【伊東市ダイビング完全ガイド】7つの海の魅力を徹底紹介(第2回)

【伊東市ダイビング完全ガイド】伊東・ソフトコーラルとキンギョハナダイの華やかなコラボ

静岡県伊東市のメインタウン、観光客も多く立ち寄る伊東。もちろんダイビングも盛んで、のどかな街の風景からは想像できないような壮大な地形のポイントが点在している。そしてソフトコーラルの圧倒的な群生、数万とも言えるキンギョハナダイの乱舞、タカベやイサキをハンターが追い回すダイナミックなシーンで水中は賑わいを見せる。
続々とポイント開発が進み、1年を通して目が離せないフィールドを深掘りしていく。

静岡県伊東市のダイビングスポット「伊東」の特徴

期間限定ポイントのキューブ魚礁

期間限定ポイントのキューブ魚礁。巨大なコンクリートブロックが積み重ねられ、さまざまな生き物が集まる

伊東の海の最大の特徴は、水底から荒々しく立ち上がった巨大な隠れ根が点在するダイナミックさだ。

噴火した山のような隠れ根が幾重にも連なるそのエリアに、複数の方向から潮があたり、恵まれた海況を作り上げる。豊富な魚影はもちろん、ソフトコーラルの群生は息を呑む美しさだ。全長約200m・水深70mまで続く伊東の代表ポイント「白根」をはじめ、どのポイントも圧倒的なスケールを誇り、1日潜っただけでは全貌を把握しきれないほど。

さらにポイント開発が続いているのも伊東の特徴だ。突如発見された巨大魚礁「キューブ魚礁」には、トサカを中心とした手つかずのソフトコーラルが密生している。そのカラフルなコーラルの周りを、サクラダイやマトウダイなどが優雅に舞う場面に出会える。

キューブ魚礁

キューブ魚礁。カラフルなソフトコーラルの周りにはサクラダイが舞い、美しい空間を演出する

そして、20年の封印を解いて冬季限定で解禁された「扇山出(おうぎやまだ)し」は、原生林のようなソフトコーラルの群生が荘厳な雰囲気を醸し出し、森の中に迷い込んだような非日常体験ができる。過去にはマンボウが20匹同時に現れたこともあるとか。

通年オープンのポイントのほか、期間限定のレアポイントも多く、1年を通して次々と新しい体験を提供してくれる。港内にはイルカのふれあい施設「ドルフィンファンタジー」もあり、ドルフィンスイムはもちろん、ダイビングでイルカと触れ合うことも可能だ。

イルカとのふれあい施設、ドルフィンファンタジー

イルカとのふれあい施設、ドルフィンファンタジー。ノンダイバーからも人気で多くの観光客で賑わう

伊東で絶対に潜るべき!おすすめダイビングポイント3選

伊東はビーチダイビングとボートダイビングの両方を楽しめる。
ここでは現地ガイドおすすめのダイビングポイント3ヶ所を紹介しよう。

■ じっくり生き物観察を楽しむならココ!「新井の浜」

一面を鮮明な紫に染め上げるアヤニシキ

一面を鮮明な紫に染め上げるアヤニシキ。近くで見るとレースのように繊細で美しい構造に目を奪われる

【最大水深】約9m
【スタイル】ビーチダイビング
【特徴・見どころ】
伊東港横のビーチポイント。最大水深9mと浅く、水底もゴロタと砂地のため講習やスキルアップ練習などに重宝される。体験ダイビングでも安心して潜れる。

ビギナー向けと思いきや生き物が豊富で、クロホシイシモチやミナミハタンポの群れが水中を賑わせる。また、初夏にはネコザメの子どもが見られ、アオリイカの産卵シーズンも始まる。水深が浅いため、じっくり生態観察や撮影などが楽しめる。

エントリー口から280m先には漁礁があり、夏〜秋にはムレハタタテダイやツバメウオをはじめとした、南方系の生き物たちで賑やかになる。

■ 全長200m!大迫力のメインポイント「白根(しらね)

イシモチの群れと見事なソフトコーラル

イシモチの群れと見事なソフトコーラル。ドロップオフもあり、エキサイティングなポイントだ

【最大水深】約40m
【スタイル】 ボートダイビング(港から船で約15分)
【特徴・見どころ】
伊東を代表するメインポイント。水深70mの水底から全長約200mの巨大な隠れ根が南北に広がり、南西側に70mまで落ちる大迫力のドロップオフとなっている。あまりに広大なため白根北、中、南とエリアが分かれ、一日潜っても全てを回り切ることができない規模だ。

水中は浅場から深場まで切れ目なく生き物が溢れ、カラフルなキンギョハナダイの乱舞や、イサキやタカベの群れが目の前を覆うシーンは圧巻。カンパチ、ワラサなどの大型の回遊魚やアオウミガメやクエ、ハタ、ときにはハンマーヘッドシャークやメジロザメの目撃例も。
何度潜っても新しい発見があり、伊東通いがやめられなくなるポイントだ。水深の変化が大きいため中性浮力と無減圧潜水時間を自己管理できるダイバー向け。

