ダイバー的「カワイイ」海の生き物は、ダイバーじゃない人にどれだけウケるのか
TwitterやFacebookに目をやると、イヌ、ネコなんかのカワイイ画像が流れてこない日はないと言っても過言ではない昨今。
そして、間髪いれずにその画像をお気に入りにする女子たち。
カワイイ動物たちの画像を垂れ流し続けるアカウントも数多く存在します。
どうやら少し前から「カワイイ」生き物って、流行りに流行っているみたい。
ある女子は言いました。
「もはやカワイかったらなんでもいい」
「カワイイ」は、今の世の中における絶対的な正義なのです。
そこで、海に目をむけてみましょう。
この魚がカワイイ! あのウミウシがたまらない!
自分のお目当ての生物が見たいがために海に潜っていくダイバーさんも珍しくありません。
そう、海とは「カワイイ」の宝庫なのです。
「カワイイ」生物を間近で観察できるのがダイビング。
あれ、これダイビング流行るんじゃね?
そう思ったダイバーのぼくは、手始めにノンダイバー(=ダイバーではないひと)の友達に、ダイバーに人気の「カワイイ」海の生物たちをプレゼンしてみることにしました。
きっとあまりのカワイさに身悶えするんだろうな! そんな期待を込めて……。
今回はぼくの友人女子2人、男子1人に海のカワイイ生物を紹介してみました。
以下、その様子をお届けします!
カクレクマノミ
まず紹介してみたのは、カワイイの王道と言っても過言ではないカクレクマノミ。
ニモ効果で、知名度も抜群ですが、どうでしょう。
女子A
ああ、あれでしょ、ニモのやつでしょ。
女子B
こいつは確かにカワイイよね。
―――
でしょ!でしょ!
男子A
でも、顔よく見たらカワイくないよ。カワイイふりしてるけど。
―――
いや、カワイイでしょ!よく見て!
女子B
あーほんとだ。さして可愛くないね。
女子A
あたかも私カワイイですよ、ってふりしてるのが、なんかナメてるよね。まぁ及第点だけど、そこらへんはカワイくないかな。
なるほど……。
世の中の「カワイイ」は、思ったほど甘くはないみたいです。
クダゴンベ
では、お次はクダゴンベ。
その愛嬌ある顔と希少なこともあって、伊豆のダイバーには人気の魚です。
こいつならば間違いなくカワイイ評価をもらえることでしょう。
男子A
背びれ揚げたら美味しそう。
女子A
あーホントだ。塩とかでパリッとね。
男子A
それ最高!
女子B
魚見て美味しそうって思っちゃったら、もうそれ以上の感情抱けない(笑)
男子A
普通にお腹空いてくるわ(笑)
……まさかの敗北です。ノンダイバーの観点、恐るべし。
カエルアンコウ
では、あんまり美味しそうでない、カエルアンコウはどうでしょう。
伊豆のダイバーに人気のキモカワ魚ですが、こういう路線もアリなんじゃないでしょうか。
女子B
……普通にキモイわ。
―――
ええーー!!
男子A
避けるレベルでキモイ。ってか、お前(筆者)に似てる(笑)
―――
やかましいわ! こいつ、泳がずに足みたいなヒレで水底をゆっくり歩くんだよ。そういう頑張る姿もカワイイじゃん。
女子A
いや、だからこいつこんな辛そうな顔してるんでしょ。もう歩きたくない!って顔してんじゃん
女子B
キモイし辛そうだし、カワイイってか、カワイそう。
……。
あまりに厳しすぎる気がします。
だんだん自信も無くなってきましたが、こいつなら大丈夫でしょう!
ウミウシを代表して、コンペイトウウミウシです。
ちっちゃくてカワイイ模様のコンペイトウウミウシ。
こいつをカワイイと言わずして、何がカワイイのか。
ウミウシを愛でるウミウシダイバーもいるくらいですから、ウミウシならばそれなりの評価を得られるはず!
女子B
うわ、なんの病気? デキモノあるじゃん。
女子B
病気うつされそう。
―――
そういう模様や!こいつすげーちっちゃいんだよ。名前の通りコンペイトウみたいでしょ。
男子A
いや、まぁ……ってか、こいつはまだいいけど、ウミウシって強烈な色合いなヤツ多いね(ウミウシ図鑑を見ながら)。色彩の暴力じゃん。
すごすぎる!ホムライロウミウシ | 海の案内人ちびすけより
―――
でもちっちゃいやつはカワイかったりするんだって!ウミウシが好きでダイビングする人もいるんだから。
男子A
まじか(笑)。それはよくわからないわ(笑)
女子B
海の生物って、基本キモイみたいなとこあるよね。
女子A
正直キツイ、見るに耐えない、っていうかね(笑)
―――
……。
……ということでした。
なんだか納得がいかない気しかしませんが……。
とりあえず、ぼくは、以上の海の生物たちはみんなカワイくて愛しいと思ってます。
つまり、今回わかったことは、「『カワイイ』は人それぞれである」ということです。
まさかこんなに温度差を感じることになるとは思ってなかったですが(笑)。
みなさんはどう思いましたか?
たとえ一部の人に気持ち悪がられようとも、また別の人たちにとって海は「カワイイ」の宝庫であることを、ぼくは信じています。