耳のお話

これまで、さほど耳抜きに苦労したことがない。
鼻をつまむでもなく耳管を開けることができるので、
潜るにつれて無意識のうちにほぼオートマチックで抜けてしまう。

自分ができることを他人ができないとなかなか気持ちがわからない。

ストレスダイバーであった僕は、急に浮上したくなったり、
潜降するのが嫌だったりする経験がない人の方が信じられないが、
「ストレスってどんな?」というダイバーも結構いる。

耳抜きは逆のパターンで、イントラになりたての頃は、できない人と出会うと、
「できてないと思い込んでいるだけじゃないのかな〜」と思っていた。

しかし、できないもんは本当にできないらしい。

鼻炎持ちのまこ社長もいつも苦労しているし、
ガイドさんの中には、飲んではいけない薬を飲んで潜っている人もいる。

できない人の中で一番印象的な話がある。
耳抜きが上手にできないが、どうしてもダイビングの仕事がしたいとある男性。
そこで彼がとった行動、というか彼の行った耳鼻科の行動が衝撃的。

耳抜き記事の後編で出てくる話だが、
昔、海女さんは耳抜きをする必要をなくすためシーズン前に
あえて鼓膜を破って潜ったという。

で、そんな話を知っていたかどうかは知らないが、
彼もあえて鼓膜を破ってしまったのだ。

しかし、当然「鼓膜が破れている人は雇えません」という話になり、
しかも、他の耳鼻科に行ったら、鼓膜が治るまではダイビング禁止。

彼はダイビングを仕事にするどころか潜ることすらできなくなってしまったのだ。

ダイビングにおける耳のトラブルの駆け込みを、
自らイントラでもある三保先生に聞くと
「それはダイビングを知らない耳鼻科のよくある間違いです」と言われることが少なくない。

そんなことを言われるたびに、
耳のトラブルは、やはりダイビングのわかる耳鼻科に相談して欲しいと強く思うのだ。

ちなみに、三保先生いわく
「耳抜きができていない人のほとんどが方法を間違っています。
正しいやり方を練習すればほぼ抜けるようになります」。

実際、あれだけ苦労していたまこ社長も抜けるようになって驚いていたもんなぁ。

■耳のお話★前半
http://diving-commu.jp/divingspirit/item_4905.html

 

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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