■ 世界に誇るソフトコーラルの楽園「五島根(ごとうね)

一面のナンヨウイボヤギと乱舞するキンギョハナダイ

一面のナンヨウイボヤギと乱舞するキンギョハナダイ。大自然が作り上げる緑とオレンジの美しいコントラストは必見

【最大水深】約40m
【スタイル】 ボートダイビング(港から船で約15分)
【特徴・見どころ】
伊東が世界に誇るソフトコーラルポイント。その密度は伊豆随一といっても過言ではない。なかでも緑色のナンヨウイボヤギが丘一面を覆い、それをステージにするようにキンギョハナダイが乱舞する光景は唯一無二。「これを見るために伊東へ来た」という全国のダイバーが後を絶たない。

また、ダイナミックな地形も特徴で、単独した3つの根が北、中、南とあり、絶壁ドロップオフや穴や水路など、地形派ダイバーにも人気だ。クエやコブダイ、アオウミガメなどの大物との遭遇も期待でき、マクロはウミウシやジョーフィッシュのほか、運が良ければソウシカエルアンコウに出会えることも。

潮あたりがいいため潮流が速くなることもあり、水深の変化が大きいため泳力と中性浮力、無減圧潜水時間を自己管理できるダイバー向け。毎年5月16日〜9月15日までの期間限定ポイント。

伊東の潜り方HOW TOガイド

ビーチエントリーエリア

ビーチエントリーエリア。足元のロープを持ってエントリー可能なので、多少の波があっても安心

ビーチポイントの「新井の浜」へはダイビングサービスから器材を台車に乗せて移動する。ダイビングサービスから徒歩3〜5分ほどの距離にあるセッティングエリアで器材を背負い、階段を降りてエントリーする。エントリーすると足元にロープがあるので、波がある海況でも安心だ。水中にもガイドロープが張られているため水中ナビゲーションに役立つ。

ボート乗船エリア

ボート乗船エリア。船によってエントリー方法が異なるので、不安な場合は事前にガイドに確認しよう

ボートダイビングで使用される船は伊豆で一般的な漁船タイプ。エントリー方法は乗船した船によって異なるので、ジャイアントストライドエントリー、バックロールエントリー、両方を想定しておくと安心だ。ブイから潜降ロープが設置されているため、耳抜きや潜降、安全停止に不安があるダイバーでも落ち着いて潜れる。エキジットは船側面のはしごを使用し、フィンを脱いで上がるスタイルだ。

期間限定・限定オープンのポイントは海況や時期によって変動するため、事前に現地ダイビングサービスへ最新情報を確認してから計画を立てるようにしよう。ポイントにより潮流が強くなることがあるため、ガイドの指示にしっかり従いたい。

伊東の四季ごとの見どころ

伊東のソフトコーラル

どのシーズンも伊東のソフトコーラルは見事。ソフトコーラルを見るのにとくにおすすめなのは、ポリプが開きやすいと言われる冬〜春

四季ごとに主役が変化していくのが伊豆のダイビングの魅力。
ここでは伊東の四季の見どころを紹介する。

春の伊東の特徴:ソフトコーラルが開く魅惑のシーズン

【平均水温】16〜21℃
【平均透明度】3〜15m
5月16日から期間限定の「五島根」がオープンし、待ちわびたダイバーが一斉に集まる。
春濁りで透明度は落ちるが、その分水中の栄養が豊富でソフトコーラルのポリプが開く珍しい光景も見ることができる。美しいグリーンの景色が広がる日が続くと思えば、突如黒潮が入り込み、透明度が一気に30mを超える日も。

地元の漁師さんの協力のもと伊東ダイバーズデーというダイバーのためのお祭りも開催。
シーフードバーベキュー や水中宝探し、器材モニター会、そして期間限定ポイントも含め、1日限定ですべてのダイビングポイントがオープン。この機会に潜ったことがないポイントにもぜひチャレンジしてみてほしい。

夏の伊東の特徴:キンギョハナダイの乱舞は壮観

【平均水温】20〜25℃
【平均透明度】5〜20m
生き物たちが活発になり、水中が賑やかになる季節。「白根」の根頭では数千〜数万とも言えるキンギョハナダイが乱舞し、夕方にはドラマチックな大産卵ショーが繰り広げられる。
ソフトコーラルとの華やかなコラボレーションは「これが伊東の夏だ」と確信させる圧巻の光景だ。

7〜8月に「キューブ魚礁」が期間限定オープンし、「五島根」も9月15日まで潜れる。

秋の伊東の特徴:回遊魚のハンティングシーンは必見

【平均水温】19〜22℃
【平均透明度】8〜20m
魚影の濃さがピークに達する季節。タカベ・イサキ・キビナゴ・アジが群れ、中層一面を覆う。その群れをマグロやカンパチ、ブリなどの回遊魚のハンターたちが猛追する迫力のシーンを目撃できる。

