラクター29%、一般ダイバーは25%いたことです。
指摘されたといっても、ダイビングをやってはいけない、いわゆる絶対的禁忌かどうかはここでは分かりません。
しかし、健康診断で指摘されたことがあった方、そして健康診断を受けていない方で、以下の考えをお持ちでしたら注意が必要かもしれません。
- いつも潜っているから大丈夫だろう。
- インストラクター、ガイドがいるから大丈夫だろう。
- ダイビングにとって何が禁忌なのかを習っていない、または忘れた。
- ダイビング活動を「控えよう・注意しよう」という考えは頭にない。
- 仕事としてダイビングを行っているので、ダメなのは分かっているけど生活をしていくためには仕方がない。
- 分かっているけど、ダイビングは楽しいからやめられない。
- 自分だけは大丈夫(根拠のない自信がある)。
ダイビング活動を行うにあたり、健康や体調に対して安易に考えている方がいる可能性がデータから見えます。
ダイビングを始める際のテキストに、「健康診断を受けること」、「ダイビングの禁忌について」、「薬を飲んでのダイビングはNG」ということが書かれていると思います。
(※ダイビング活動をご理解いただいている医師の診断のもと服薬しているものは、この限りではありません)
中高齢者を中心に疾患による死亡事故がある中、もう一度、健康・体調管理を各自で見直す必要があるように思います。
過激な言い方かもしれませんが、死んだら悲しむ人が大勢います。
また、それと同時に迷惑をする人も大勢います。
ゲストを引率中、あなたに何かあったら、海中に残されたゲストはどうなるのでしょう?
もしかしたら、ゲストが犠牲になるかもしれません。
ダイビングツアーや講習参加中、あなたに何かあったら、そのお店やインストラクター・ガイドはどうなるのでしょう?
もしかしたら、仕事を続けられなくなるかもしれません。
残された家族はどうなるのでしょう?
毎日、悲しみの中で生活をすることになるかもしれません。
そして、場合によっては、裁判にまで発展する可能性もあるかもしれません。
当サイトで連載をされている上野先生の記事を読ませていただくと、事故後に事故を取り巻く関係者の苦しみが分かります。
「まさか自分が…」ではなく、「もしかしたら自分が…」という考えのもと、私を含め、インストラクター・ガイドは、ゲストを引率しているというより一層の自覚を、また一般ダイバーは、楽しさの前に命を大切にした活動をしていただきたいと願います。
そのために…まずは健康・体調管理からではないでしょうか?