黒潮が創り出す海のフォトスタジオ KUSHIMOTO

串本WEB Magazine

Kushimoto / 串本

水中カメラマン・中村卓哉、初潜入!

Photo
中村卓哉
Model&Text
稲生薫子
Special Thanks
串本ダイビング事業組合
Design
Panari Design
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Kushimoto / 串本

水中カメラマン・中村卓哉、初潜入!

Photo
中村卓哉
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稲生薫子
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この記事は約2分で読めます。

大型の台風号が迫り来る中、
取材班は本州最南端の海、
串本へと向かった。
“海のフォトスタジオ”
今回が初串本となる水中カメラマン・中村卓哉は
この海をそう称する。
温帯と亜熱帯が混ざり合う、
異色の海の魅力を紹介しよう。

串本「浅地」のポリプ(撮影/中村卓哉)

「浅地」の北側の壁一面で満開になるオレンジ色のポリプ

これぞ黒潮の恩恵。生命ひしめく海

串本の珊瑚の風景(撮影/中村卓哉)

ソフトコーラルとハードコーラルが共生する珍しい光景は串本ならでは

取材1本目でやってきたのは、外海で一番の人気ポイント「浅地」。
串本ダイビング事業組合が使用しているポイントは全部で22ヵ所。そのほとんどがボートポイント (ビーチは3ヵ所)だ。

メインとなる西側のポイントは外海と内海に分かれている。ダイナミックな地形や群れ、大物を狙うなら外海のポイントで、中でも一番人気があるのが「浅地」だ。

▼CHECK
これが串本だ! 串本外洋一番人気ポイント「浅地」を攻める

「浅地」がダイバーを魅了する理由は、「潜るとすごいことが待っている」的な、“浅地神話”なるものが広まったことにあると、ガイド陣は口をそろえる。

大物狙いのギャンブルダイビングが可能で、その成功体験にハマってしまうのが、神話を生んだゆえんかもしれない。マダラトビエイやハンマーヘッドシャーク、極希にマンタも登場するという。

今回取材班は、台風で海況が悪化しているにも関わらず、「浅地」に2日間連続でエントリーでき、マダラトビエイに3度も遭遇した。

また、“THE 串本”が見られるのもこのポイントだ。串本は温帯と亜熱帯の融合のような海で、ハードコーラルとソフトコーラルが仲良く並んでいる。これは伊豆や沖縄では見られない、目を疑うような光景だ。

さらに、日本では約4000種類の魚が観察できるといわれているが、串本ではそのうちの1300種類の魚(沖縄で見られる魚の7割、伊豆半島近海で見られる魚の3割)が観察できる。そんな“THE串本”の海景が「浅地」の海には凝縮されている。

これらの特異な海景の背景には、黒潮の存在がある。フィリピン沖を源として日本の南岸に沿って流れ、潮岬にその潮が当たることで枯木灘南部では特別に暖かい環境となり、亜熱帯の生物が観察できるのだ。

串本はまさに生物のるつぼと言えるのかもしれない。

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