【伊東市ダイビング完全ガイド】7つの海の魅力を徹底紹介(第1回)

【伊東市ダイビング完全ガイド】宇佐美・アオウミガメやネコザメが待つ穏やかな海

アオウミガメ

静岡県伊東市の最北端に位置する宇佐美。都心から最短67分でアクセスできる、気軽さが魅力のダイビングスポットだ。ネコザメやウミガメが定着するこの海は、急激な水深変化が少なく、内湾に位置するためうねりの影響も受けにくい。そのため穏やかな海況の日が多く、週末気軽に訪れてもじっくり海と向き合える環境が整っている。そんな宇佐美の魅力を深掘りしていこう。

静岡県伊東市のダイビングスポット「宇佐美」の特徴

ネコザメ

宇佐美といえばネコザメ!と言えるほどの遭遇率の高さ

伊東市7エリアの中で最も都心に近く、玄関口にあたる宇佐美。東京・品川エリアから新幹線と伊東線・伊豆急行線を利用して行けるアクセスの良さは、「週末ふらっと海へ」という気軽さを実現してくれる。

急激な水深変化が少なく、外洋からのうねりも入りにくい穏やかな海況が、この海の大きな特徴だ。ビーチには500本以上の土管が設置されており、ネコザメたちの格好の住処となっている。さらに、ダイバー憧れのウミガメとの遭遇率も高い。アオウミガメがビーチポイントには5匹、ボートポイントにも複数が定着しており、年間を通して観察できる。

ビーチはダイビングセンターから徒歩30秒、ボートポイントも港から5分以内とアクセス抜群。コンパクトながら、多彩な魅力を備えたダイビングスポットだ。

宇佐美で絶対に潜るべき!おすすめダイビングポイント3選

宇佐美はビーチダイビングとボートダイビングの両方を楽しめる。
それではここからは、現地ガイドおすすめのダイビングポイント3ヵ所を紹介しよう。

■ 冬にはマンボウと会えるチャンスあり!「マンボ根」

冬に遭遇率が上がるマンボウ

冬に遭遇率が上がるマンボウ。ときに複数の個体に遭遇することも

【最大水深】約30m
【スタイル】 ボートダイビング(港から船で約5分)
【特徴・見どころ】
宇佐美のボートポイントのなかでもワイド派に特に人気のダイビングポイント。ブイ下は12mから最大30mまで深度変化があり、根の周りはアジやイサキ、タカベなどの巨大な群れが集まり、大迫力の光景が広がる。また、アオウミガメとの遭遇率も高く多くのダイバーを楽しませる。

ソフトコーラルの群生も見事で、その周りにはオレンジ色をしたキンギョハナダイが乱舞し、青の世界に彩りを添えてくれる。

マンボウに形が似ている根があることがこのポイント名の由来となっているが、本物のマンボウとの遭遇率が高いのもここの特徴だ。とくに冬が狙い目なので、中層にも目を向けて潜って欲しい。

ディープポイントになるが、ブイ下は浅く潜るコースによって初心者からベテランまで幅広く楽しめるポイント。

■ 複数の根をめぐるバラエティポイント「カサ根」

イソギンチャクには可愛らしいクマノミの姿

イソギンチャクには可愛らしいクマノミの姿が

【最大水深】約25m
【スタイル】 ボートダイビング(港から船で約5分)
【特徴・見どころ】
カサ根をメインに、クマノミの根など複数の根が点在するバラエティ豊かなポイント。根には色鮮やかなソフトコーラルの群生があり、近くには可愛らしいクマノミが暮らしている。
秋には魚の群れや回遊魚の姿も増え、アジ、イサキ、ワラサ、イナダ、カンパチなど迫力の魚影をみることができ、マクロもワイドも楽しめる欲張りな1本が実現できる。

宇佐美のダイビングポイントの中では水深のアップダウンが大きいので、アドベンチャー感覚で楽しめるのも特徴。ディープポイントになるが、ブイ下は浅く潜るコースによって初心者からベテランまで幅広く楽しめるポイント。

■ 広大なエリアで構成される「宇佐美ビーチ」

水中に突如現れる線路

水中に突如現れる線路。ダイバーだけが見られる不思議な光景だ

【最大水深】約18m
【スタイル】ビーチダイビング
【特徴・見どころ】
ダイビングセンターの目の前、徒歩30秒のビーチポイントは広いエリアで構成されており、初心者のスキルアップから上級者のファンダイビングまで幅広く対応できるのが特徴。水中は水深4m台、8〜10m台、14〜18m台と3段階の水深変化があり、手前の水深4mのエリアは講習スペースも確保されている。

