あるある事件簿 〜鈍器殴打事件〜
まずは、和尚宛に来た被害者の証言から。
この前、乗船して、順番に奥から詰めていっているとき、
前の子が急にかがんだんです(たぶん、なんか拾った)。
背負っていたタンクが跳ね上がり、僕の手の甲を直撃。
「痛っ!」と声が出るほどの衝撃だったけど、
前の子はポカンとしているだけ。ムカついたけど、
場の雰囲気を壊すこともないと思って何も言いませんでした。
ちなみに、後で手の甲は赤く腫れあがり、たぶんヒビいってかもしれません。
しかも、今年で2回目で、過去にも何度か経験があります。
無自覚といえ、怒ってもいいですよね、和尚!
■東京都/屁こき魚
むむ。これはダイバー間でときどき起こる鈍器殴打事件じゃな。
しかし、殺意が認められずに不起訴になるケースがとても多い。
しゃがんだときにタンクの底の部分で
背後の座っている人の顔や頭を殴ったり、
振り返ったときに横に座っている人の顔や頭を殴ったり。
カメラなどの器物破損ってのもあるな。
ゲストに足の上にタンクを置かれて骨折したガイドも知っておる
(笑いながら「だ、大丈夫です」と耐えたらしい・笑)。
これ、とっても、かなり、すんごく痛い。
犯人はすぐ隣にいることが多のじゃが悪気があることは皆無なので、
その持って行き場のない怒りと痛みは
自分で受け入れなければならないという理不尽な憂き目に遭う。
タンクを背負っていることを頭ではわかっていても、
つい体が忘れて普通に行動してしまうが、
背中には凶器になりうる鉄の固まりを背負っていることを自覚しつつ
行動しなければならいのじゃ。
ただ、これは想定しておくべきダイビングのあるある話。
つまり、その、何度も同じ目に遭うお主もちょっとお間抜けな気が(笑)。
ダウンカレントで死にそうになってもカメラをはなさない(はなせない)フォト派などは、
タンクの底には常に監視の目を光らせておるしな。
なので、怒る必要はないと思うが、
何らかの形で気がつかせてあげたほうがそのダイバーのためにもいいじゃろう。
「タンクの底当ったので気をつけてください」と普通にいえばいいと思うぞ。