小田原セミナー
遅くなりましたが、「第9回潜水医学講座小田原セミナー」のレポート。
最も気になった点を簡単にまとめて紹介します。
■ダイビングの安全指針
まずは、山見信夫先生(東京医科歯科大学医学部付属病院高気圧治療部)の
“ダイビングの安全指針”の講演より。
一般のダイバーに最も注目してほしいのは、
「ダイブテーブルだけでなくダイブコンピュータの指示の意味を理解させるべく講習をすべきである」という指針。
この指針は、裏を返せば、ダイコンの意味を理解していない人は安全から遠ざかってしまうということを指摘している。
ダイビングはある意味、“減圧にならない”ことが目的という側面を持つ。
そのために時間や水深の管理をするわけだが、
ただガイドについていくという意識のダイバーが増えていることに警鐘をならしている。
実際、ダイコンを理解していない人はおろか、
持っていない人も少なくないが、これではダイバーとは言い難い。
※理解していない人はこちらを参照に↓
http://diving-commu.jp/ceditorblog/item_304.html
以上のような点は教える側の問題も大きいのだが、
一個人のダイバーとしてもこれを読んでダイコンの重要性を改めて認識してもらえると幸いです。
次にパニックについて。
その要因は“水深が深い”、“流れに逆らっている”、“単独潜水”などいろいろあるが、
過剰換気症候群(簡単に言えば、呼吸が速く苦しい状態)後にパニックを起こすことが多いとの指摘。
つまり、呼吸を整えることの重要性を示している。
やはり意識的な深くてゆっくりの呼吸はパニック防止の基本となる。
また、過剰換気症候群は“浅いところにいくと元の呼吸に戻る”ことが多いということで、
“水深を上げる”ことがストレスを軽減させる対応策として有効ということを示している。
つまり、エアの呼気を観察して、バディがストレスを感じているようなら、
浅場へ連れていくことがパニック予防法になるということだ。
今日はこの辺で。