本当は紹介したくない沖縄最後の秘境・多良間島
先日、水中カメラが1年以上も漂って、多良間島に漂着した話をお届けしました。
「多良間島ってどんなところ?」、「どこにあるのよ?」と思った方も多いのではないでしょうか。
また、編集長が「沖縄を潜り歩いていたけど、多良間の海が忘れられないんだよな」とことあるごとに言っていて以前から気になっていました。
ということで、2泊3日の弾丸で多良間島に行ってみました!
行ってみたら、空も海もありえないほど青かった!
話には聞いていたものの、想像を超えた青がお出迎え。
これが噂の多良間ブルーってやつですか!!
“空の青が海にも写る”というのは本当のようで、この上ない、絵に描いたような青が広がっていました。
青とはいってもメキシコに訪れた時に感じた“この上ない青”とはまた少し印象が違って、メキシコ(カリブ海)の青は彩度が濃い印象でしたが、こちらは優しく柔らかい青。
しかしぼんやりもしていなく、“くっきり優しい”とでも言いましょうか、まさに“多良間ブルー”と称されるのが適している第一印象です。
人より牛が優先!?多良間島への交通事情
多良間島へのアクセスは宮古島から。
正式名称は、「宮古郡多良間村」なので、実際は宮古島の一部で、宮古島と石垣島の間に位置します。
東西約8kmの楕円形の島で、島の半分がサトウキビ。
未だ観光客のめちゃくちゃ少ない本当はあまり公表したくない秘密にしておきたい秘境です。
宮古島からの行き方は2つ。
セスナとフェリーです。
今回は、時間を優先してセスナをチョイス……ではなくて、日曜日でフェリーが運休だったというのが本当の理由です。
また、この「フェリーたらまゆう」は、牛セリのある月(1月・2月・4月・6月・8月・9月・10月)は、運航の変更がある場合がありますので、ご注意ください。
多良間海運のオフィシャルサイトにも、「※牛の積込み状況により、出港時間が遅れる場合があります」とあるように、なにやら、人よりも牛が優先されるもようです(笑)
宿泊施設はあるの?
今回は、ダイバーのよく宿泊するペンション「あだん」とコンドミニアムタイプの「夢パティオ多良間島」に1日ずつ宿泊。
島で唯一のダイビングショップJAWSⅡには両方から徒歩圏内なので、どちらに宿泊してもさほど不便は感じませんでしたが、距離的に言えば、あだんのほうが断然近い。
夜にショップにみんなで集まってワイワイ飲んだ後に、一人で夢パティオまで帰るのは少し寂しかったのを覚えています。
多良間の海は、ありえないほど気持ちいい!
10年来のリピーターチームに混ぜてもらって空飛びダイビング
編集長が「多良間の珊瑚はマジですごい!」というので、多良間は珊瑚で溢れているのかと想像していたのですが、訪れた時は「今回はたぶん編集長の言っている珊瑚のエリアにはいかないです」と言われ、ちょっとしょんぼり。
しかし!
何気なく存在する珊瑚は申し分ないくらい生き生きしていたし、なによりもジャイアントエントリーした瞬間の青い世界はただ物ではない。
多良間ブルーすご!
水色の水風船の中に間違って飛び込んじゃったような感覚です(水風船の中に入ったことないけど)。
ご一緒したリピーターの中には「もう多良間でしか潜らないので、器材一式多良間に置いてあります」いう方もいらっしゃり、最初に話を聞いた時には「え、冗談でしょ」と思いましたが、一度エントリーするなり、とても頷けました。
何度も来ているリピーターだって、この通り。
本当に空を飛んでいる感覚に陥ります。
思わず自分撮りとかしてしまいました。
珊瑚の周りには魚もたくさん集まり、写真を撮る人も飽きません。
そして、エキジットすれば、この景色!
日本ではまぎれもなく過去最高の“癒しダイビング”を満喫しました。
帰京日はレンタカーを借りて、島をぐるり
牛とヤギとサトウキビに囲まれる
帰京の日。
帰りの飛行機を午後にして、午前中から約4時間、レンタカーを借りて島を一周してみました。
スーパーにいって、お茶とおにぎりを購入したついでに、島の人にどこを見たらいいのかと聞いてみたところ、裏のほうに展望台があるよと。
それ以外は海しかないから適当に走ってみろと言われ、まずは展望台に行くことに。
島には高い建物がないので、唯一見える高い建物=展望台をなんとなく目指していたら迷わず到着しました。
ここまでは、ナビ、いりません(笑)
一人で来たので、来島の証拠にと、海中に続いて自撮り。
楽しさ半分、実は内心暑さですでに参っています。
ふと足元を見ると、謎のオーストラリアへの指標。
近いでしょ?と言いたいのか遠いでしょ?と言いたいのか、微妙な距離です。
東京まで2200kmかと考えると・・・オーストラリア7600kmってめっちゃ近くない!?
多良間島、だいぶ南に位置していることがわかります。
展望台でおにぎりを頬張ったあとは、言われた通り、適当に走ってみることにしました。
途中では、ヤギに興味を持たれ、
牛に遭遇し、
多良間を守っている“宮古まもる君” に逢いながら空港横目に走っていたら、突如永遠サトウキビの景色になり、若干迷ってナビで位置確認をし、
展望台から見た景色を思い出しながら、「まあ、とりあえずまっすぐ走ればどこかの海に出るだろう」と、本当に適当に走ってみたら、本当に海に出ました。
少し走り疲れたので、写真を撮りながら防波堤の上で寝ていたら、地元の人に傷心旅行かしら的な目線を頂いたので、恥ずかしくなって車に戻ると、もう飛行機の時間!
急いで宿に戻り、宿の方に空港まで送って頂きました。
日本語が通じるのが不思議に感じるほど、日本を忘れさせてくれ、非日常をくれた多良間島。
「もう、多良間島にしか来ないので、ダイビング器材はここに置いていくんです」
それ、ちょっと、わかりました。
多良間島で潜りたいなら、JAWSⅡ
多良間島に唯一ショップを構えるJAWSⅡ。
綺麗なショップには、夜な夜なゲストが飲みに訪れ、多良間のこと、海のこと、自分の好きなことを、笑顔たっぷりでスタッフに話します。
それをひとつひとつ笑いで返す、オーナーのしゅうさんこと、柳岡秀二郎さん。
2日間しか一緒に過ごしていないけれど、“また帰ってきたい”と思うのは、しゅうさんがいるからと心底感じました。
今回は“もう多良間にしか来ていない”といっても過言ではないハードリピーターの方々と偶然にも同じ日程で過ごすことができました。
初多良間の私でも家族のように迎え入れてくれ、夜の飲み会が楽しすぎて普段あまり飲まない焼酎まで飲んでしまったくらい。
今回は300本の記念ダイブの方もいて、みんなでお祝いしました。
多くの人に訪れてほしいような、秘密にしておきたいが故に訪れてほしくないような・・・記事を書いていても葛藤してしまうくらい魅力のある島、多良間島。
訪れる際にはぜひマナーを持って、そして日ごろのうやむやしたものは置いてから来てほしいと思います。
こんな島にカメラが1年かけて辿り着いたなんて、ちょっぴりロマンチックに感じてしまいますよね。