インドネシアの“奇跡の海”ラジャアンパットを潜る!【2】地球が生み出した稀有な地形「パッセージ」に魅せられた

この記事は約5分で読めます。

「ケープ・クリ」にリベンジ!
リボンスイートリップスは撮れるのか!?

翌日は、<ラジャアンパットダイブリゾート>へと移動した。
今度は、リゾートのボートで迎えにきてもらい、10分くらいほど。静かな海辺のリゾートにやってきた。

リゾート内はウッドテイストで、南国感溢れる作りになっている。
そして、全てのバンガローが海に面していて、優しい波の音が部屋へと聞こえてきた。
とてもリラックスできる空間だ。

南国らしいウッドテイストでできているバンガローは全てオーシャンビューとなっている

南国らしいウッドテイストでできているバンガローは全てオーシャンビューとなっている

客室ではエアコンも使うことができ、トイレ、シャワーも完備されている

客室ではエアコンも使うことができ、トイレ、シャワーも完備されている

さっそく、ダイビングショップに行き、準備を整えてダイビングへと向かった。

どうしても潜りたかった「パッセージ」に、明日連れて行ってもらえると言うことでテンションも上々。
また、昨日外してしまったリボンスイートリップスもどうしても撮影したいとお願いをしたら、「ケープ・クリ」にもまた連れて行ってもらえることに!

1本目は、「ケープ・クリ」を目指して出航した。
この日もいい感じの潮が入ってきていて、ボートの上から見る限り水は透き通っていた。

やはりリボンスイートリップスは、水底付近にいるので最初に撮影しに行くことにした。

水底が35m位なので20m付近を流しながら探していたが、中々現れない。そろそろ諦めようと水深を浅くしていくと、指示棒をタンクに叩く大きな音が聞こえたので、「これは!」と期待し指示棒の先を見る。

砂地にポツンとある岩の周りに、30〜40匹位が群れていた。

しかし、随分探し回っていたために、もうエアも多くはない。
長居することもできないので、一回のアプローチで決めようとゆっくりと向かう。群れの位置や動きなどをどういう構図にするかをイメージしながら撮影した。

この時は、とにかく時間がなかったので気が付かなかったが、後で写真を見返すと複数の種類のコショウダイ系の魚も混じっていた。

念願のリボンスィートリップスの群れに出会う。よく見ると中にはアヤコショウダイなどゴールドストライプドスィートリップスも一緒に群れている

念願のリボンスィートリップスの群れに出会う。よく見ると中にはアヤコショウダイなどゴールドストライプドスィートリップスも一緒に群れている

リボンスィートリップス、ヒメフエダイ、ギンガメアジの魚が画角いっぱい収まりきれないほど群れていた(ケープ・クリ)

リボンスィートリップス、ヒメフエダイ、ギンガメアジの魚が画角いっぱい収まりきれないほど群れていた(ケープ・クリ)

見どころ豊富なダイビングポイント
「イェンブバ」を満喫!

そして2本目は「イェンブバ」に行くことができた。

ここも有名なポイントで、ポイントのコーナーからエントリーをしてギンガメアジやバラクーダなどの群れやナポレオンフィッシュを見た。
そのまま潮に乗って浅瀬のサンゴの美しいコーラルガーデンを楽しんだ後、桟橋でエギジットをする贅沢なポイントだ。

コーナー付近ではいい感じに潮が当たっていて巨大なイソバナの周りにバラクーダなどが群れていた

コーナー付近ではいい感じに潮が当たっていて巨大なイソバナの周りにバラクーダなどが群れていた

他の魚に夢中になって撮影していたらタイマイが僕の上を通過していった

他の魚に夢中になって撮影していたらタイマイが僕の上を通過していった

大きな玉となってやってきたのはキンセンフエダイやヨスジフエダイ、ニセクロホシフエダイ

大きな玉となってやってきたのはキンセンフエダイやヨスジフエダイ、ニセクロホシフエダイ

前半のコーナーも見どころ満載なのだが、後半のコーラルガーデンと桟橋の周りに群れている魚やサンゴが美しく、また透明度も抜群のポイントなので、写真好きにはたまらないポイントだった。

イェンブバでの終盤は浅瀬にある一面のコーラエルガーデンだ

イェンブバでの終盤は浅瀬にある一面のコーラエルガーデンだ

桟橋の下はまるでプールの様な透き通った美しい光景が広がっていた

桟橋の下はまるでプールの様な透き通った美しい光景が広がっていた

桟橋の横ではシュノーケルもできるのだが足の踏み場もないくらいのサンゴで埋め尽くされているので注意が必要だ

桟橋の横ではシュノーケルもできるのだが足の踏み場もないくらいのサンゴで埋め尽くされているので注意が必要だ

リゾートに戻り、サンセットの時間帯に桟橋を散歩しているとローカルの女性が楽しそうに歌を歌いながら、手漕ぎボートを漕いでいる。
思わず笑みを浮かばせながら、その平和な光景に見とれてしまっていた。

リゾートに戻り桟橋を散歩中にローカルの女性が気持ちよさそうに歌を歌いながら帰宅していた

リゾートに戻り桟橋を散歩中にローカルの女性が気持ちよさそうに歌を歌いながら帰宅していた

日も暮れてお腹も空いたところでレストランへと向かい、食事を取ることに。
料理はインドネシア料理をメインとしたビュッフェタイプで好きなだけ食べてもOKとのこと!
ダイバーにとってはうれしいスタイルで、品数も多くとてもおいしい料理だった。

