フリーダイビングの第一歩

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フリーダイビングをやってみようと思ったのは、とあるダイバーの影響。
それは、ジャック・マイヨールでもペリツァリでもピピンでもなく、
日本を代表するフリーダイバーの富永君。


勝手に富永君を紹介してしまうと、
彼は僕と同じ“学連”(最近の日記で書いていた変な団体)所属の
早稲田大学のダイビングクラブ出身。そして同じ学年。
現在はパラオの《ブルーマーリン》というサービスでガイドをしている。
あまり深く話したことはないが、当時から“雰囲気”がある人だった。
浮わつきまくっている自分とは対照的に、
本物を追求するタイプな男と勝手に思っていて、
カッチョイイなぁと強く印象に残っていた。
そんな富永君が先日フリーダイビングで世界3位、
日本人初のメダルを取ったことを知り、「彼らしいな〜」と思いつつ、
あれこれ検索してみると彼のブログの存在を知った。
彼のブログの言葉。
「極度のプレッシャーが掛かる場面で平常心を保つには、
その人の性別や年齢、ましてや社会的な地位や名誉、財力、
普段その人の表面にでているもの、その他もろもろ一切関係なく、
その人の本質・中身の強さが問われると思っています」

“中身の強さ”。
常に何かに追われ、セコセコ生きている自分の腹にズドンと響く言葉。
自分の本質がセコイ人間だと知っているからこそ、
でも認めたくなくて、中身の強い人間になりたいと願う。
すぐにフリーダイビングに興味が沸いてきた。
しかし、もともとストレスダイバーな自分は、
今でも根本では海が怖い。でも、彼は言う。
「乗り越えていこうとしなければ何も得るものはありません。
自分への見返りは壁の高さに比例するはずです。
夢中でやればやるほど得るものも大きいはずです」

これは最近の彼の言葉だが、
過去のブログでも同じようなことを言っており、
自分に夢中になれるものが何もないと気づかされた。
仕事は夢中ではなく必死。
ずっと剣道という勝負の世界で生きてきた自分にとって、
夢中とは言っても勝敗のないダイビングは違う土俵。
そんなとき、挑戦し続ける彼の生き方がとても魅力的に見えたのだ。
富永君は“新しい自分が発見できる”とよく言っているが、
それはヒデよりよっぽどカッコイイ“自分探し”だと思う(笑)。
そして、最終的に決心させたのは、フリーダイビング中の富永君の写真。
撮影:RYUZO SHINOMIYA
翼が見えませんか?
ダイバーとして、いや動物として、美しい。
メタボな腹を抱えてタンクや器材に潜らされている人間より、
よっぽどイルカやサメなど水棲生物の造形・動きに近い。
ブログを見た次の瞬間、衝動的に富永君にメールし、
ずうずうしくもお店を紹介してもらい遂に第一歩を歩み始めた。
講習の様子はいずれ書くが、講習後、
ジムで体を鍛えたり、ヨガを始めたり、食事を気にしたりと、
そういうことがひどく楽しい。
久しぶりに目標のある充実した気持ちで暮らしている気がする。
富永君に並ぼうなどと大それたことは考えておらず、
自分をちょっとずつ底上げして自己満足を味わいたい。
仕事と折り合いをつけつつずっと続けていけたらと思う。
そして、何年後かにこの魅力を誰かに伝えられたらいいなと、
始めたばかりのくせにずうずうしいことを考えたりもしている。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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