海は誰のもの?
とある会合で、
「海は誰のものか?」について意見を述べなければならない。
つまり、漁業関係者とダイビング事業者の共存について。
だいぶ先になるのだが、スケジュールが詰まっているために今調べなければならない状況で、裁判判例を読んだり、いろいろな人の意見を聞いたり。う〜む。難解。
確かに相当数のダイビングエリアを取材しているので、
三者三様の漁業関係者とダイビング事業者の関係を見てきている。
なので、自分の中にもぼんやりとした意見があるのだが、
その輪郭をハッキリさせる作業。面倒くさいがおもしろくもある。
まだ、自分の中で結論を出す段階ではないのだが、
基本的には、法律とローカルルールのかみ合わない議論の落としどころの問題。
昔からよく言われている解決策のポイントは、
「互いの立場を認め、共存共栄の姿勢が大事」
で落ち着くのだが、聞こえは言いが、なんか違う気がする。
ここからは僕の経験上の主観なので、雰囲気として聞いてほしい。
論理的ではない。
まず、漁師はわがままだ。
漁師は、“広い心を持つ心優しき海の男”という記号でとらえられることが多いが、僕には“小心者”とか“村根性”というイメージの方がずっと強い。
僕は漁師の輪にすっと入っていける方だと思うが、
このとき“漁師に気にいられて嬉しい”と感じる気持ちは、
これは例えばセブ取材で“フィリピン人に気にいられて嬉しい”と似ている。つまり、価値観が違い、話が通じない相手。
あの、怒られそうなのでもう一度言っておきますが、
あくまでイメージね、イメージ。
言いたいことが何かって言うと、
心の擦り合わせでやろうとすると破綻するリスクが高いってこと。
実際、一人の力ある漁師の「もう潜らせねぇ」のひと言で潜れなくなったりするなんてのはよくあること。しかも、大した理由じゃなかったり。
設備投資しておいて、これをやられたらたまらない。
はっきり言ってダイビング事業者の方が圧倒的に力は弱い場合が多く(取材したイメージでは、南へ行くほどその傾向が強い。つまり、伊豆より紀伊半島、紀伊半島より四国、四国より九州。沖縄は別物。海外は法律上のオーナーとかが問題になる)、
何とか心の擦り合わせで潜っているサービスは結構ある。
心の擦り合わせ方はさまざまで、
丸め込んだり、信頼関係だったり、かわいがられたり……。
ゲストは気が付かないが(気が付く必要がないし)、
僕はガイドさんがものすご〜く漁師(船長だったりもする)に気をつかっていたりするのを見て、こっちも勝手にドキドキしたりしている。
ということで、心の擦り合わせはもちろん大事だが、
それだけではモロい。
やっぱり最大のポイントは金の擦り合わせだろう。
と、ここまで書いて眠くなったので今日はここまで。
皆さんにはあまり興味のない話が続くが、
次は金の流れを書く予定。
グレーな部分でもあるので、書けないこともあるかもだけど。