激レア!? 伊豆大島で深海魚「ヒメクサアジ」を激写!

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この冬、撮影で伊豆大島を訪れ、普段は深海に生息するヒメクサアジを撮影することに成功した。 

ヒメクサアジ

現在の伊豆大島の水温は19度と、10度台に突入しているが、南から訪れた季節来遊魚が数多く見られ、海中は賑わっている。この日のダイビングの目的の一つは共生ハゼの撮影。大島ダイビングセンターの有馬さんからヤノダテハゼがいると伺ったので、連れて行ってもらうことになったのだ。

突如現れたヒメクサアジ

水深を落としてハゼが多そうな砂地を少し探索すると、有馬さんが早速ヤノダテハゼを発見して教えてくれ、すかさずに撮影に入ることができた。ヤノダテハゼが引っ込まないようにと少しずつ近づき撮影をしていると、「それどころではない!」と言わんばかりに凄い勢いでライトを回してこっちに来るようにと有馬さんからサインが出た。

これは何か凄い物が出ているとすぐにわかった私はハゼの撮影は諦めて、有馬さんのところへ向かった。すると30㎝ぐらいの魚が砂地をゆっくりと泳いでいた。遠目から見ると姿がマトウダイのように見えたが、近づいて見てみると全く違う魚であった。

マトウダイかと近寄ると、ヒメクサアジであった。

ヒメクサアジである。私も初めて見る魚で、大陸棚・大陸斜面が生息範囲と、とても深い場所に生息している。他のダイビングポイントでの情報も少なく、目撃自体が稀な魚である。そんなヒメクサアジだが、有馬さんの話によると、伊豆大島では毎年冬場になると見られることがあるとのこと。

私が見た個体は泳ぎがゆっくりで、人をそこまで嫌がらず逃げようとしなかったため、とても撮影しやすかった。何十枚かシャッターを切り、その後少し観察しても変わらず平然と泳いでいたほど。

ヒメクサアジ

ゆっくりと移動するヒメクサアジ

伊豆大島の見どころは南方種がメインだが、今後、冬には深海魚との遭遇ができるのでは?と期待させられる素敵な出会いとなった。ぜひ冬の伊豆大島に、皆さんも足を運んでみてはいかがだろうか。

撮影ショップ:伊豆大島ダイビングセンター
撮影協力:大島ダイビング連絡協議会

堀口和重さん
プロフィール

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伊豆の大瀬崎にある大瀬館マリンサービスにチーフインストラクターガイドとして勤務後、2018年4月にプロのカメラマンに転向。
現在は伊豆を拠点に水中撮影から漁風景や海産物の加工まで海に関わる物の撮影を行っている。
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PROFILE
日本を拠点に活動している⽔中カメラマン。カメラマンになる以前はダイビングガイドをしながら数々のフォトコンテストで⼊賞。現在はダイビング・アウトドア・アクアリストなどに関連する雑誌やウェブサイト、新聞などに記事や写真を掲載、水中生物の図鑑や教書にも写真提供している。2019年に日本政府観光局(JNTO)主催の“「⽇本の海」⽔中フォトコンテスト 2019”にて審査委員、2020年には“第28回 大瀬崎カレンダーフォトコンテスト”の特別審査員も務める。近年は訪⽇ダイビングツーリズム促進を⽬的として“NPO 法⼈ Japan Diving Experience”としての活動も⾏っている。
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