国連×『日本沈没』スペシャルコラボ!編集部も早速チェックしたその気になる内容とは
「地球環境の危機」を大きなテーマの一つとしているTBS系日曜劇場で放送中のドラマ『日本沈没―希望の人―』。現実の世界でも抱える課題への強いメッセージが込められた内容のドラマであり、以前オーシャナでも取り上げた。
11月2日、本ドラマのメインキャストのひとりである杏氏が国連環境計画(以下、UNEP)のインガー・アンダーセン事務局長と対談した映像が、YouTubeで配信開始された。気候変動という世界規模の課題から一女性としての想いまで、余すところなく語られた貴重な対談の気になる内容についてご紹介していく。
極めて異例の対談。実現の理由とは
UNEPは、環境問題(特に危機的な状況にあると言われる地球温暖化とそれによって引き起こされる気候変動への対策)の分野で主導的な役割を果たす国際連合の機関。一方で、本ドラマで杏氏が演じる週刊誌の女性記者は、迫り来る日本沈没という環境危機に気づき、ジャーナリストとして国民に伝えるという使命を背負っていく役柄。“人々に伝え、行動を促す”という部分で、気候変動や地球温暖化について発信しているUNEPとも相通ずるということで、今回の対談が実現したという。
エンターテインメント作品の出演者が、作品の内容とリンクさせながら世界が抱える課題について国連の要人と対談をするのは極めて異例だという。
世界のトップに立つ女性から発せられた内容とは
対談内容は気候変動だけにとどまらず、メディアの役割、女性リーダー、そして3人の幼い子どもを持つ母親である杏氏ならではのジェンダー教育への不安など幅広い範囲に及ぶ。環境問題に深く携わっていない人でもわかりやすい内容で、純粋に世界のトップに立つ女性からのメッセージには勇気をもらえる。また、本ドラマでもさまざまな正義・リーダー論についても描かれているが、女性でありながらUNEPのトップに立つアンダーセン事務局長自身のリーダーとしての理想と苦脳、大切にしていることが語られている。ぜひ女性にも観ていただきたい内容だ。
気候変動や地球温暖化への強い危機感を表しているアンダーセン事務局長。最後に視聴者に向けて「未来はあなたの手の中にあります。あなたがすること、しないことが、未来に影響を与えるのです。ドラマでインスピレーションを受けて、自分自身で行動を起こしてください。私たちは変化を起こすことができると希望を持ち続けて」とメッセージを送っている。
今回のインタビューはUNEPの本部があるアフリカ・ケニアと東京・TBSをインターネットでつないで2021年9月9日に行われた。
参照:『日本沈没』出演の杏がインガー・アンダーセン国連環境計画(UNEP)事務局長に単独インタビュー | TV LIFE web
オーシャナ編集部として感じたこと
オーシャナには、メディアとして海やダイビングの情報を世の中に向けて発信していくという役割がある。対談では「地球温暖化や環境問題においてメディアにはどのような役割を期待するか」という質問を杏氏が投げかけた場面があった。それに対して、アンダーセン事務局長は「メディアはとても重要です。メディアは事実・情報・データ・証拠について社会を映す鏡となるからです」と応えた。それを聞いた、オーシャナ1年生である筆者は、いい意味での責任をひしひしと感じ、“海やダイビングを映す鏡”となれるよう、正しく役立つ情報発信を世の中の海を愛する人々にしていきたいと強く感じた。引き続き『日本沈没―希望の人―』に注目していきたい。