水中を西に進むと、水底に2本の線路が出現する。諸説あるが、このあたりはかつて石材の産地であり、石材を運ぶトロッコの線路が現在も残っていると言われている。レトロな線路を背景にした水中フォトはSNSでも話題になりやすく、フォト派ダイバーから特に人気を集めている。

一方、東側には500本以上の土管が並び、その内部はネコザメたちの格好の隠れ家となっている。潜るたびにネコザメとの出会いが期待できるのも、このポイントの魅力だ。

どのエリアも宇佐美らしいユニークな景観を楽しめ、体験ダイビングでも安心して潜ることができる。

宇佐美の潜り方HOW TOガイド

エントリーエリア

エントリーエリア。足元は安定したスロープと手すりがあり安心だ

ビーチポイントは、店舗から徒歩30秒という近さ。セッティングエリアのすぐ目の前がエントリー口となり、手すり付きのスロープが整備され、初心者も安心してエントリー・エキジットが可能。手すり沿いのロープは水中まで続いており、耳抜きが不安なダイバーでも、ロープを使いながらゆっくりエントリーできる。また、ガイドロープにもなっているため、バディダイブの練習にも役立つ。

ボートダイビングで使われる漁船

ボートダイビングで使われる漁船。甲板には板状のベンチがあり、そこに跨って器材を背負う

ボートダイビングで使用する船は、伊豆で一般的な漁船タイプ。ダイビングセンターから徒歩3分ほどの宇佐美港でボートに器材を積み、船上で器材を背負うスタイルが一般的。もちろん、器材を背負ってからボートに乗船する方法もOK。

すべてのポイントは港から約5分と近く、船酔いが心配なダイバーでも安心だ。エントリー方法はジャイアントストライドエントリー。ブイから潜降ロープが設置されているため、耳抜きや潜降、安全停止に不安があるダイバーでも落ち着いて潜れる。エキジットは船側面のはしごを使用し、フィンを脱いで上がるスタイルだ。

宇佐美の四季ごとの見どころ

穏やかな海ながら、季節ごとに主役が変わる豊かな宇佐美の海。
四季折々の見どころを紹介しよう。

春の宇佐美の特徴:愛のシーズンの始まり

春濁りの季節。グリーンの世界

春濁りの季節。グリーンの世界はこの季節ならでは

【平均水温】14〜20℃
【平均透明度】3〜15m
春濁りの季節だが、その濁りのなかで手のひらサイズのボウズコウイカの求愛行動が観察できる。体色を激しく変化させて泳ぐ姿はまるでエイリアンのようだ。アオリイカの産卵床も設置され、オスがメスを取り合い喧嘩をするシーンや、勝利したオスがメスをエスコートして産卵をするシーンなどを間近で体験できる。水温はまだ低めだが、生命の息吹を感じられる宇佐美ならではの春がある。

また、通年見られるネコザメは、春はとくに遭遇率が高い。3〜4月はネコザメの産卵が最も盛んな時期なので、ドリル型をした卵を探すのも面白い。孵化間近になると、ネコザメの赤ちゃんの姿を殻越しに確認できる。生命の神秘をぜひ肌で感じて欲しい。

夏の宇佐美の特徴:水中がさらに賑やかに

ネンブツダイの群れ

ネンブツダイの群れ。夏には口内保育が見られる

【平均水温】20〜30℃
【平均透明度】3〜15m
黒潮の影響で季節来遊魚が増え、海の中が一年で最もにぎやかになる季節だ。ネンブツダイも大きな群れを作り、よく観察するとペアで泳ぐ姿が目立つ。顎がしゃくれたオスは口の中で卵を守る口内保育を行っており、その神秘的な行動を間近で観察することができる。
また、伊東市の夏の風物詩といえば、毎年8月10日に開催される按針祭。ダイビングセンター2階のウッドテラスからは花火を眺めることができ、ダイビングの後にバーベキューを楽しみながら夏の夜を満喫できる。

■ 秋の宇佐美の特徴:魚影が濃くなるベストシーズンの到来

イサキとタカベの大群が、目の前を壁のように覆い尽くす光景

秋は群れのシーズン。イサキとタカベの大群が、目の前を壁のように覆い尽くす光景は圧巻だ

【平均水温】22〜26℃
【平均透明度】3〜15m
カエルアンコウの仲間やタツノオトシゴの仲間など、南方系の魚たちもまだまだ元気な姿が見られるシーズン。中層にはアジやイサキ、タカベなどの魚群が増え、それを追いかけるワラサやカンパチのアタックシーンも迫力満点だ。

