【伊東市ダイビング完全ガイド】7つの海の魅力を徹底紹介(第3回)

【伊東市ダイビング完全ガイド】川奈・ 穏やかなビーチでウミガメに会える海

名門ゴルフコースやクラシカルな川奈ホテルなどでも知られる伊豆の景勝地、静岡県伊東市・川奈。そんな川奈は、地形に恵まれ、風やうねりの影響を受けにくい、穏やかなダイビングスポットとしても有名だ。体験ダイビングから経験豊富なファンダイバーまで幅広く愛され、なかでも夏に出会えるアオウミガメは川奈の代名詞とも言える。ダイビングポイントとして30年以上の歴史をもつ川奈の魅力を深掘りしていく。

静岡県伊東市のダイビングスポット「川奈」の特徴

日本の原風景が残る伊東市川奈。ストレスを忘れさせてくれる光景だ

1995年にポイント調査が行われ、その後正式にダイビングポイントとしてオープンした川奈。30年以上の歴史の中でビーチポイントやボートポイントも潜りやすく整備され、内湾性の穏やかな海況とあいまって、初心者からベテランまで幅広いダイバーを受け入れている。
ビーチポイントの最大水深は20mと遠浅の海で、急激な深度変化がなくストレスが少ないのも魅力のひとつ。

川奈のダイビングポイントにはゴロタ、砂地、泥砂地、ドロップオフ、隠れ根と多様な地形が凝縮されており、生き物観察の幅が広いのも特徴だ。なかでも人気が高いのが夏のアオウミガメ。2012年に定着し始めて以来、毎年4〜5個体が浅場に姿を現す。ウミガメがやってくる場所がエントリー口に近いため、体験ダイビングやシュノーケリングでも高確率で出会え、全国的にも珍しい光景だ。

東京から約90分というアクセスの良さもあり、ダイビング講習や、フォト派のファンダイバーなどで賑わうスポットとなっている。

川奈で絶対に潜るべき!おすすめダイビングポイント3選

川奈はビーチダイビングとボートダイビングの両方を楽しめる。
ここでは現地ガイドおすすめのダイビングポイント3ヵ所を紹介しよう。

■ ウミガメに出会える確率大!「川奈ビーチ」

ダイバー慣れしたウミガメ

ダイバー慣れしたウミガメも

【最大水深】約20m
【スタイル】 ビーチダイビング
【特徴・見どころ】
川奈を代表するビーチポイント。セッティングエリアから階段を降りると、エントリー口にはスロープと水中に伸びるロープが張ってあり、体験ダイビングでも安心して潜れて、講習でもよく使用されるポイントだ。水中の深度変化は穏やかだが、ゴロタ・砂地・泥砂地・ドロップ・隠れ根などがあり、1ダイブで多彩な環境が楽しめる。

浅場にはソラスズメダイやクロホシイシモチなどの群れが多く、豊富な生き物たちに囲まれながら潜れる。そして憧れのアオウミガメとの遭遇率も高いポイントで、とくに夏場はさらに出会える確率が上がる。夏季のイベント日限定でナイトダイビングも楽しめるので、興味がある方はぜひ。

■ ダイナミックな地形と大物に出会う「赤根」

迫ってくるようなイサキの群れ

迫ってくるようなイサキの群れ

【最大水深】約30m
【スタイル】 ボートダイビング(港から船で約10分)
【特徴・見どころ】
夏季限定のダイビングポイントで、地形と回遊魚などの大物が見られる、川奈でもっともダイナミックなボートポイント。浅場はキンギョハナダイがひらひらと舞い彩を添え、深場ではイサキやテングダイが群れダイバーを楽しませてくれる。ネコザメ・トビエイ・ウミガメといった大物との遭遇率も高く、ハンマーヘッドシャークが目撃されたこともある。水深の変化が大きいため中性浮力と無減圧潜水時間を自己管理できるダイバー向け。

■ 港から3分!初ボートにも最適な新ポイント「ウバコーラル」

目の前を埋め尽くすクロホシイシモチとネンブツダイの群れとニザダイ

目の前を埋め尽くすクロホシイシモチとネンブツダイの群れとニザダイ

【最大水深】約30m
【スタイル】 ボートダイビング(港から船で約3分)
【特徴・見どころ】
2023年にオープンした、夏季限定で潜れるボートポイント(2026年は5月15日〜8月31日)。港からわずか3分の近さで、船酔いが心配なダイバーにも安心だ。

