「宮古島フォトコン2015」入賞作品発表! ~中村卓哉さんの寸評付きで全公開~
宮古島フォトコンテスト2015の入賞作品が決定しました!
見事入賞を果たした作品を、審査員の中村卓哉カメラマンの寸評、そして、受賞者の喜びの声と共にご紹介します。
グランプリ
「宇宙への旅立ち」岩本圭代
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中村
宮古島を代表する地形ポイントの通り池で撮られた写真。緑と青、2色の穴を上下に配置し、あえて天地を逆さまにしたアイデアが素晴らしい。
右下のハイライトの部分を、光る地球に見立て、大気圏の外の宇宙飛行士たちが、その向こうに見える漆黒の宇宙空間へと旅に向かうようでワクワクする。まるでSF映画のワンシーンのような神秘的な写真である。
宮古島でしか撮影できない写真ということと、撮影者の狙いがタイトルや構図からも明確であることが、この作品をグランプリとして決定付ける要因になった。
岩本さん
グランプリという身に余る賞をいただき、光栄です。驚きと嬉しさで震えがとまりません。
今後も宮古島に通って、多くの方の心に響く宮古の海の素晴らしさが伝わるような写真が撮れるよう、精進したいと思います。ありがとうございました。
準グランプリ
「水面下」相沢百合子
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中村
ダイナミックな地形ポイントで撮影された写真ですが、定番の撮影ポイントとは異なり、撮影者の視点が光った写真だと思います。水面から漏れ入る神々しい光で照らされた切り立った岩からは静寂を感じます。
しかし、次の瞬間、砕け波の轟音が聞こえてきそうで、静から動への時間の流れみたいなものも、うまく表現されていると思います。水面の輝きも美しく、完成度の高いワイドの写真です。
相沢さん
大好きな宮古島の海の写真で賞をいただけてうれしいです。ありがとうございます。
準グランプリ
「閃光の中で輝く」山中弘子
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中村
背景の処理の仕方がうまいメルヘンな一枚。
彩度を上げることでアマミスズメダイの幼魚の可憐さや閃光の煌びやかさを強調している。タイトルも写真の魅力を引き上げていて良い。女子ウケしそうな魅力的な一枚です。
山中さん
幼魚のアマミスズメダイはやんちゃな男の子の表情とかぶり、我が息子の子育て時代を思いだし大好きです。
この受賞を糧に益々楽しみながら潜っていきたいと思います。ありがとうございました。
地形賞
「Cave Guard」児玉まれお
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中村
洞窟に差し込む光の中、逆光状態で暗がりに潜むネムリブカにしっかりとピントを合わせている。ドンピシャのライティングで、冷静に撮影した高い技術が写真のクオリティに出ていて、そこを評価させていただいた。
児玉さん
宮古島といえば地形なので地形賞嬉しいです。いつもお世話になってるBIGHOLIDAYさんに感謝です。
サンゴ賞
「一面の珊瑚」田中耕司
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中村
この写真を見て、宮古島のイメージが180度変わるほどの衝撃を受けた。こんな素晴らしいテーブル珊瑚の群生がまだ日本で見られるとは。一面に広がる珊瑚を、素直なタイトルと構図で伝えているところも良い。
バードアイ(俯瞰のアングル)で捉えながらも、シュノーケラーをギリギリ上端に入れることで、写真にアクセントを与え動きもでている。
田中さん
八重干瀬での休憩時間。目前に素晴らしい珊瑚が広がっているのに、のんびり休憩なんてしていられない!選んで頂き、ありがとうございました。
マクロ賞
「夜桜」くぅ
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中村
スヌートのようなもので黒抜きにした写真は多いが、洒落たタイトルを見ると、やはり狙いが明確で、効果的に使用している。薄暗い部分にもよくよく眼を凝らすと、桜の花びらのようなサンゴのポリプがうっすら浮かび上がっていて美しい。
くぅさん
10何年ぶりに来ましたが、こんな素敵なシチュエーションを撮らせてくれた宮古島に感謝です!