リゾートの目の前には美しいサンセットが見られ1番のベストポジションは桟橋だ

リゾートの目の前には美しいサンセットが見られ1番のベストポジションは桟橋だ

夕食はバイキングスタイルとなっているので好きなだけインドネシア料理を楽しめる

夕食はバイキングスタイルとなっているので好きなだけインドネシア料理を楽しめる

木々がやさしい光を演出する
念願の「パッセージ」へ

翌日は最終日。
少し遠征をしてピアニモ島に連れて行ってもらい、帰り際に「パッセージ」で潜るというなんとも贅沢なコース。

海況にも恵まれ、ピアニモ島に向かう時は水面が鏡の様なべた凪だった

海況にも恵まれ、ピアニモ島に向かう時は水面が鏡の様なべた凪だった

一面のサンゴに覆われていた「メリッサズ・ガーデン」

一面のサンゴに覆われていた「メリッサズ・ガーデン」

今日は海況もよくベタ凪。空は青く、水面はまるで鏡のように反射している。
2時間程でピアニモ島に到着し、ダイビングの準備をしているとガイドさんが「Look!!」と水面を見ている。のぞいてみると、水底のエダサンゴがクッキリと見えていた。

さっそくエントリーして、上から見ていた美しいエダサンゴの周りゆっくりと泳いでいく。時々通過するタカサゴの群れが、そのエダサンゴを引き立てていた。

サンゴ礁の周りには多くのタカサゴの群などが見られた

サンゴ礁の周りには多くのタカサゴの群などが見られた

しばらくするとガイドさんが呼んでくれたので見に行くと、今度はきれいなヤギにピグミーシーホースが擬態していた。

ヤギにうまく擬態していたピグミーシーホース

ヤギにうまく擬態していたピグミーシーホース

ピアニモ島の面白いところはダイビングだけではなく水面休息時に島に上陸して、展望台から美しい眺めが見られること
これが、ここまで遠征してくる理由でもある。

ここまで遠征をするもう一つの理由がこのピアニモの展望台から見られる絶景だ

ここまで遠征をするもう一つの理由がこのピアニモの展望台から見られる絶景だ

最後に向かったポイントは念願の「パッセージ」。

まるで川にように流れている島と島の間の水路「パッセージ」

まるで川にように流れている島と島の間の水路「パッセージ」

「パッセージ」は、島と島の間に出来た小さな水路で、まるで川の様な激流が流れている。そこをドリフトで潜っていく。
もちろん水路の真ん中を泳いでしまうとあっという間に流されて終わってしまう。一方、水路の端っこを泳げば、そんなに流れは速くない。

エントリーしてみると、珍しい光景が見えてくる。

まず、水深1mとか50cm位の所に巨大なイゾバナやソフトコーラルが壁一面に群生している。そして、この水路は森の中にあり、木々が水面ギリギリまで垂れ下がっているので、太陽の光が木々の間から優しく水中を照らしてくれる。

そのため、ソフトコーラルなどが自然光で美しく撮影できるのだ。
世界中のカメラマンにとって、憧れのポイントなのではないかと思う。

水中には色とりどりのソフトコーラルやホヤ、そして水面下に垂れ下がっている木々の間から入ってくる光は神秘的

水中には色とりどりのソフトコーラルやホヤ、そして水面下に垂れ下がっている木々の間から入ってくる光は神秘的

パッセージ内には洞窟があり、まるでセノーテの様な美しい光景が広がっている

パッセージ内には洞窟があり、まるでセノーテの様な美しい光景が広がっている

水深1mほどの浅瀬にこれだけ巨大なイソバナがここまで成長するにはこのパッセージの水路が作り出した条件が必要でここでしか見られない光景だ

水深1mほどの浅瀬にこれだけ巨大なイソバナがここまで成長するにはこのパッセージの水路が作り出した条件が必要でここでしか見られない光景だ

リゾートステイの快適さに開眼
ラジャアンパットにまた行きたい・・・

以前から世界中のダイバーの間で聞いてきた有名なラジャアンパット。
実は私自身も今回は初めてこの地を訪れることができたのだが聞いていたお話、そして想像以上のダイビングスポットだった。
もちろん、それは海だけではなく、陸の美しい絶景や人々のあたたかさも含めて、「また行きたい!」と思える素敵な場所だった。

秘境と聞いてイメージしたほどアクセスも難しくはなく、治安も悪い印象は全くなかった。
今回は、リゾートに滞在したが、こんなにも快適かつ自由が効くのかと驚いた。
もちろんクルーズにはクルーズの楽しみ方があるが、ラジャアンパットに関して言えば、リゾートステイをおすすめしたい。

ダイバー憧れの地・ラジャアンパットは、そんなに遠くないーー。
ぜひ、よろこびに満ちた水中景観を体感して欲しい。

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writer
PROFILE
1988年7月6日生まれ
東京にフランス人の父、日本人の母の間に生まれる。生まれて間もなくフランスのパリに移りフランス人として成長し10年。父は写真家、ダイビングインストラクター。
小さい時から父にフィリピン、タイ、ガラパゴス諸島など自然豊かな場所に連れて行ってもらい、いつの間にか自然が大好きになる。時が経ち2010年にダイビングを始め2011年から沖縄でダイビングインストラクターとして活動。2013年からオーストラリアのダイビングクルーズ船にて働くことになりそこで船内販売用に写真を撮る。今度は撮った写真をソーシャルネットワークにも載せたりするようになり友達に『世界にはこんな場所がある!こんな海がある!』などと紹介するのが楽しくなる。2014年10月にクルーズ船の仕事を終え帰国前にオーストラリアを一周することに決め念願の一眼レフを手に入れ放浪。 現在は、自然写真家として水中写真をメインに世界中を撮影し活躍中。
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