対馬の膨大なごみ回収を支援しよう!自然写真家の高砂淳二氏が呼びかけ【クラウドファンディング】
国境の島・対馬の海岸に、東アジアからの漁具・漁網やプラごみが大量に漂着している。自然写真家の高砂淳二氏が副代表理事を務める海の環境NPO法人「OWS」が、クレーン船1艇と小型船2艇を駆使し、海岸に打ち上げられた大量の漂着ごみ回収に挑むクラウドファンディングを開始。目標は回収のモデルケースづくりと、次につながる継続の足場づくりだ。支援募集は11月10日(月)23:00まで。
見えない浜に積もる“ホットスポット”。対馬の現状
対馬は入り江が連なる美しい島だが、海流の影響で発泡スチロールのフロート、漁網・ロープ類などのプラごみが大量に打ち上がり、道路のない海岸は手つかずになりやすく、層をなして堆積してしまう。放置すれば紫外線や風波で砕け、回収不能に近いマイクロプラスチックへと進む。そして漁具・漁網は再流出すれば“ゴーストフィッシング”を起こし、魚類やウミガメ、海鳥に被害を与え続けるという深刻な問題がある。

層をなして堆積したプラスチックごみ(撮影:対馬佐保地区/OWS)

大きな発泡スチロールの下はマイクロプラスチック化した発泡スチロール細粒が堆積(撮影:対馬佐保地区/OWS)
船+クレーンで攻める。アクセス不能の海岸へ
そこで、OWSは対馬・佐保地区や志多浦地区の協力のもと、クレーン(3tユニック)付き作業船1隻と小型船2隻で臨もうとしている。深場に作業船をアンカーリングし、小型船で上陸して人力で分別・封入。軽量物は小型船でピストン輸送し、重い漁網等は作業船からロープで牽引してクレーンで引き揚げる。水中に絡むごみはダイバーがロープ固定し同様に回収。港へ運び、クレーン車で陸揚げ・集積へ。20~25名体制で実施予定だ。
今回の回収目標は、まずプラスチック類と漁具・漁網を優先し、フレコンバッグ30~40袋分。成功させ、道路のない海岸でのモデルケースとして継続につなげる。

回収した漁網やロープ類はクレーン(3tユニック)で引き揚げる(撮影:志多浦地区/OWS)
OWSは1998年設立の海の環境NPO。北西ハワイ諸島での海洋ごみ問題を出発点に、一貫して「海洋ごみプロジェクト」を継続してきた。対馬では「世界最北のサンゴ礁」を毎年モニタリングし、2018年から志多浦で水中回収を実施(2018・2022・2024年)。サンゴを傷めない手順と安全管理のノウハウを積み上げ、回収物は分別・集積のうえ対馬市の協力で処分している。

「アクセス道路のない対馬の海岸に、海流に乗って東アジアのプラごみがどんどん漂着しています。言ってみれば、プラごみ集積のホットスポットの一つ。ぜひここで、これまでのプラごみ回収のノウハウを活かして、再び海に出てしまう前に一気に回収したいと思っています。
僕ら人間が作り出してしまった自然に還らないごみは、人間が回収しなければ、地球を永遠に汚し続け、世界の生き物に被害を与え続けます。よろしければぜひ、ご協力ください。」
ぜひこの機会にこのプロジェクトを支援し、美しい海を後世に残していこう。詳細は下記リンクをチェック。