水深14〜20mの砂地のかけあがりにブロック漁礁が積まれ、そこを彩るソフトコーラルや、アジ・ネンブツダイ・クロホシイシモチなどの小魚が圧巻の光景を演出する。

水深30m付近ではイソギンチャクと共生するアカホシカクレエビやアカオビハナダイの群れも見られ、初めてのボートダイビングやアドバンス講習にも最適なポイントだ。こちらも、水深の変化が大きいため中性浮力と無減圧潜水時間を自己管理できるダイバー向け。

川奈の潜り方HOW TOガイド

整備されたビーチのエントリーエリア

整備されたビーチのエントリーエリア

ビーチポイントは手すりロープ付きの安定した足場で、エントリーとエキジット口が分かれているため動線がスムーズ。水中にもロープが張られており、体験ダイバーや初心者も安心して潜降できる。

漁船タイプの船

漁船タイプの船。板に跨いで座る

ボートは伊豆で一般的な漁船タイプ。器材を背負ったまま港で乗船し、ジャイアントストライドでエントリーする。エキジットはフィンを脱いでハシゴを上がるスタイルだ。「赤根」「ウバコーラル」ともにブイとロープが設置されているので、耳抜きや中性浮力が不安なダイバーもゆっくりと潜降浮上が可能。

川奈の四季ごとの見どころ

季節ごとに主役が移り変わるのが伊豆ダイビングの醍醐味。
川奈でも四季折々の生き物と出会える。

春の川奈の特徴:神秘的なアオリイカの産卵シーンは必見

目の前で繰り広げられるアオリイカの産卵

目の前で繰り広げられるアオリイカの産卵

【平均水温】14〜20℃
【平均透明度】3〜10m
気温は暖かくなるが水温はまだ低め。
例年、3月下旬ごろから徐々に水温が上がってくる影響でプランクトンが増え、水中が緑になる春濁りという現象が起こる。そのため、冷水温を好むウミウシ探しを楽しんだり、様々な魚の幼魚をじっくり撮影したり、マクロ中心のフィッシュウォッチングが楽しいシーズンだ。

さらに、春の終わりから初夏にかけて、ビーチポイントに設置した産卵床にアオリイカが集結。カップルが成立するとメスはオスのエスコートで産卵床に卵を産み付ける。大迫力の産卵シーンは必見だ。この時期はダイバーがあまり多くないので、夏に向けてのスキルアップダイビングもおすすめ。

夏の川奈の特徴:夏の風物詩・アオウミガメが登場

ウミガメとダイバー

「ウミガメと泳ぐ夢が叶った!」と、多くのダイバーを喜ばせる

【平均水温】20〜28℃
【平均透明度】5〜15m
川奈の夏といえばアオウミガメ。2012年から定着し始め、最初は2個体ほどだったが、現在では5個体ほど観察されている。川奈で観察できるアオウミガメは水深が浅くエントリー口に近いところに生息するため、体験ダイビングやシュノーケリングでも高確率で出会える。また夏季限定のボートポイント「ウバコーラル」も6月頃からオープン。ナイトダイビングのイベント開催日もある。

秋の川奈の特徴:目の前を埋め尽くす圧巻の魚の群れ

オオモンハタとクロホシイシモチの群れ

オオモンハタとクロホシイシモチの群れ

【平均水温】20〜28℃
【平均透明度】10〜20m
気温も高く、透明度も上がり、水温もまだ落ちないため快適にダイビングできるベストシーズン。カエルアンコウをはじめとした南方種の季節来遊魚も増えてきて、1年で最も魚種が豊富になる。また魚影も濃く、イシモチの仲間やキビナゴやイワシ、マアジなどの群れに巻かれる迫力のある光景も楽しめる。9〜11月は連休も多く、穏やかな川奈ビーチでライセンス講習が開催されることも多い。

冬の川奈の特徴:透明度がアップ!川奈ブルーを満喫

冬の川奈ブルーに潜るダイバー

冬の川奈ブルーを体感して欲しい

【平均水温】14〜20℃
【平均透明度】15〜20m
1年で最も透明度が高くなる季節で、20mほど先が見渡せる日も多い。冬の季節風の西風が表層の水を沖に流し、深場の冷たい水が上昇することで気持ちのいい青の世界が広がる。
冬場、水温が下がってくるとアンコウやマトウダイなどの深海生物が浅場にも移動してきて、水深18mほどの場所で見られるチャンスも。

