黒潮が創り出す海のフォトスタジオ KUSHIMOTO

串本WEB Magazine

Kushimoto / 串本

水中カメラマン・中村卓哉、初潜入!

Photo
中村卓哉
Model&Text
稲生薫子
Special Thanks
串本ダイビング事業組合
Design
Panari Design
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水中カメラマン・中村卓哉、初潜入!

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本州最南端で見た世界最北の珊瑚群生

串本「オレンジハウス前ビーチ」珊瑚群生(撮影/中村卓哉)

「オレンジハウス前ビーチ」に広がる珊瑚の群生。潮位によっては珊瑚が水面近くなるのでフィンで珊瑚を蹴ってしまわないように

串本には2005年にラムサール条約湿地に登録された、世界最北の珊瑚の群生がある。

伊勢エビ網漁の関係で、毎年10/1~3/31まで串本のエキジット時間は15:00と決められているが、例外のポイントもいくつかあり、そのひとつがこの珊瑚の群生が見られる「オレンジハウス前ビーチ」だ。

堤防から近すぎて、「こんなに近いの?」と驚く。水路のような地形を抜けると突然、終わりが見えないほどのクシハダミドリイシに囲まれた。

山と海のつながりを大事にする中村カメラマンは、こうした環境は、この海が健康である証だという。

「山から河川の栄養が豊富に海に注ぎ込まれる場所にはクシハダミドリイシの森。その先には黒潮がバンバン当たり、南方の魚たちやサンゴの卵が運ばれてくる。さらに周囲を岬で覆われているため台風などに強く、黒潮によって運ばれて来た栄養が溜まりやすい場所でもある。そのような恵まれた場所だからこそ、生態系が凝縮され、さまざまな生き物が共存できる生物多様性の海が形成されている。この珊瑚群生を見て、この海が健康である条件のすべてがここに現れていると確信した」

これらの珊瑚や生態系を、未来永劫これからの子どもたちのために守っていくのも、ダイバーのひとつの使命。串本の海は言葉では語らずしも、大切なことを改めて教えてくれた。

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