周りはみんな敵で候
社会に出たら周りはみんな敵だと思え。
よく言われる言葉だが、周りの生暖かい目に支えられ生きてきた自分の場合、
きっと周りの誰かが助けてくれるさ、の精神で生きてきた。
しかし、人生で初めて周りがすべて敵な気持ちになっている。
今、小田急線に乗っているが、対面のおじさんは姑息なスリに違いない。
睨みつけてやる。
右の女の子は美人局にちがいない。
胸の谷間が気になるが、残念ながら俺はもうオッパイは卒業している。
女の肉はシシオキだよシシオキ。バカめ。
ことの発端はコンビニのATM。
手持ちがなくなったので、
いつものように2万9千円をおろそうと
（実家が肉屋ってのと千円札が多いので、いつもこの金額）
ボタンを押したら、間違って29万円おろしてしまったのだ（驚）。
戻そうにもどうやらコンビニでは戻せない。
銀行に寄っている暇もない。
このまま、このコンモリした財布を抱えながら今日という日を生きなければならない。
そして、僕は普通の人間ではなくなった。
29万。
モルディブに滞在できる金額だ。
今の僕は世界中の人が憧れる南国リゾートに通じる人間。
そう、小田急線にいながらリゾータ－なのだ。
いや、この際セレブだセレブ。
29万。
超高級ソ－プなら3回、格安ソ－プなら10回は行ける金額だ。
もうね、お大尽様だよこりゃ。
君ら平民男子が女性を抱くまでにはきっと数カ月かかるだろう。
しかし、今の僕は小田急線にいながら女性を3〜10回も抱けるお大尽様。
下手すりゃクルクル回転だってしてくれる。
29万。
伊豆なら一瞬にして50本潜れる。
もうね、確実に減圧症。
小田急線にいながら減圧症。
気をつけるのは飛行機だけじゃないんだ、バカ！
自分でもよくわからなくなってきたが、
つまり今小田急線に弱った大金持ちが護衛も付けずに乗っているわけである。
さっき乗ってきたバァさんや。そんな穏やかな顔で微笑んでも、俺はダマされないぞ。
バカめ。
SHARE
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。 卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。 潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。 ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。 現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、 そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。 〇詳細プロフィール／コンタクト https://divingman.co.jp/profile/ 〇NPOプロジェクトセーフダイブ http://safedive.or.jp/ 〇問い合わせ・連絡先 teraniku@gmail.com ■著書：「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」 ■DVD：「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」 ■安全ダイビング提言集 http://safedive.or.jp/journal