水温・気温ともに過ごしやすく、ダイビングコンディションも良好。マクロからワイドまで幅広く楽しめる、宇佐美のベストシーズンと言えるだろう。

■ 冬の宇佐美の特徴:最高潮の透明度。青の世界を満喫

冬の透明度が成せるクリアなブルーと白い砂地のコントラストが美しい

冬の透明度が成せるクリアなブルーと白い砂地のコントラストが美しい

【平均水温】14〜20℃
【平均透明度】5〜20m
西風が増える冬は、宇佐美の海況が安定し、透明度の高い日が続きやすい季節だ。深いブルーの海に白い砂地と色鮮やかなソフトコーラルが映え、「冬の宇佐美ブルー」とも呼びたくなる美しい景観が広がる。ボートポイントの「マンボ根」では、冬季限定でマンボウとの遭遇チャンスも。
さらに、水温が下がる冬から春にかけてはウミウシの数も増え、小さく美しい姿でマクロ派ダイバーを楽しませてくれる。

宇佐美の現地ダイビングサービス情報

バリ風の内装をしたダイビングセンター

バリ風の内装をしたダイビングセンター。目の前に海が広がり、テラスからの眺めは異国気分を味わえる

宇佐美のダイビングでは、 宇佐美ダイビングセンターを利用する。
平成元年(1989年)創業依頼、35年以上の歴史をもち、ビーチが目の前という抜群のロケーション。施設も充実している。

1階休憩スペース
2階休憩スペース
1階休憩スペース()、2階休憩スペース(

1階には、オーシャンビューの広々としたウッドデッキの休憩スペースがある。屋根付きのため、夏の強い日差しや雨の日でも快適に過ごすことができる。

2階には屋外テラスの休憩スペースがあり、ドライエリアの室内はバリ風のおしゃれな空間。雨風や寒さ、真夏の暑さを避けながらゆったりと休憩できる。

ドライエリアの休憩室
清潔感あふれる更衣室
ドライエリアの休憩室()清潔感あふれる更衣室。ドライヤーも使用可能(

シャワーや男女別のパウダールームも完備。首都圏から日帰りでふらっと潜りに来て、夕方には帰宅できる。そんな気軽さがうれしいダイビングサービスだ。

宇佐美ダイビングセンター
〒414-0001 静岡県伊東市宇佐美11-1 
TEL:0557-47-1700

宇佐美のおすすめアフターダイビングスポット

浜辺バーバキュー

宇佐美ダイビングセンターでは、休憩スペースのテラスでバーベキューを通年楽しめる。
手ぶらプランや持ち込みプラン、ランチやディナーなど選べるので、ダイビング後に仲間と楽しむのもおすすめ。

海辺のサヤン宇佐美店

宇佐美ダイビングセンター2階にあるバリレストラン。
内装も南国情緒あふれ、まるで異国に来たかのような気分になる。
ナシゴレンなどを始めとしたインドネシア料理をいただける。
TEL:0557-47-4568

宇佐美のまとめ

首都圏から最短67分という圧倒的なアクセスの良さと、ネコザメやアオウミガメを年間を通じて観察できる、穏やかで豊かな海。これが宇佐美の最大の魅力だ。

土管エリアに並ぶ500本の土管や、水底に伸びる2本の線路、冬のマンボウ出現チャンスなど、ここでしか味わえないユニークな体験も揃っている。

週末のデイトリップ先としてはもちろん、ダイビングライフの拠点としてもぴったりのダイビングスポットだ。

情報・写真提供
宇佐美ダイビングセンター

伊東市ダイバーズ協議会
静岡県ダイバーズ協議会の正会員として、ダイビング事故防止やマナー向上、自然保護の啓発に取り組んでいます。船舶・漁業関係者や市民、観光客と連携し、安全で秩序ある海洋レクリエーションの普及と地域発展に寄与しています。

認定NPO法人アンダーウオータースキルアップアカデミー
水難事故や災害発生時に、訓練された民間ダイバーが水際の応急対応や海に関わる支援活動を行い、地域の安全に貢献する団体。会員約80人で、潜水士資格を持つダイビング指導者を中心に救助・捜索や漁業復興支援などに取り組んでいます。

伊豆半島ジオマリンクラブ
伊豆半島の海をフィールドに活動する、ダイビングショップのプロインストラクターによる、伊豆半島ジオパーク公認の海洋ガイド団体です。各ショップには、伊豆の海を知り尽くしたジオガイドが在籍しています。伊東市のダイビングショップにも、20名を超える会員が在籍しています。

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PROFILE

デザイナーとして多忙を極めていた最中、ダイビングに出会い人生が一変。
ダイビングの素晴らしさを広めたいという想いからインストラクターの資格をとり、デザイン会社から雑誌DIVERを出版するダイバー株式会社に転職。雑誌編集や営業、イベント運営などに携わる。
現在は独立しフリーランスデザイナー、ダイビング関連の編集者・ライター、週末は伊豆の現地ショップの非常勤インストラクターなど、多岐に渡り活動中。

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