海の中に土砂降りの石!? 三原山大噴火

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こんにちは。須賀潮美です。

そろそろドライスーツの季節ですね。
明日から先輩であるデューク・山中氏の本拠地、黄金崎でのダイビング。
今期初のドライ着用です!

さて、今回はダイビング中に大噴火に遭遇してしまった伊豆大島取材のことを。

1986年11月15日、伊豆大島の三原山が12年ぶりに噴火した。
当初は噴火を見ようと押し寄せる観光客で島は活気づき、お祭りムードさえ漂っていた。
そんな時、伊豆大島の漁師から
「噴火に驚いたアワビやサザエが岩の下からはい出して岩の上にいる。
魚も逃げてしまって獲れない」という情報が「ニュースステーション」にもたらされた。
これはさっそく水中班を投入しなければと企画が持ち上がり、
11月21日、スタッフと共に伊豆大島に向かった。

熱海経由で伊豆大島へ。熱海で港に向かうためタクシーに乗り込むと
「マスコミが今ごろ大島に行くの。もう噴火も収まっちゃってるし、
遅いんじゃないの」と、運転手さんはあきれた顔をする。
「いえ、私たちは海の撮影で、噴火を撮りに行くわけじゃないんですよ」
などと、のんきな会話をしていたが、まさかその後、
500年に一度の大噴火に巻き込まれるとは夢にも思っていなかった。

この時、忙しい立松和平さんは翌日に来島する予定になっていて、
水中班とディレクター、アシスタントディレクターだけで伊豆大島に向かった。
島に到着後、夕方からロケハンを兼ねて、
島の南東に位置する筆島を目指して、波浮港から漁船で出港した。

筆島周辺は、噴火の影響からか海水の色が変わっていた場所、
もっとも変化がありそうな場所を選んで、
伊豆大島の海中の生き物はどうしているのか撮影に向かった。

漁船でポイントに移動中、静かだった三原山から、
突然、大きく噴煙が上がり、赤い溶岩も吹き上がったのが見えた。
のちに、これが500年ぶりの大噴火の始まりで、
溶岩噴泉の高さは1000mに達し、噴煙は1万mを超えたと知るのだが、
その時はまったく緊張感もなく、船の上から「なんてきれいなんでしょう」と見とれていたのだ。

だが、潜り始めると、のんきなことは言っていられなくなった。
三原山から勢いよく噴き出された溶岩が、水中に潜る私たちの頭上に、
噴石となって落ちてきたのだ。
最初はまばらだったのが、10分もすると土砂降りの雨のように、
ものすごい数が降り注いできた。

「ヒエ〜、何これ!」

海の中に石が降って来るなど、予想もしていなかった。

つづく

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