イントラという職業

「イントラ(ガイド)の収入ってどれくらい?」
「イントラ(ガイド)という職業に就くのをどう思いますか?」
とてもよく聞かれる質問だ。
特にダイビングにハマって100本にも満たないダイバーに多い気がする。
憧れもあるが、何となく不安定な職業な気がするのだろう。
いつも答えるのに考えこんでしまう。
そして、毎回答えが微妙に違ったり。
とりあえず、収入に関しては、
もちろんお店によってもかなり違うのだろうが、
一般企業の水準と比較すれば、
ハッキリいってあまりいいとはいえないだろう。


特に雇われている場合は、
年収300万円時代どころか、
年収100〜200万円台ってのもざらにあると思われる。
沖縄の離島の若いガイドから、
月5万円(食住付き)だと聞いたこともある。
しかし、経営者になって何不自由なく暮らしている人もいる。
そして、最大のポイントはお金以外の部分をどう考えるかだろう。
結局はその人の人生観の問題だし、
成功するかどうかもその人の力量に大きく左右される。
資本力、センス、努力、運etc……。
なので、雑誌ではメリットとデメリットを述べて、
“選ぶのはあなた”と書くより他ない。
そりゃ、やめたほうがいいよとも
ぜひやりなさいとも言えるわけない。
また、始めからイントラやりたい人は基本的には応援するのだが(ただし、新卒の人にはまずは就職をオススメしているが)、
転職の相談は難しい。
「公務員辞めてインストラクターになりたいんですが、どう思いますか?」なんて言われても答えようがない。
年齢にもよるし。
さて、ここで一歩踏み込んで個人的な意見。
インストラクターというより、
ダイビングの仕事には“人との出会い”や“海の中で働く”
ことに大変おもしろみを感じている。
ものすごい感覚的な例だが、
“年収1千万以上のつまらない仕事より、
年収400万のダイビングの仕事”
というのが僕の価値観。
※32歳って年齢での。
年収2000万円もらってもデスクワークのみは嫌。
でも、さすがに年収300万ではどんなに好きでも
結婚はまだしも子供を持つ気にはなれない。
そういう意味では、
昨年まで勤めていた会社はダイビング業界の中では待遇がいい方だと思う。
仕事内容もお金も特に文句はなかった。
それでも辞めたのは、まあいろいろあるのだが、
もう一度インストラクターをやりたい(正確には“やらねば”かな)
というのが大きな理由。
まあ、才能というのは“続ける”ことの中にしかないと思っているので、
自分も20年くらいダイビングで飯を食べていれば
道は何とか開けるだろうと楽観しているが。
※ただ、インストラクターだけで食べようとは思わないが。
いずれにせよ、いろいろなイントラやガイドを見てきて、
成功していて素敵だなと思う人ってのは、
“好き”という初心を忘れないのと同時に“覚悟”を決めて、
どうやったら収入を得られるか必死こいて考えている人って印象。
まあ、どんな業界でも同じか。
好きなだけだと、“好きな職業”にありがちな
“安い労働力”として搾取されてしまうし、
お金のことばかり考えるとゲストの心をつかめなかったり
自分のモチベーションが下がってしまったり……。
いつもと同じようによくまとまらなかったが、
まとまるようなテーマでもないか……。
とりあえず、インストラクター(ガイド)という職業。
僕は今でも憧れを持っている。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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