ビギナー賞1位
「わかるかな?」山田幸
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中村
真っ赤なイソギンチャクが美しい写真。クマノミの子供がイソギンチャクとそっくりで非常に可愛らしい。
この写真は主役であるクマノミを、あえてわかりにくい位置へずらしながらも、しっかりと整理された構図が素晴らしい。
山田さん
初めての宮古島&フォトコン応募でこのような賞をいただき嬉しい驚きです。イソギンチャクから顔を出したり隠れたりするクマノミがとても可愛いく、ウォーリーを探せ! みたいな感じで観てました。
宮古島のダイナミックな地形ポイントを堪能したうえ、このような可愛いクマノミもゆったり撮影させていただき、ショップのみなさんに大変感謝しています。
ダイビングは必ずやると決めていたライフワークのひとつでしたので、これからもっとダイビングを楽しみ、宮古島にもっと潜りに来て、海と空と三線ライブと泡盛も楽しみたいと思っています。この度の受賞ありがとうございました。
ビギナー賞2位
「太陽を背に」川口麻衣
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中村
逆光の中、ウミガメが優雅に泳ぐ瞬間をシルエットでうまく撮影できています。ウミガメがヒレを広げた瞬間の一番綺麗な形でシャッターを押せています。
ガイドさんとのチームワークでものにした素敵な写真です。
川口さん
このような賞をいただけたのも、宮古島でいい出会いをさせてもらったからだと思っています。これからも、楽しく、安全に潜っていき、写真も楽しんでいきたいと思います。ありがとうございます。
ビギナー賞3位
「ハートの出口」神武希久子
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中村
ハート型に開いた穴から出て行くダイバーを対角構図でうまく切り取っています。暗い闇から愛に満ちた世界へと向かう、心象心理のようなものも表現されていて、とても癒される写真です。
神武さん
今回は選んで頂いて本当にありがとうございます。
とても嬉しいです。これからも、素敵な写真がたくさん撮影できるように、楽しみながらダイビングを続けていきたいと思います。
審査員特別賞
「生命力」花山一郎
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中村
たくさんの応募作品の中でこの写真が目に止まったのは、動きのある生きた写真だからでしょう。作為はなく、自然体で撮影されているものが個人的には好きなので、こちらの写真を審査員特別賞に選出させていただきました。宮古島の代名詞である地形以外の魅力をうまく引き出していると思います。
魚眼レンズを使ってキンメモドキが散った瞬間をタイミングよく切りとっていて躍動感や生命力を感じます。
花山さん
多少流れていて根にあたっていましたので、運良く巻いてくれました。
オーシャナ賞
「2015宮古 夏」花山一郎
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オーシャナ
今回の作品の中で、唯一と言ってよい、“動き”のある人間が被写体となった作品でした。
どこまでも広がる青空に、浮かぶ夏雲。そして、キラキラと澄み渡る海に勢いよく潜るダイバー。見ているこちらも思わず潜りたくなる、理屈抜きに気持ちのいいシーンです。
フィンの黄色、ボートの赤もアクセントになっていますね。欲をいえば、構図的には、ダイバーが船の重ならないように配置するとバッチリ決まりますが、一瞬の躍動感をとらえた、素敵な写真だと思います。
花山さん
エキジット後、あまりにも空が抜けていましたので思わずシャッターを押してしまいました。
ダイバー賞
「ジャパニーズセノーテ」松崎竜児
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松崎さん
受賞作品に選んで頂き、ありがとうございます。ミニグロットの洞窟の先で浮上する寸前に撮った一枚です。
水の中とは思えないほど透き通った池にたっぷりの日差しが差し込 んでいる光景は、まさにカンクンのセノーテを思わせるものでした。
マリンダイビング賞
「秋の日光浴」細堀泰代
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※マリンダイビング選出
細堀さん
サンゴと青空
※
中村
今回選出しなかった作品も素晴らしいものがたくさんあり、正直かなり悩みました。
ガイドの皆様とじっくりお話を伺っていれば、いろいろ見方が変わるのかもしれませんが、最終的には、公平に宮古島の魅力をわかりやすく、シンプルに伝えられる、強い写真というコンセプトで優秀な作品を選べたと思います。
写真を眺めているだけでまた宮古島の海へ潜りたくなってきました。