沖縄№1の沈船「エモンズ」 @沖縄・古宇利島

日本全国潜り歩き 沖縄行脚 @沖縄本島

やってきたのは今帰仁(なきじん)!

目的は、今帰仁の沖に浮かぶ古宇利島(こうりじま)のさらに沖に沈む、
沈船「エモンズ」を潜るためじゃ。
■場所はだいたい→この辺

以前から「魚がよく釣れる」、「油が浮き出る」ということで、
漁師の間では噂されておったようじゃが、‘00〜’01年発見。

沖縄では珍しいレックダイビングができるとあって注目を浴びるも、
およそ水深45m(トップで32m前後)、しかも沖にあるため時に激流。
ダイバーを選ぶダイビングスポットといえるじゃろう。

港からおよそ20分。大海原にポツリとブイが2つ。
それぞれ船首、船尾に続くブイのうち、船首側からエントリー。

エントリー後、流れがきつく、ロープまでダッシュ。
ロープを手繰って潜降していくとやがて浮力が失われ、
水底へすぅっと体が吸いこまれていく。

透明度のあまりよくないこの日。
水深25mを過ぎてやっと全長約106㍍の巨大沈船「エモンズ」が、
その全貌を徐々に姿を現してくる。

激戦の末、水底に眠ることになったその体躯は、
しかし、65年の歳月を感じさせないほど原型を留めた状態で、
静かに水底に横たわっている。

船尾から船首へ向かうと砲台や機関銃が、
今でも勇ましく虚空に狙いを定めている。
 

わずかに届く太陽光が鮮明にする船体は、幻想的ではあるが、どこか物悲しい。

アメリカの戦没者の名前が刻まれたプレート。安らかに。
 

船尾の巨大なスクリューは大迫力。

水深が深いため、滞在できる時間は15分足らず。
垂直浮上後、ナイトロックスで安全停。ダイビングタイムはおよそ20分じゃ。

日本で初めて見つかった巨大な沈戦艦。
歴史的なアプローチを試みるのが王道ではあるが、
漁礁の役割を果たしている沈船は生物たちの宝庫でもある。
2本目はフィッシュウオッチングというアプローチもいいじゃろう。


休憩はこの〜木、なんの木、気になる木になるきになるきになる……スパイラル

ダイビング後、《ブルーフィールド》経由でお世話になった、
エモンズに強い《ダイビングサービス・シチ》でまったりと。

 
海が一望できる絶好のロケーション。美人の奥方とお二人で

沖縄の歴史を感じさせるエモンズ。
迫力のレックスポット、エモンズ。

ある程度経験のあるダイバーは、変化球として狙っていてはいかがじゃろう。

※編集長テラの裏エモンズ日記は→こちら
※写真協力/土門直司

【掃海艇USSエモンズ】
1945年4月6日、旧日本軍の特攻機5機に突入され爆発炎上。
古宇利(こうり)島沖に漂流し、武器や機密を奪われることを恐れた米軍
自らの手によって海底に沈められる。

■略歴
1940年11月建造USS EMMMONS(DD457)
1941年8月就航
1944年11月、高速掃海艇(DMS22)として改装
1945年4月6日、日本軍の特攻により大破。翌7日自軍の船により撃沈処理

総トン数 2050トン 全長106.2 m 全幅11.0 m 
装備 127mm砲×4  12.7mmガン× 6  20mmガン× 6  魚雷×10 爆雷投射機× 6

 

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
  • facebook
  • twitter
FOLLOW