ハナダイ各種の産卵や婚姻色が見られるのもこの時期の見どころ。ワイド派にもマクロ派にも、どちらにも見せ場が多い充実のシーズンだ。

冬の伊東の特徴:透明度最高潮の裏ベストシーズン

【平均水温】14〜19℃
【平均透明度】12〜30m
透明度が最も高くなり、流れも落ち着く伊東の裏ベストシーズン。
ソフトコーラルのポリプが開きやすい時期なので、青い海と華やかなソフトコーラルのコラボレーションをぜひ目に焼き付けてほしい。
秋にピークを迎えた魚影は冬には減少するイメージだが、伊東は潮あたりがいいため冬もイサキやキビナゴなどの見事な群れに遭遇できる。

ハナダイ各種の幼魚やはえものなどマクロも充実し、マンボウやときにはアオザメやハンマーヘッドシャーク、さらに運が良ければニタリなど大物との遭遇チャンスもある。ソフトコーラルの群生がダイバーを魅了する「扇山出し」も冬季限定オープン。

伊東の現地ダイビングサービス情報

ダイビングサービス。白いウッド調の建物
港の前にある冬に嬉しいお風呂
ダイビングサービス。白いウッド調の建物が目印。2階がテラスになっている()冬に嬉しいお風呂。港の目の前なので、下船後すぐに利用できる(

伊東のダイビングでは、「伊東ダイビングサービス」が休憩所や更衣室、タンクの貸し出しを行っている。
国道135号線沿いにあり、伊東市のダイビングスポットの中ではもっとも車でのアクセスがしやすい。

施設はガラス張りのテラスがありリゾート感満載。1階にはシャワー室と更衣室があり、女子更衣室には洗面台とドライヤーもついている。
2階はラウンジとガラス張りのテラスがあり、スーツのまま休憩できるので、強い日差しや雨、冬も寒さを凌ぐことができ快適だ。

カーテンで仕切られ、使いやすいシャワー室
オーシャンビューでリゾート感満載の休憩室
カーテンで仕切られ、使いやすいシャワー室()オーシャンビューでリゾート感満載の休憩室(

施設内はお湯と電子レンジのほかセルフドリンクコーナーがあるのもうれしい。
また、屋外には移動式船型お風呂「温丸(あったまる)」が設置され、冬のダイビングの後も冷えた体を温めることができる。

伊東ダイビングサービス
〒414-0043
静岡県伊東市新井2-4-14伊東港内
TEL.0557-38-5146

伊東のおすすめアフターダイビングスポット

ドルフィンファンタジー

イルカと遊べる体験型施設。ダイビングサービスがある港の港内にイルカを飼育する生簀が設置されていて、ふれあいやドルフィンスイム、冬季限定でドルフィンダイビングも楽しめる。フレンドリーなイルカと記念撮影も可能だ。

道の駅 伊東マリンタウン

お土産やレストラン、スパや足湯、遊覧船などがある伊東市イチの道の駅。
レストランは新鮮な魚介類を使用した海鮮料理や、プリンやソフトクリームなどのスイーツも充実。スパは海を望める大浴場やマッサージやアカスリエステなど、日頃の疲れを癒すこともできる。

伊東のまとめ

世界に誇れるソフトコーラルの群生、目の前を埋め尽くすほどの無数のキンギョハナダイ。ハンターと群れが織りなす迫力のシーン、そしてドロップオフやアーチ、穴に水路など、ダイナミックな地形。さらに期間限定や新しいポイントが加わり、何度訪れても「また来たい」と思わせてくれる。

全国のダイバーが足を運ぶ理由が伊東の海には詰まっている。

情報・写真提供
伊東の現地ダイビングショップ
DIVE FAMILY YELLOW

伊東市ダイバーズ協議会
静岡県ダイバーズ協議会の正会員として、ダイビング事故防止やマナー向上、自然保護の啓発に取り組んでいます。船舶・漁業関係者や市民、観光客と連携し、安全で秩序ある海洋レクリエーションの普及と地域発展に寄与しています。

認定NPO法人アンダーウオータースキルアップアカデミー
水難事故や災害発生時に、訓練された民間ダイバーが水際の応急対応や海に関わる支援活動を行い、地域の安全に貢献する団体。会員約80人で、潜水士資格を持つダイビング指導者を中心に救助・捜索や漁業復興支援などに取り組んでいます。

伊豆半島ジオマリンクラブ
伊豆半島の海をフィールドに活動する、ダイビングショップのプロインストラクターによる、伊豆半島ジオパーク公認の海洋ガイド団体です。各ショップには、伊豆の海を知り尽くしたジオガイドが在籍しています。伊東市のダイビングショップにも、20名を超える会員が在籍しています。

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PROFILE

デザイナーとして多忙を極めていた最中、ダイビングに出会い人生が一変。
ダイビングの素晴らしさを広めたいという想いからインストラクターの資格をとり、デザイン会社から雑誌DIVERを出版するダイバー株式会社に転職。雑誌編集や営業、イベント運営などに携わる。
現在は独立しフリーランスデザイナー、ダイビング関連の編集者・ライター、週末は伊豆の現地ショップの非常勤インストラクターなど、多岐に渡り活動中。

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