現地ガイドがOM SYSTEMのTGシリーズで切り取る 日本各地の海(第3回)

現地ガイドがOM SYSTEMのTGシリーズで切り取る 日本各地の海 ③伊豆半島 大瀬崎

手軽に始められて、クオリティの高い水中写真が撮れることからダイバーに大人気のOM SYSTEMのコンパクトデジカメ「Tough」シリーズ(以下、TG)。日本各地のTGユーザーのガイドに登場していただく連載企画、第3回は伊豆半島・大瀬崎の海をガイドする「大瀬ダイビングセンター 海童(かっぱ)」のノリゴンさんこと鈴木 紀子さんが登場。TG-6、TG-7で撮影した作例とともに、自身がガイドする海への想いや水中撮影のコツなどを伺ってみた。

鈴木(すずき) 紀子(のりこ)(ノリゴン)さん
大瀬ダイビングセンター 海童(かっぱ)
鈴木紀子
ダイビング歴:30年、 約7,000本
ガイド歴:25年
⽔中写真歴:20年

伊豆半島・大瀬崎でダイビング経験を積み、長年ガイドとして活動。水中写真歴は20年で、デジタル一眼カメラをいち早く取り入れ撮影に勤しむ。現在はTGシリーズも駆使して、大瀬崎のさまざまな生き物の営みを撮影。

私がガイドしている海について
年間を通してほぼ毎日潜れる大瀬崎。ポイントごとに表情豊か!

大瀬崎の海は一年を通してクローズする日がほぼなく、安定した海況でエントリー、エキジットをしやすいところが好きです。クローズするのは台風が超接近したときや、透視度が非常に悪いときくらいで、年に1、2回くらいです。

潜る場所によって雰囲気がガラリと変わる表情豊かなポイントが多く、旬の生物や気分、お客様のダイビングスタイルによって選べるところが贅沢すぎます! 私が必ず見せたいと思う水中シーンや生物へのこだわりは特になく、その日の海況やお客様からのヒヤリングによってマッチしたポイントや楽しみ方をご案内しています。

【作例➀ ウツボをクリーニングするアカシマシラヒゲエビ】
ウツボをクリーニングするアカシマシラヒゲエビ

使用カメラ

TG-7(防水プロテクター PT-059を使用 以下同)

ライト

あり

撮影モード

絞り優先AE

シャッター速度

1/25

絞り値

2.3

露出補正

0

フラッシュ補正

なし

ISO感度

400

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

「湾内」 -18m

使用ライトのbigblueVTL4200Pには赤色光が搭載されています。海の生き物たちには赤い光は認識されにくいので、光を当てた時に驚かせない、警戒されないようにストレスを与えず自然に近い形で寄ることができます。

さらにライトを手持ちにして、背景が青く抜けるように撮影してみました。ガンガゼの黒い針とエビの白髭との対比が面白いなと思いつつ、歯医者さん設定で背景も含めての1シーンを狙いました。ウツボの迫力満点の恐竜みたいな口に対して、せっせと忙しそうなアカシマシラヒゲエビ院長が可愛いです。右上に写っている外野のスザクサラサエビが、歯科助手のように見えたのも面白かったです。

なおここにはウツボ以外にも、アザハタやハコフグ、オオモンハタやアカハタ、キンギョハナダイなども、アカシマシラヒゲエビにクリーニングしてほしくてやって来ます。まさに「人気のエステサロン」のような場所なんですよ(笑)。

お気に入りのダイビングポイント
期待を裏切らないカラフルな「先端」、アイドルの宝庫「湾内」

ワイドなら、期待を裏切らないカラフルな「先端」。マクロなら、じっくりゆっくり撮れるアイドルの宝庫「湾内」です。被写体となる生物がいるのはもちろんですが、背景も意識して「きれいなところにいる何か」をお客様に撮っていただくことを常日頃から意識しています。

「先端」は、360°群れ群れ!の圧巻のハナダイ天国に、カラフルなソフトコーラルの群生・クマノミ王国などが好きです。「湾内」は、安定したスポットでじっくりゆっくり生物観察と撮影ができるところが気に入っています。「先端」にもマクロの被写体となる生物は豊富ですし、「湾内」でもワイドの景観の撮影も楽しめますよ。

【作例② ミジンベニハゼ】
ミジンベニハゼ

使用カメラ

TG-7

ライト

あり

撮影モード

⽔中顕微鏡

シャッター速度

1/160

絞り値

2.8

露出補正

0

フラッシュ補正

なし

ISO感度

200

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

「湾内」 -5m

牡蠣殻の形が可愛かったので、浮き上がるように背景をぼかして撮影。ミジンベニハゼは定番で見られますが、牡蠣殻に入っている個体は珍しいです。体長は1cmちょっとでした。ミジンベニハゼの可愛さが出る正面顔と小ささやおどおどする様子がわかるように、ある程度の距離をとった構図を考えました。目の色や隠れている感じが出るように、ライトの位置を調整しながら、ノーストロボで撮っています。

