「水中遺跡ハンドブック」が文化庁HPにて公開

水中遺跡としてダイバーにとって身近なものは、沖縄のUSSエモンズといった沈船だろう。しかし沈船だけでなく、水没した集落や文化財なども水中遺跡にあたり、日本国内では300弱の水中遺跡が確認されている。この水中遺跡を後世に繋げるため、水中遺跡保護の技術と方法を具体的に示す「水中遺跡ハンドブック」が2022年3月、文化庁より公開された。

水中遺跡は、海に囲まれた日本の成り立ちや海外との交流の歴史を知る上で貴重な文化遺産。調査や保護においては地方行政や研究者、地元などの協力が必要となる。これまで文化庁からは2010年より発掘調査の手引きを数年にわたり刊行してきたが、水中遺跡保護の行政対応の整備が進みづらかった。そのため2013年に「水中遺跡調査検討委員会」を立ち上げ、実際に水中遺跡保護を進める地方公共団体の取組を支援する「水中遺跡ハンドブック」を制作・公開した。

「水中遺跡ハンドブック」は、文化庁のHPよりPDFでダウンロードできる。調査の流れや水中遺跡とはなんなのかなど、全カラー297ページに図・写真が盛り込まれ、わかりやすく解説されている。また、「水中遺跡ハンドブック」制作に関わるアジア水中考古学研究所の林原利明氏は「水中遺跡発見には、ダイバーからの情報提供も大きな役割を果たします。『ハンドブック』公開を機に、ダイバーに水中遺跡を正しく理解してもらい、関心も高めてもらえれば、水中遺跡の発見・保護もより進むことと思います」と話す。もしダイビング中に遺物を発見したら、アジア水中考古学研究所に連絡しよう。もしかしたら発見者としてあなたの名前も紹介されるかもしれない。

▶︎水中遺跡ハンドブック【PDF】
▶︎アジア水中考古学研究所

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