ダイビング中に中性浮力をチェックする方法~“止まれない病”にご注意を~
潜水医学といえば減圧症が有名ですが、もっと恐ろしい難病があります。
それは…
“止まれない病”
中性浮力に関する難病で、マイナス浮力で潜るダイバーが罹患します。
マイナス浮力をフィンキックで補おうとすると、立ち泳ぎで浮力を補うか、あるいは泳ぐことによって、推進力の惰性で浮力を補うことになります。
止まれない病はその後者で、泳ぎ続けないと沈んでしまうという中性浮力の病気。
未だ効果的な薬は開発されておらず、重度になると、ガイドを追い越してはまた戻り、ガイドを追い越してはまた戻るという、ガイドの周りを旋回し続ける様子から“うんこバエ病”になってしまいます。
実際に何人か見たことがありますが、ガイドを追い越してから「あれ?」と不思議そうな顔をしていることからもわかるように自覚症状があまりありません。
止まれない病や立ち泳ぎは、効果的に進めないばかりか疲れるだけ。
薬はないものの、予防方法は簡単で、“フィンキックを止めてみる”だけ。
体の力を抜いて浮力に身を任せてみると、意外と体が沈むことがわかるはず。
体が沈むようなら給気をして、浮力を調整するというわけです。
「自分が中性浮力がとれているかどうかわからない」というご質問をよく受けますが、泳いでいるとき、止まっているとき、確認の意味を込めて、フィンキックを止めてみると、中性浮力の確認になるでしょう。
中性浮力の方法をよく聞かれますが、まずは自分がどのような状態か把握してみてくださいね。