ミジンベニハゼの目の色が青く写っていますが、これは正面からライトを当てているからです。上のほうからライトを当てると、緑色に写るんですよ。

日々感じているダイビングへの想い
海をきっかけに人が繋がっていくことに、幸せと感謝を感じている

自分なりの哲学として「海は人を繋ぎ、人は人を繋ぐ」という人生観があります。海を通して知る心の動き、共感、出会う生き物たちや人々との関わり全てが今の「私」を作っています。海をきっかけに繋がれた手と手の輪が大きく拡がり、ご縁が結ばれていくことに幸せと感謝の気持ちを日々、感じています。

当店のゲストの方たちはお客様どうしが繋がっていて、紹介でいらっしゃる方も多いのです。大切なお客様からご紹介いただいた方も大切なお客様。「ここで潜って楽しかった、海童を紹介してよかった」と、気持ちよく「豊かな一日」をお過ごしいただけるようにご案内しております。

【作例③ ミスガイ】
ミスガイ

使用カメラ

TG-7

ライト

なし

撮影モード

⽔中顕微鏡

シャッター速度

1/50

絞り値

2.4

露出補正

-0.7

フラッシュ補正

なし

ISO感度

200

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

「湾内」 -0.8m

冬になると妖精・ミスガイが出始め、アオサの光合成も始まります。ミスガイをメインに前ボケ、泡を玉ボケにするべく、f値を開放&シャッタースピードを遅くするために、自然光で撮影しました。ミスガイのインパクトを強調するために、もっと寄りつつローアングルで煽って撮りたかったのですが、岩に当たって近づけなかったので断念しました。

TGシリーズを選んだ理由
何でもアリな機能で、シャッターチャンスを逃さない

ダイバーのシェア度が高く、アクセサリーも豊富なため、TGシリーズ愛用者になりました。ワンハンドで扱えるコンパクトさはBCDにぶら下げていても気にならず、ワイドもマクロも動画も撮れる「何でもアリ」な機能を搭載しているので、シャッターチャンスを逃しません。

また、今回リングライトの「フィッシュアイ FIX RL1500」を使用して撮影しました。OM SYSTEMの製品ではありませんが、フィットするように設計されているため、安心して使えました。光が全体的に回り、きれいに当たるのが良いなと思いました。顕微鏡モードで被写体にできるだけ近づいて撮影する時に、内蔵ストロボでは右下にケラレが生じます。構図を縦位置にして、ストロボの当たる位置にピントを合わせて撮ったりもしますが、被写体が限定的になります。

そんな時に「RL1500」を使うと光が全体的に回り、シャドウが緩和されます。あと岩の隙間などの狭いところにカメラを入れて撮影する際にも、ライトが邪魔になりません。当てる光の角度がつけられず、正面から光が当たるという弱みがあるものの、外付けでねじ込むだけのお手軽コンパクトさとワンハンドで撮れるお気楽は大きな魅力ですね。

ケラレ:画面の隅にレンズフードやフィルターが黒く写り込んでしまうこと

【作例④ ユウレイイカ】
ユウレイイカ

使用カメラ

TG-6

ライト

なし

撮影モード

⽔中ワイド

シャッター速度

1/1000

絞り値

2.8

露出補正

0

フラッシュ補正

なし

ISO感度

100

ホワイトバランス

水中浅瀬

撮影地・水深

「湾内」 水面下

生きている元気な状態で見られることが珍しい深海生物のユウレイイカ。得体のしれない雰囲気でゆらゆらする姿と透け感が出るように、自然光で撮影。気泡や砂粒のハレーションも幻想的な演出になりました。

今ではアクションカムで水中撮影する方も増えていますよね。アクションカムでもTGシリーズでも、動画と写真(静止画)、ワイドとマクロ、どちらも両方楽しめるとは思います。ただし、それぞれの得意分野を生かすのなら「アクションカム=動画・ワイド重視」「TGシリーズ=写真・風景やマクロ重視」といった感じでしょうか。

【作例⑤ アカスジカクレエビ】
アカスジカクレエビ

使用カメラ

TG-7

ライト

フィッシュアイFIX RL1500

撮影モード

⽔中顕微鏡

シャッター速度

1/60

絞り値

11

露出補正

0

フラッシュ補正

なし

ISO感度

100

ホワイトバランス

水中標準

撮影地・水深

「湾内」 -18m

アカスジカクレエビは透明なので、背景に溶け込んでしまいます。そのため模様と色が浮き出るように、黒く抜けるタイミングを5分ほど待って撮影しました。生息環境でもあり第二の被写体でもあるイソバナのポリプを閉じさせないように寄りながら、フィッシュアイ FIX RL1500の持ち味を生かし、手持ちライトなしのワンハンドで撮りました。
鈴木さんの使用撮影機材

