変態売れっこ作家

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先輩にものすごく久しぶりにキャバクラに連れていかれた
(いや、連れていっていただいた・笑)。

以前にもご一緒したことがある先輩が言うには、
「お前はキャバクラの遊び方がなってねぇ」とのこと。

「あの、どういうところがですか?」と聞くと、
「カッコつけているところ」との返答。

自分にはそんなつもりもなく、ただ普通に話しているだけなのだが、
先輩に言わせれば「普通に話してどうする!」とのことで、
それは何か期待していることの裏返しであると。
う〜ん、そうなのか……。

何かに期待するのはいいが、
外見や態度、気持ちで女性の気を引くのは表の世界であり、
キャバクラで何かを期待するなら時間とお金をかけるのが正しい。
そして、それが表の世界への誠意でもあるのだと力説する。

「お金を払う代わりに虚構の世界を買うのだから、
普段の女性への接し方ではなく、思いっきりバカになり、
楽しいウソをいっぱいつかなきゃならない」とさらに力説は続き、
「キャバクラで自覚的に自分を大きく見せ、
あっちも自覚的に褒めてくれるからこそ、
外では謙虚でいられたりするんだよ」とわかるようなわからないような話。

ということで、
「今日はおごってやるから、お前、
今日はとにかく1のことを10くらいにして喋れ。完全な嘘じゃつまらんし。
で、あとはいっぱい自慢してドン引きするくらいの下ネタを
お見舞いしろ」との命令が……。

キャバクラに入って緊張したことはないが、
この日はすんごい緊張(笑)。

早速、女性がついてくれてトークが始まるが、結局僕はいつも通り。
なかなか1を10にするきっかけがない。
そんな僕に業を煮やした先輩が、何となく職業の話になったときに、
「こいつ、売れっ子作家なんだよ」とひと言。キャバ嬢「すご〜い」。

まさに、1が10(笑)。は、恥ずかすぃ〜。

「そう。直木賞とるまでは、がんばらないと」と一応ノルがキレがない。

先輩は続ける。

「海とイルカを書かしたら、こいつの右に出る奴はいない」。
意味不明だが、キャバ嬢は「私、イルカと泳いでみた〜い」とかノってくる。
もうこのテーマ自体が自分の中では恥ずかくて仕方ないのだが、ノルしかない。

「イルカってね、笑っているみたいでかわいいんだ。
キュンキュンって声もかわいくてこっちもキュンキュンしちゃうんだ」
と目をキラキラさせ、
「イルカの頭にはメロンタイってのがあってね」とうん蓄を述べ、
「御蔵島のイルカはほぼ友達」とウソをはさみ、
イルカ人間・ジャックマイヨールのことをキャバ嬢が知っていたので、
「ジャックとの思い出は尽きない」と1回しか会ったことないが、
さも親交があったように遠い眼をして偲んでみた。

確かに、虚構だと思うと何だか楽しい(笑)。

さらに「なぜ結婚しないの?」話になると、
先輩が「こいつは体位にこだわりがあり過ぎてダメになるんだ」とキラーパス。
ノルしかない。

「そう。僕は座位でしかイカない。しかも両耳を真横に引っ張られ、
ツバをかけられながらでないとダメなんだ」(どんな状態だよ・笑)と
真顔で言い始めたあたりから止まらなくなり、
「ロメロスペシャルとヘリコプターの合わせ技が……(以下、自主規制)」

ダイビング
ちなみにロメロスペシャル。ちなまなくていいんだけど。

最後のほうはパスをもらうまでもなく
書くことのできない下ネタをいっぱい話し、
もっと書くことのできない痴態もさらしたが、
久しぶりにケラケラと腹の底から笑ったのでした。

変態売れっ子作家な夜。

先輩ありがとございました。
初めてキャバクラが楽しいと思いました(笑)。

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writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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