須賀潮美さん @Dコミュ隊員と僕
勝手にシリーズ化している”Dコミュ隊員と僕”。
今日は、本日アップの須賀潮美さん。
法政大学アクアダイビングクラブの先輩……というより、
けっこう上の代なので(すいません・笑)、僕にとってはOB。
そして、当時の僕にとってOBは悪の権化であった。
当時のOBに対して持っていた僕のイメージを挙げてみる。
■抵抗できないのをいいことに、可愛い先輩にセクハラする。うらやま……卑怯者!
■ロン毛だった僕は「それがアクアの髪型か!」と髪をつかまれる。なんだアクアの髪型って!
■やたら飲ませる。ゲロまみれだっつーの!
■人前だろうが、迷惑かかろうが、どこでも校歌を歌いたがる。恥ずかしい!
■「俺らの時代はよ〜」と武勇伝を語る。その時代はもうどこにもない!
■合宿に来て、なんか急に怒る。会社や家庭で誰にも相手にされてないだろ!
後に、それは僕らの時代にたまたま良く来ていたごく少数の人間だけで、
その他の多くのOBはまとも、というかどちらかというと有能な人ばかりだと知った。
しかし、当時、僕がまだハナタレ小僧だったこともあり、
いろんな自分の問題もすり替わってOB憎しの気持ちは増すばかり。
なので、OBも参加する年に2回の納会は義務感でいっぱい。
我慢するもの、やり過ごすものだと思っていた。
そんな納会にある時、須賀さんはやって来た。
あ、何か美人なお姉さんがいる!
“当時”須賀さんは今の僕より歳下で(あ、今でも美人っす。押忍)、
周りのおじさんOBたちも嬉しそう。
聞けば、あのニュースステーションの「久米さ〜ん、シューボコボコ〜」の
水中レポートのお姉さんだという!
俄然興味を持ったミーハーな僕は、初めて自分からお酒を持ってお話を聞きにいった。
話をしてみると……OBにもまともな人がいる!
あ、いや、だいぶ失礼なことを言っているが、先述したように、
当時の僕は、OBは変な人だとすっかり思い込んでいたので……。
物腰柔らかくスマート。しかし、芯が通って凛としている素敵なお姉さま。
しかも、テレビや雑誌の世界で活躍し、仕事の話も刺激的で、
当時、ガイドやイントラ以外にダイビングを仕事にする道を模索していた僕にはとても輝いてみえた。
ダイビングを仕事にしたいと言うと、
多くのOBが「そんなに甘い世界じゃないからやめておけ」、
「もっとまともな仕事をした方がいい」(すごいこと言うよね・笑)と言う中、
須賀さんだけが「やりがいがあると思うよ」と言ってくださり、とても励みになった。
今、この世界にいるきっかけとなった方と言っていい。
そんなこんなで、ほぼ「何だかおもしろそう」という動機だけでダイビング雑誌に入ろうと決め、
ラッキーなことに『マリンダイビング』に拾われた僕は、
須賀さんにダイビング業界に入ったことを報告する手紙を送り付けた。
嬉しいことに丁寧なお返事をいただき、
そこには「なりたいものになれた最初の喜びを持っていることは大きい」
というようなことが書いてあった。
『マリンダイビング』時代も今も、この言葉は初心を思い出させてくれる。
夢が覚めればそこにあるのは現実。楽しいことや喜びばかりではないし、
自分のダメっぷりに落ち込むことも多いが、この最初の喜びが時に救いとなっている。
そんな須賀さんに、今、コラムを書いていただいている。
当時の僕に「お前、将来、須賀さんから原稿もらうようになるんだぞ」と言ったら、
きっと喜ぶより驚くに違いない。