ほめ言葉と女ごころ
今日は後輩の女の子とお食事。時間が早かったので飯の前に映画を一本。
つまり、半日一緒に過ごしたわけだが、最後の最後になって、
「テラさん、言葉に気をつけた方がいいよ」と。
なんでも、ほめているつもりでほめていなかったり、
見たまんまを口にしたり、言わなくてもいいことをよく口走るのだという。
聞けば今日もそんなことが何度もあったとのこと。
無自覚なので驚き、今後のために具体的に教えていただきつつ反省会に……。
今日、彼女はかわいいファーの帽子をかぶっていた。
こういう帽子って何て言うんだったっけかなぁと漠然と考える。
パリっぽいような、ヘップバーンがかぶっていたような、貴婦人のような、
ロシア帽が丸くなっとような。
良い例えが浮かばないが、何だかかわいい帽子だなぁと興味津々。
で、結局出てきた言葉は「メーテルっぽい」。
完全にほめたつもりだし、かと言って深くも考えていないので、
何にも気にしていないのだが、
彼女は心の中で「メーテルって!」と突っ込んだらしい。
反省会では、「帽子かわいいね」でよく、帽子の名前が気になったのなら、
「何ていう帽子?」と質問すればいいとのこと。
気にいっている帽子について聞かれれば、それだけで嬉しいのだからと。
変な例えですべてぶち壊しらしい(泣)。
映画を見終わってもまだ時間が余っていたので喫茶店を探すことに。
すると目に入ったのが「純喫茶」の看板。
彼女はオシャレで、今日もレトロというかクラシカルな服装をしていたので
「そういや純喫茶っぽい服装だし、あの純喫茶にしとくか」と僕。
やっぱり完全にほめたつもりだし、
かと言ってやっぱり深くも考えていないので何にも気にしていないのだが、
彼女は心の中で「古臭いってこと?」と突っ込んだらしい。
反省会では、やっぱり単純に服装をほめればよく、変な例えはやめなさいと。
具体的に言いたいなら、クラシカルでいいじゃないと。
喫茶店に入り、何を食べるか相談。
彼女は真珠の入ったネックレスをしてフォーマルに近い服装だったが、
こっちはジーパンにスニーカーの汚い格好だったので、
銀座といえども「汚い店がいい」と。
反省会では、「肩肘張らない店」、「気をつかわない店」ぐらいにしとけ、とのこと。
さらに、服装なんて気にしなくていいと言う彼女に
「そっちは、今にでも授業参観に行ける格好だけどさ、こっちは小汚ないしなぁ」と。
深く考えていないどころか、こっちがへりくだっているぐらいに思っているわけだが、
反省会で「授業参観はあり得ない」と。
こっちはフォーマルな感じと見たまんまを口にしちゃったわけだが、
確かにこれはいけないかも。
例え方のやり直しを命ぜられ「オーケストラでも見に行けちゃう格好」で
オッケーをいただいた。
そして、彼女が一番ムカついたこと。
それは彼女が「最近、二の腕がついちゃって」的なことを言ったときのこと。
僕はヤセとポッチャリなら断然に後者。丸みのある女性の方がいい。
二の腕や腰周りにもある程度の肉があったほうが好き。
だから当然、「え〜!二の腕あったほうがいいじゃん。見せて見せて。
うんうん。それぐらいポニョってたほうがいいってば」と。
フォローしているつもりもなく、完全に本心。
しかし反省会では、「そっちの好みとかじゃないの。
こっちが気にしているってことが問題なわけ」と。
フォローするなら「そんなことない、でしょ」。ごもっともです。
さらに彼女は昔の話まで。
「テラさん、昔、会うなり『おっ。今日は頬紅、決まってるね〜』って言ったでしょ?」。
確かに言ったかも。こちらは素敵だと思って言ったのだが、
まず「チークね」と指摘され、「がんばった箇所のピンポイントな指摘はダメ」と。
「今日は何かいい感じだね」とか「いつもと雰囲気違うなぁ」ぐらいにしておきなさいと。
「テラさん、幸せ遠いね」という素敵な締めの言葉で終えた反省会で学んだこと。
ひとつ。見たまんまを口にしない。
ひとつ。例えるくらいなら、抽象的にほめる。
ひとつ。いつもと違う服装や化粧の箇所を見つけても、
ピンポイントではなく全体でほめる。
有意義な反省会だった。のかな……。