落胆

抽象的なことばかり書くが、
日記ということで許してほしい。
連休中、報道にある“台風による死亡者3人”には
含まれないダイビング死亡事故が起きた。
伝聞のみだが、
複数人から聞いているので確かだと思っている。
おそらくダイビングサービスの過失なのだろう。
そこら辺の事実関係は感触はあるが、
裏は取れていない。


事故者は新婚だという。
センチメンタルな話で建設的ではないが、
本人はもとより残された奥さんの気持ちはいかばかりだろう。
状況はあまりにも残酷だ。
しかし、ダイビング業界側でイントラの自分としては、
事故を起こしたダイビングサービスにも思いがいく。
その思いは怒りにはならない。
ホームページからは海への熱い思いや
娘さんをかわいがる様子が伝わってくる。
いい海人でありパパなんだろう。
そして、ちょっとした気の緩みなんだろう。
しかし、その気の緩みの行き着く先は
あまりにも重い。人生はもうメチャクチャかもしれない。
イントラとしても活動しようと思っているが、
こういう事故を見るたびに「やっぱりやめよう」と
思ってしまう。リスクが高すぎる仕事かもしれない。
ちょっとした気の緩みが死につながる仕事はあまりない。
まだ、事故の本質が見えないので、
ちょっとした気の緩みですまされないのかもしれない。
ものすごい過失があったのかもしれない。
いずれにせよ、
死んだ者にも死なせた者にも、そして、
その周辺の人たちにもいい事は何も待っていない。
事故とは直接関係ないかもしれないが、
聞いてほしい。
幸か不幸か、最初の1本を潜る前、
僕は必ず不安感の襲われる。
ストレスダイバーだった名残りだろう。
しかし、この不安感のおかげで、
潜る前にものすごく慎重になり、
頭の中でシミュレーションするようになっている。
もし、潜る前に楽しい気分しかない人がいるのなら、
「死ぬ可能性がある」と少し意識しておくと
いいのかもしれない。
より具体的に言うなら、
エア切れと離反の想定はしておいた方がいい。
何だかとりとめのない話を書いてしまったが、
事故を調べていたら今日の楽しい気分はぶっ飛んだ。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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