日焼け止めをきっかけに沖縄で広がるサンゴ保全の輪 スキンアクア NEXTA®イベントレポート
今年ロート製薬より発売された、環境に配慮された日焼け止めスキンアクア「NEXTA®(以下、ネクスタ)」。サンゴに悪影響を与えるといわれるオクチノキサートやオキシベンゾンを使わずに、使い心地や効果にもこだわり開発に数年かかったという。
ロート製薬は、この「ネクスタ」をきっかけに、サンゴが豊富な沖縄でサンゴ保全の意識を高めていきたいという想いから、8月8日(月)に「おきなわ海の教室」を開催。スピーカーにはロート製薬のほかプロサーファーの眞木勇人氏、サンゴ育成のDXに取り組むサンクスラボ株式会社、また、オーシャナからは編集部のスイカが登場。沖縄に住んでいたり、沖縄で仕事をしたりしている方々約20名が参加し、ともにサンゴや海について考える時間となった。今回はイベントに登壇したスイカより、内容をレポートしていきたいと思う。
サンゴを守る各社の取り組みを紹介
第一部では3社からそれぞれ、サンゴ保全の取り組みとその背景を紹介。トップバッターの私からは、サンゴの美しさやダイバーにとっての価値、沖縄のサンゴ礁の特徴や現状、ダイビングからサンゴ礁を守る取り組み「Green Fins」を紹介。Green Finsのガイドラインにあるサンゴの上に立たない、魚に餌付けをしない、生き物に触らないといったダイバーが守るべき行動規範のほか、プラスチックごみを減らすこと、サンゴに優しい日焼け止めを使うことといった日常でもできることを紹介した。
デジタル領域で障がい者が活躍できる仕組みをつくるスタートアップ企業・サンクスラボの平良圭太氏からは、「里海珊瑚プロジェクト」の紹介。オフィスの水槽でサンゴを養殖し、その管理を障がい者がデジタルツールを活用して行い、できたサンゴの苗をダイバーが沖縄近海に植え付けるというもの。企業、障がい者、地方自治体など多くのステークホルダーを巻き込みながらサンゴ保全の事業化を進めている。
最後にロート製薬の小杉明子氏からは、紫外線とはなんなのか、そこから身を守ることの大切さを詳しく解説。小杉氏もダイバーであり、自身で撮影した海の生き物の写真を紹介しながら、海も自分の肌も守ることの大事さをお話ししてくれた。さらに多くの日焼け止めに含まれている海に有害といわれる成分オクチノキサート、オキシベンゾンが配合されていないネクスタ、通称“飲む日焼け止め”といわれている「HELiOWHITE」の紹介も。
サンゴを守るために普段からできることは?
眞木勇人×スイカ クロストーク
後半ではサーファーの眞木氏とオーシャナ・スイカでクロストーク。イベントの企画者であるマリンポートパートナーズ株式会社の今川雄太氏がファシリテーターとなり、ダイビングとサーフィン、日常的に海で遊ぶ人の観点から、沖縄の海の魅力や環境問題への想い、日常生活で具体的に取り組んでいることなどをお話しさせていただいた。
眞木氏はプロサーファー、Patagoniaアンバサダー、素潜り漁師としても活動する傍ら、沖縄・北谷町のSIMPLE LIFE ADVENTURESでサーフィンやスキンダイビングといったアクティビティの提供を通して、自然の素晴らしさや環境について伝えている。
「環境を汚すということは自分を汚すということ」と、眞木氏は語る。自然の中で遊ぶうちに、環境に対する意識が強くなっていったという。クロストークの際は、環境に負荷をかけない漁法で漁をしていることや、アクティビティを通して体験してくれた方の意識が変わったこと、普段から使用する日焼け止めのほか洗剤や自身が選ぶものに関する基準など、具体的なエピソードを交えてお話ししてくれた。
つながるサンゴ保全の輪
イベントの前後では参加者、スピーカー同士が積極的に交流して、活動やサンゴ保全に対する取り組みなどの情報交換を行った。
今回イベントを通して、さまざまなサンゴ保全の取り組みが行われていることを知り、また多くの方が関わっていくことで、地域でのサンゴ保全は大きく進むのではないかと思えた。ここで繋がった人の輪が、沖縄のサンゴや海の美しさを持続可能なものにしていく取り組みの発展につながる第一歩となるのではないか。また、これを読んでいる読者の方にも、その想いが伝わって、何か行動を変えるきっかけになったら嬉しく思う。