鈴木さんの使用撮影機材
カメラ:TG-6、TG-7
防水プロテクター:PT-059
ライト:フィッシュアイFIX RL1500、フィッシュアイFIX NEO Premium

被写体や撮影したいシーンによって、ライトの仕様や外付けレンズを変えています。フィッシュアイコンバージョンレンズやマグニファイヤーなどを使っています。こだわりは「お手軽お気楽コンパクト」。TGシリーズはコンパクトなので、片手にライトを持って、もう片方の手でワンハンド撮影が手軽にできる点が気に入っています。

これから撮りたい水中写真・今後の目標
“大人のピント迷子さん”たちとの作品作りをしてみたい

TGシリーズをメインに「お手軽お気楽コンパクト」スタイルで、肩の力を抜きつつも、証拠写真ではない表現作品を撮りたいし、お客様が撮れるようにご案内していきたいです。プロの写真家をお招きして、フォトセミナーも開催していきたいと考えています。

当店のお客様の中には年齢を重ねて、デジタル一眼からコンパクトデジカメに移行していく方が増えてきています。大きいカメラを持って潜るのは大変ということもありますが、機動力があって多機能なTGシリーズなら、撮影のコツを知ることでデジタル一眼に引けを取らない作品が撮れます。

私自身、老眼でピントが合わないストレスを感じることがありました。しかし、最近ピントを合わせるコツがつかめてきたので(笑)、“大人のピント迷子さんたち”と一緒に作品作りをしていくということを楽しんでいきたいと思っています。

今回使用したカメラ

OM SYSTEM Tough TG-7

防水15m、防塵、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgf、耐低温-10℃、耐結露といったタフ性能で、海や山でのアウトドアでも安心して使用できる。専用防水プロテクターPT-059 は耐圧水深45mで、スキューバダイビングでの撮影が手軽に楽しめる。5つの水中撮影モードを搭載していて、中でもレンズ先端から1cmの至近距離まで寄れる「水中顕微鏡」モードを使えば、小さな海の生き物の拡大撮影が可能。アクセサリーも充実しているので、あらゆる水中シーンを捉えられる。

詳しい製品情報はこちら

大瀬ダイビングセンター 海童(かっぱ)

大瀬ダイビングセンター 海童(かっぱ)

ダイビングポイントが目の前に広がる。エントリー&エグジットもラクラク

大瀬ダイビングセンター 海童(かっぱ)店内

ショップ内は広く快適。アフターダイブにゆっくりくつろげる

「大瀬崎の全ポイントに一番近い店」で、目の前がダイバーの聖地という好立地。「湾内」から外海の「先端」まで最短でアクセスでき、ワイドもマクロ生物もじっくり撮影可能。ベテランガイドが「安全第一」に、初心層はもちろん、大人世代のピントの悩みも解消する撮影術を伝授してくれる。開放的な店内とジャグジー完備の施設で、特別なひと時を。

今回は、伊豆半島・大瀬崎の海で長年ガイドを続けているノリゴンさんこと鈴木 紀子さんに話を伺った。マクロもワイドも被写体豊富で、しかも深海生物など何がやって来るかわからない期待感にあふれた大瀬崎の海は、最強のフォトフィールド。

TGシリーズの表現力の豊かさでさまざまな生き物を撮り続けているノリゴンさんが、今後どんな写真を見せてくれるのかとても楽しみだ。

Sponsored by OMデジタルソリューションズ
OMデジタルソリューションズは、オリンパスの映像事業を継承し、「人生にもっと冒険を」をブランドタグラインに掲げるOM SYSTEMブランドで、高い耐久性と機動性を兼ね備えたカメラシステムをはじめとする映像製品を展開。アウトドアや水中撮影で圧倒的なパフォーマンスを発揮し、ダイバーや自然写真愛好家が海や自然の魅力を鮮明に記録する体験を提供している。

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PROFILE

大学時代に慶良間諸島でキャンプを行い、沖縄の海に魅せられる。卒業後、(株)水中造形センター入社。『マリンダイビング』、『海と島の旅』、『マリンフォト』編集部所属。モルディブ、タヒチ、セイシェル、ニューカレドニア、メキシコ、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、オーストラリアなどの海と島を取材。独立後はフリーランスの編集者・ライターとして、幅広いジャンルで活動を続けている。

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