潜降スピードも決まっているの? 2

■前回は→こちら

前回、アメリカ海軍では、「潜降スピード22.5m/分を越えないように」

というのがルールというところまでお話しました。
しかしながら理由はよう分からんのです。

では安全な潜降スピードってあるのじゃろうか?
ということになりますな。

世の中は広いようで同じようなQ&Aが、
DANヨーロッパの相談サイトにありました。
※緊急の電話以外はするなという、どこかのお国のDANとはだいぶ違うようです。

【質問】
安全な浮上スピード(10m/分)はよくいわれますが、
潜降には安全リミットはあるのでしょうか? それはなぜですか?

【答】
空気以外の混合ガスを使った、
大深度のコマーシャルダイビングでの高圧神経症候群というトラブルを除けば、
潜降スピードは問題になりません。潜降をきめるのは
A.ダイバーが、中耳や副鼻腔の圧平が衡できるかどうか。
B.深いダイビングでは、潜降が゙早すぎると人によって窒素酔いにかかりやすくなる。

とまあー、分からんでもないが、あまり具体的ではないお答えであります。

以下はヤドカリ仙人の個人的な考えてを交えてのご説明になっちまいますが、
あちこちの資料を調べての結果で、そんなに間違いはないでしょう。

一般的に言って、潜降のスピードはダイバーひとりひとりの、
体調的な条件で決めてよいだろうということであります。
体調条件などというと難しく聞こえますが、
その人が耳抜きできるスピードなら、よいだろうということです。

キックを使ってかなり早く潜降しても、
普通はアメリカ海軍マニュアルのいう22.5m/分にはなりそうもありません。
あまり気にするほどのことじゃなさそうです。

とはいうものの、たまには浮力調整に失敗して、
ほとんど墜落状態で水底に尻もちなんてダイバーもお見かけするので、
くれぐれもゆっくり潜降を心がけることをお勧めしたい。

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

登録
PROFILE
1964年にダイビングを始め、インストラクター制度の導入に務めるなど、PADIナンバー“伝説の2桁”を誇るダイビング界の生き字引。
インストラクターをやめ、マスコミを定年退職した今は、ギターとB級グルメが楽しみの日々。
つねづね自由に住居を脱ぎかえるヤドカリの地味・自由さにあこがれる。
ダイコンよりテーブル、マンタよりホンダワラの中のメバルが好き。
本名の唐沢嘉昭で、ダイビングマニュアルをはじめ、ダイビング関連の訳書多数。
FOLLOW