ダイビングの基本!? 自分の空気消費量を知ろう!

先日、田原さんの記事「バディシステムの正体」の中で、RMV(毎分換気量)という聞き慣れない言葉が出てきました。
RMV、つまり、自分の空気消費量を知っておくことは、ダイバーの基本かもしれません。

実際、僕もダイビングを始めたころは、毎回、自分の空気消費量の記録を取っていて、空気消費量をもとに潜水計画を立てたりもしていました。
しかし、今では、Cカード講習でも教わらないことも多いと聞きますので、今回は空気消費量のおさらいをしてみましょう。

RAW(空気消費量)

まず、エア消費量に関する勘違いから。

エア消費に関して、「潜水時間がたったの30分だったのに、残圧が30ぐらいになっちゃったんです」というようなお悩みがちょくちょく来ます。
しかし、潜水時間や残圧だけでは、空気の消費が早いのか遅いのかは一概には言えず、水深やタンクの容量もエアの消費には関係してきます。

例えば、空気は水圧下では圧縮するので、水深10メートル(2気圧)で10分いるより、水深20メートル(3気圧)で10分いれば、1.5倍空気を消費します。
また、10リットルタンクの残圧が30だとしたら、タンクの中の空気は300リットルですが、12リットルタンクの場合は、360リットルになります。

つまり、ただ、時間と残圧で空気量を見るのではなく、“1分間に1気圧下(陸上)で消費する空気量”を知ることが大事で、これがいわゆる自分の空気消費量ということになります。

入力するだけでわかる、あたなの空気消費量

計算式

あなたは1分間にどれだけ吸っている?

(開始圧-残圧)×タンクの容量
———————————————-
(平均水深÷10+1)×潜水時間

=陸上で1分間に消費する空気量

例:オーシャナ太郎君は10lのスチールタンクを使用し、開始圧が200㎏/㎠。
平均水深派10mで、50分のダイビングをした。終了圧(残圧)は60㎏/㎠だった。
空気消費率は?

(200-60)×10
—————————–
(10÷10+1)×50

=14

A.オーシャナ太郎君の空気消費率は14l/分

RAW(空気消費量)

ログブックに消費量を記録しておくと、「憧れの人がバディだったから、興奮してたのかも」とか「ビギナーのころはこんなに吸っていたのか!」「結構、泳いだから息上がったんだな~」などなど、自分のダイビングが見えてきます。

ちなみに、「どれくらいだと空気消費量は多いの?」あるいは「適正なの?」と聞かれることもありますが、これは個人の肺活量の問題もあり一概には言えないのですが、あくまでおおよそ目安としては、男性で18l/分、女性で15l/分以上だと、ちょっと多い印象です。
さらに、男性30l/分、女性20l/分以上だとパニックの疑いすら……。
まあ、これはあくまで僕の個人的な印象で、大事なことは記録する中で、自分の平均的な空気消費量をつかみ、その変化を読み取ることでしょう。

自分の場合、ビギナーのころは20l/分ぐらいあって迷惑かけていた消費量が、今では12ほどに。
これは落ち着いて潜れることになった証ですが、ハードなダイビングをした時は、もちろん、一気に数字は跳ね上がります。

自分の空気消費量を意識したことのない人は、次のダイビングで、ぜひ一度空気消費量を意識してみてはいかがでしょうか?
友達やガイドさんと見比べてみれば、単純におもしろいと思いますよ。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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