港に温かいお風呂があるため寒さ対策も万全。静かな海をゆっくり楽しみたいダイバーにもおすすめのシーズンだ。

川奈の現地ダイビングサービス情報

リノベーションして綺麗になたシャワー・更衣室

リノベーションして綺麗になたシャワー・更衣室

川奈のダイビングでは、「いとう漁協川奈ダイビングサービス」を利用する。2022年に更衣室・シャワー室・トイレを大幅リノベーション。清潔感があり、快適に利用できる環境が整っている。港内には日差し対策のテントが設置されている他、大きいお風呂もあり、夏場の日差しや冬の寒さ対策もされている。

洗い場()と干し場()が広いので、ハイシーズンも余裕がある

お湯が出る屋外シャワーがあったり、器材洗い場や干し場が広いのも便利なポイント。

白を基調とした清潔感のある更衣室とパウダールーム

また、女性用のドライヤーも使えるパウダールームがあり、日帰りでも安心なのが嬉しい。

いとう漁協 川奈ダイビングサービス
〒414-0044 静岡県伊東市川奈699-2 
TEL:0557-45-5608

川奈のおすすめアフターダイビングスポット

海女の小屋 海上亭

川奈港を一望できるロケーションで、専属の海女さんが獲ったサザエなどをいただける。
伊豆の地魚料理を堪能できる飲食店。

万里食堂

地元に愛されるアットホームな食堂。ボリュームたっぷりの定食やラーメンが人気。
「伊豆で魚は食べ飽きた!」という、ベテランダイバーにもおすすめ。

川奈のまとめ

伊東市の中でも特に穏やかな海況に恵まれた川奈は、初心者からベテランダイバーまで誰もが手軽に楽しめるダイビングスポットだ。

2026年には開設30周年を迎え、伊豆の定番スポットとしてますます進化する川奈にぜひ足を運んでほしい。

情報・写真提供
伊豆ブルーダイビング

川奈イベント情報:KawanaEarthFesta2026GWに開催!


日にち:2026年5月4日(月)・5日(火)
時 間:9:00~16:00
場 所:川奈ダイビングサービス
住 所:〒414-0044 静岡県伊東市川奈699−2
雨 天:決行(不参加も可)
イベント期間中は水中からごみを拾ってきたダイバーさんに、1ダイブ100円お渡しする「海ごみ買取ります」や親子参加大歓迎!いるか浜で行うビーチクリーン(特典付き)など、楽しみながら環境について考える2日間
詳細はこちら
伊東市ダイバーズ協議会
静岡県ダイバーズ協議会の正会員として、ダイビング事故防止やマナー向上、自然保護の啓発に取り組んでいます。船舶・漁業関係者や市民、観光客と連携し、安全で秩序ある海洋レクリエーションの普及と地域発展に寄与しています。

認定NPO法人アンダーウオータースキルアップアカデミー
水難事故や災害発生時に、訓練された民間ダイバーが水際の応急対応や海に関わる支援活動を行い、地域の安全に貢献する団体。会員約80人で、潜水士資格を持つダイビング指導者を中心に救助・捜索や漁業復興支援などに取り組んでいます。

伊豆半島ジオマリンクラブ
伊豆半島の海をフィールドに活動する、ダイビングショップのプロインストラクターによる、伊豆半島ジオパーク公認の海洋ガイド団体です。各ショップには、伊豆の海を知り尽くしたジオガイドが在籍しています。伊東市のダイビングショップにも、20名を超える会員が在籍しています。

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PROFILE

デザイナーとして多忙を極めていた最中、ダイビングに出会い人生が一変。
ダイビングの素晴らしさを広めたいという想いからインストラクターの資格をとり、デザイン会社から雑誌DIVERを出版するダイバー株式会社に転職。雑誌編集や営業、イベント運営などに携わる。
現在は独立しフリーランスデザイナー、ダイビング関連の編集者・ライター、週末は伊豆の現地ショップの非常勤インストラクターなど、多岐に渡り活動中。

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