2012年夏、神子元島
Mikomoto Island / 神子元島
ハンマーヘッドシャークを求めて伊豆半島最南端の海へ
Mikomoto Island / 神子元島
ハンマーヘッドシャークを求めて伊豆半島最南端の海へ
- Text
- 寺山 英樹
- Photo
- むらい さち
- Special Thanks
- 神子元ハンマーズ
- Design
- Sana☆
8月は爆発前夜 そして、9~10月の予感
データが示す9~10月爆発の予感!?
奇跡の安売り大歓迎!
一昨年は10年に一度の奇跡、昨年は100年に一度の奇跡と言われたほどのハンマー大当たりの年となった。大げさではなく「視界の端から端までハンマー」「潜り始めてから潜り終わるまでハンマー」ということもあり、点と点で“遇えたらいいな”のはずのハンマーに、“会いにいこ♪”といった状態が続いた。
しかし、これがハードルを上げ過ぎた(笑)。慣れとは怖いもの、人間の欲とは底がないもの。
この経験から、ハンマーは見られて当たり前、「今年は1000年に一度の奇跡!?」なんて思ってしまいがちだが、そこは自然相手。今年の夏は昨年のような爆発はない。それでもこれほどの近場でこれほどの確率でハンマーに出遭える海は他にないだろう。
「黒潮がすべてです」とまことさんが言うように、一昨年、昨年は7~8月にたまたま黒潮が大接近して大当たりしたが、本来、伊豆半島で黒潮が安定するのは9、10月。実際、一昨年以前の神子元では、コンスタントに水温が20度を超える9~10月が最もハンマーを安定して狙えるシーズンと言われていたのだ。逆にこれまで大爆発がなかったのは、今年9~10月の爆発の予感と受け止めたい。
そんな期待を後押しするデータがある。海洋変動予測システムが、9月は黒潮大接近の予測を出している。図を見るとわかるように、8月(左側)の黒潮がかなり離れているのに対して、9月(右側)の予測では大接近! これは期待できそうだ。一昨年、昨年に続く、奇跡よ再び。奇跡の安売り大歓迎!(笑)
でも、ギャンブルには勝つ人がいれば負ける人もいる。僕が15年かけて見たハンマー。カメラマンの越智隆治は初神子元の一本目で100匹と遭遇。人生とは不公平なものである。
■越智隆治が1本目で撮ったハンマー動画はこちら