安良里初登場のクダゴンベ! 名前の由来は髪型!?
うおっうおっ、ササウオです!
なんと、西伊豆は安良里の「黄金崎ビーチ」でクダゴンベが出現しているとの情報が入り、さっそく潜りに行って来ました!今回利用した《ダイビングサービスTATSUMI》の方に聞いてみると、「黄金崎ビーチでクダゴンベが出たのは初!」とのことです!

大瀬崎の「タマザキ」、八丈島の「ナズマド」などのビーチスポットで出現したこともあるので、「なにがそんなにすごいの?」と思う方もいるかもしれませんが、そもそもクダゴンベは、流れがある、やや深い場所にある岩礁域のヤギ類についていることが多いです。したがって、観察はできるものの、撮影はかなり難しい場所にいることが多いのです。
でも今回「黄金崎ビーチ」に出現した個体は、水深は19mとやや深いものの、砂地にある小さな岩にあるサビカラマツについているので、砂地に着底してじっくりと撮影できちゃうんです!
まだ3cmと小さいので、ちょっと個体としては小さいですが、それほど大きなサビカラマツではなく、頻繁に動き回るわけではないので、比較的撮りやすいですよ。動画はこちら
その近くには、赤いハナタツと白いハナタツもいるほか、ありえないほど大きなオルトマンワラエビや、トラ柄がかわいらしいトラフケボリダカラガイもいるので、1ダイブそこにいても足りないほどです。ただ週末は多くのダイバーがクダゴンベを撮りにやってきているので、独占しないように譲りあいましょうね。

こちらがトラフケボリダカラガイ
ちなみにクダゴンベなどの「ゴンベ」っておもしろい名前ですよね。名前の由来は江戸時代の髪型にあるようです。
江戸時代の髪型の史料によると、「子ども髪型は5〜6歳までは男女の区別がなく、生後7日目に剃って3歳までは丸坊主、その後頭頂部の百会(ひゃくえ)に残す芥子(けし)と呼ばれる髪型、頭頂部の盆の窪に髪を残す権兵衛(ごんべえ)や八兵衛(はちべえ)などが 主なところでした」とあります。
この権兵衛という髪型は、後頭部の中央付近まで髪の毛を剃り、中ほどの一部に残った髪を束ねたものだそうです。ゴンベの仲間は、背ビレの第1軟条が糸状に伸びて、その姿が権兵衛に似ていることが名前の由来になったようです。

こちらはウイゴンベ。背ビレ第1軟条が糸状に伸びています。
その証拠に、1975年に発行された『魚類図鑑』(東海大学出版会)では、ゴンベ類の紹介のページに「ゴンベイ」という名前がついています。

ただ、「権兵衛」を”ごんべ”とか”ごんべい”とか読んでいたため、魚の名前も「ゴンベ」と「ゴンベイ」の両方が使われていました。しかし1984年に発行された『日本産魚類大図鑑』(東海大学出版会)でゴンベに統一し、その後ほかの図鑑でもゴンベに統一されました。残念ながらなぜゴンベに統一されたのか、理由は書いてありません…。
クダゴンベ以外にも見どころいっぱいの「黄金崎ビーチ」。次回もその魅力を紹介します!
うおっ、うおっ!