大好きな先生

昨日書いたお見舞いの話。

地元の親友たっくんとお見舞いへ行ったのは、
小学校２年と３年のときの担任のK子先生。

会いたい先生はいっぱいいるけど、この年まで交流がある先生はK子先生だけ。
先生も看護婦さんに｢一番好きだった子たちなの｣と嬉しそうに紹介してくれる。

先生が「ひいきはいけないんだけど、
33年の教師生活で一番印象に残っているクラスの
一番印象に残っている子たち」と言ってくれるわけだから、
こっちだって17年間の学校生活で一番大好きな先生に決まっている。

高校時代よりＫ子先生との２年間のほうが思い出はいっぱい。

僕が夜パンツ１枚で寝てしまうと聞き、「お腹を冷やしてはいけない」と
金太郎の前かけみたいなパジャマを作ってくれた優しい先生。

上履きを拒否して裸足で過ごしていた僕。
他の先生は不衛生とか躾なんて言葉で上履きを履かせようとしていたのに、
「トイレの時だけ上履きを履けばいいよ」と、
ずっと裸足で過ごさせてくれた寛大な先生。

僕がチンチンを出しちゃったために
僕のクラスだけ配れなくなってしまった集合写真。
家庭訪問のとき、抗議するのではなく、
笑い話として親に話していたユーモアのわかる先生。

ポパイとオリーブやドナルドダックのモノマネをしてくれるお茶目な先生。

大好きだったさくらちゃんにいじわるする僕に、
みんなの前で「ひできはさくらが好きなんだ〜(ニヤニヤ)」
と言って辱めを受けさせるちょっとイジワルな先生。

仰向けに寝そべって、
先生のスカートの中めがけてダッシュしたのが昨日のようだ。

先生のいい匂い。とってもよく覚えている。

先生のことは女の子たちも大好きだった。
さくらの結婚式に呼ばれていた教員も先生だけだった。
やっぱりさくらにとっても先生は特別だったのだろう。

だからといって、
先生は決して子供の人気とりがうまかっただけじゃないと思う。

大人になって聞いた話では、
男でも先輩でも「それは違うと思います」とハッキリ言うタイプで、
それだけに攻められることも多かったという。
当時のことを聞くと「みんな影ではいろいろ言うくせに、
目の前では言わないんだもん」と先生も言う。

その後、教師を一度辞めて、また教員試験を受けて再び教師になった先生。
そのせいかどうか知らないが、教頭や校長をやる年になっても平の教員で、
「あの○○が今では校長なんだよ。笑っちゃうよね」とケタケタ笑っている。

優しく、強く、熱く、心の底からかわいがってくれた。
だから、僕も大好きだったんだと思う。

病院で会った先生は、治療のため、
髪も抜けて小さくなっていたが笑顔はあのときのまま。

僕もあのころに戻ってしまい｢先生、聞いて聞いて｣とばかりにおしゃべり。
先生もニコニコと穏やかに僕の話を聞いてくれるもんだからついつい長話。
たっくんの目の合図で、やっと先生が体が辛そうなことに気づく。
いつまでもダメな子だ……。

たっくんやさくらのときのように、
結婚式のスピーチで先生に褒めてもらうまでは元気でいてもらわないと困る。

僕にできることはほとんど何もないが、
ほんの少しだけ、先生の気が紛れるぐらいのことはできるかもしれない。
 

法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール／コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書：「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD：「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal