日本一危険なダイバー!?

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とある初心者のストレス・ダイバーさんから、
「ガイドさんみたいにストレスなく自由自在に潜りたい」と言われた。

しかし、実はガイドやイントラだってストレスを感じることは少なくない。
ダイビング 緊張

僕の入っている日本安全潜水協会のメーリングリストでも、
一線で活躍するキャリアの長いガイドさんが、
「レギュレーター呼吸が息苦しくなって」とか
「えもいわれぬ不安に襲われる」というような告白をしている。

20年以上キャリアのあるプロカメラマンが、
「最近になって海が怖くなってきた」と言っていたこともある。

そのストレスに少なからず関係しているのが、
「イントラ(ガイド)という看板」だろう。

穏やかで自分の庭のような海を潜っていたガイドさんが、
海外の超ドリフトスポットでストレスを感じても不思議でもなんでもない。

しかし、「ガイド10年やっています」と名乗った手前、
「怖いよ〜」とはなかなか言えないし、
怖いのに怖くないと言い聞かせる過程で余計にストレスがかかったり。

しかも、プロは当たり前だが水中で放っておかれるので、
自分でなんとかするしかない。
プロが知らない海で潜るとき、実はストレスが意外と高いのかもしれない。

しかし、そこはやはり経験があるので、 ストレスのコントロールにも長けている。
メーリングリストでも冷静に自分の心を静めるステップを公開していて、
さすがだと思わされる。

さて、ここまでの前フリを経てやっと登場するのが
題名の日本一危ないダイバー。

はい、僕です!

初心者のストレスはプロがカバーしてくれる。
プロのストレスは経験がカバーしてくれる。
しかし、和尚のストレスをカバーするものは何もない。

20代半ば、イントラ・テラとして雑誌に出たが、
経験の乏しい若者の言葉は説得力がない。

そこで、キャラとして考えたのが、
おじいちゃんのような万能ダイバーの和尚。
それが実際と結びついてしまい、
いつのまにか僕も万能ダイバーのように思われることもしばしば。

マイミクのてるさんなどは、僕が潜りに行くと言ったとき、
「え! なんか怒られたりしないですよね?」とか言うし(笑)。

実際はストレスの連続。

取材で初めて潜る海。
しかも、職業はダイバーというよりライターなので、
1ヶ月ぶりなんてこともザラ。

こっちは心臓バクバクで、
「1本目は穏やかな海がいいな〜」と内心思っているが、
「今日は和尚だし安心だから」といきりなりビッグスポットに潜ったり。

水中でも基本的には「和尚だし」と放っておかれる。
逆に手を貸すなんて失礼だと思っている人までいる。
お願い、手を貸して……。

ストレスを軽減する方法のひとつが「心情の吐露」。
プライドや迷惑かけてはいけないという気持ちを捨てて、
「あ〜久しぶりですんごいドキドキです。ケアお願いします」と
言うだけでもストレスは軽減する。

もちろん僕だって「めちゃくちゃ緊張しています」と言うのだが、
「またまた〜〜〜」と(泣)。

かくして、ストレス全開なのに、
誰にも相手にされない日本一危険なダイバーの誕生である。

最近は、やっと自分なりのツボがわかってきたが、
それでもドキドキして「嫌だな〜」と思うことがある。

つまり、何が言いたいのかといえば、
もし一緒に潜ったらOKサインのひとつでもだして、
お願いだからかまってということです(笑)。

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writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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