続・猪木免許証への道/決闘前夜
曇天模様の空の下、一通の郵便が届く。
受け取った郵便物を見た瞬間、僕はくわっと目を見開いた。
果たし状である。ピカッ! ゴロゴロ、ドッカーン(背後に稲妻が光る)。
あ、いや、正確にはただの免許証更新のハガキなんだけど(笑)。
でも、これが果たし状の意味を持つということは、
この日記を読んだことのある人ならわかるはずだ。
■猪木免許証への道
http://diving-commu.jp/ceditorblog/item_1758.html
県にもよるらしいが、優良ドライバーは写真を持参できるらしい。
これなら簡単に猪木免許証ができそうだが、残念なことに僕は違反運転者……。
つまり、免許センターの写真係員との闘いは避けられないのである。
これも運命(さだめ)か。
僕は運命を甘んじて受け入れ、そして闘う決意を固めたのであった。
ピカッ! ゴロゴロ……うるさいですね(笑)
さて、失敗は反省して生かさねばならない。
前回は、思いつきで闘いを挑んでしまったが、今回は、幸い準備の時間がある。
よし、まずは、猪木顔のおさらいだ。
スキル同様、闘いはシミュレーションが重要。
ポイントは3つだった。
1.あり得ないほどしゃくれたアゴ
2.「来い、このヤロー」の首の角度
3.闘魂風の眉間と眉。
結果、前回のシミュレーション猪木はこんな顔に。
しかし、当時は完ぺきだと思っていた猪木顔も所詮はつけ焼刃。
まこ社長に見せると、「猪木度60%くらいかなぁ」と。
まずは、自分の猪木度をアップさせねばならないようだ。
相手の前にまず闘うべきは自分であったのだ。我ながら成長したと思う。
リアル猪木で研究しよう。
100%猪木(昔) 100%猪木(今)
ちなみに、
90%猪木 80%猪木
アントキの猪木 春一番
アゴ、首の角度、眉間……、そして、手か!
ファインティングな手が重要なんだな。
あとは……そうか、赤いマフラーを忘れていた。
ってことで、まずは赤いマフラーを買いにイトーヨーカドーへ。
しかし、紳士服屋でやっと見つけた赤いマフラーは何と5000円!
う〜ん、この1回のために5000円は辛いなぁ……。
しばらく店内をグルグルしていると、
婦人服屋のマネキンが赤いストールをしているのを発見!
「あの〜、あの赤いストールくださいな……」 。ものすごく怪しい顔をされたので、
「いや〜妹が演劇で使うなんていうもんで〜」なんて
聞かれてもいない言い訳をしながら980円の赤いストールを購入。
研究の後は鍛錬。
事務所の戻ってきて、とっさに猪木顔ができるように、
まこ社長に特訓してもらうことに。
0%猪木
からの〜
来い、コノアロー!
まこ:それじゃおふくろさんだよ。森進一。アゴ、引いて!
アリ、コノアロー!
まこ:今度は五木ひろしが入っちゃったなぁ。もっと、アゴ引けない?
美津子、好きだコノアロー!
まこ:ひえ〜って顔だよそれ、ひえ〜って顔……。もっとしかめっ面で上目使い!
パラオも好きだ、コノアロー! 水風呂は健康にいいんだ、コノアロー!
まこ:う〜ん、まあ、70%くらいになってきたんじゃない。
ここら辺りがテラのMAXだろうね。
ちなみに、まこ社長に前回の免許証の猪木度を聞くと「30%くらい」との返答。
30%猪木
「やりたいことは伝わってくる」レベルとのこと……。確かに。
よし。とりあえず、目指せ70%猪木ダァ〜〜!
鍛錬の次は、実践に向けて作戦。
具体的にどうしたら猪木顔のポイントを実現できるか考えていく。
■アゴと眉間
これは、とにかく免許センターに足を踏み入れた瞬間から、
がんばってしゃくれ続け、しかめ面でい続けるしかない。
かわいい子がいても、気にせずしゃくれ続けるぞ!
■首の角度&赤いマフラー
前回、首の角度は一番矯正されてしまったことだ。
さて、どうやったら、首を曲げ続けられるのか。
やはり、前回同様、首を痛めて曲げられない設定にするしかない。
ただ、前回はリアリティが足りなかったのが失敗の原因なので、コルセットしよう!
あ、いやちょっと待てよ。コルセットは首を真っすぐに固定するものか。
であれば、湿布にするか……。うん、それでもって、
「写真でうつる時に湿布だと恥ずかしいので、
マフラーで隠してもいいですか?」って言えばいいんだ。
これなら、赤いマフラーもすんなりできる。完璧だ! ふふふ。
■ファイティングな手
首の角度同様、手を前に出す合理的な理由がなければいけない。
「いつ殺られるかわからないので」
「緊張すると、手が上がってきちゃうんです」
う〜ん、無理がある。
よし、ここはセオリー通り、アンタッチャブルな理由にしてみるか。
「宗教上の理由で手は下げられません」
「親の遺言なので」
真顔で言えばいけるか。いや、いけない(反語)。
ギャグっぽくポップに攻めちゃおうのはどうだろう。
「や〜〜」(ダチョウ倶楽部風)
「来てます、来てます」(マリック風)
怒られるな……。
手はどうしても厳しいかも。とりあえず、これは出たとこ勝負しかない。
ふ〜。やれるだけのことはやった。あとは実力を出し切るだけだ。
せめて、前回の倍、60%猪木は達成したい。
明日は、死ぬ覚悟で、いや逮捕されてもいい覚悟で立ち向かうしかない。
でも、正直なところ、なぜ免許更新をするだけで、
こんなに今緊張しているかわからない(笑)。
とにもかくにも。
僕は明日、命をかけて、いや、猪木をかけて、いざ鴻巣へ。