「青の洞窟」真栄田岬でダイビング・シュノーケリング客の入域制限11/8から実証実験開始

多くのダイバーやシュノーケラーが訪れる、沖縄県恩納村にある真栄田岬(まえだみさき)で、利用者の入域制限などを行う実証実験が始まった。沖縄総合事務局によるこの実験は、11月8日〜12月6日の約一ケ月間行われるという。

真栄田岬

期間中は事前に、ダイビングやシュノーケリングでの事業者を含めた利用者に届出を提出してもらう。合わせて、同時に海域を利用する人数を200名、一人当たりの利用時間を100分に制限するほか、一部の入域制限、利用ルール、利用者への事前教育を実施する。環境への負荷低減、事故防止、利用者の満足度の向上を目指し、効果検証を実施するそうだ。事務局の株式会社JTB沖縄では、施設と海域に向かう船が出港する前兼久漁港と真栄田漁港に人を配置し、利用者への協力の呼びかけと人数カウントなどを行っている。

利用ルール

利用ルール

施設入り口やエントリー口に向かう階段周辺に看板が設置されている

施設入り口やエントリー口に向かう階段周辺に看板が設置されている

この実験の背景には、オーバーツーリズムなどの問題がある。真栄田岬では「青の洞窟」の人気がここ数年高まる一方、利用客の増加により、サンゴ礁の劣化や、真栄田岬周辺活性化施設付近での渋滞や違法駐車といった問題が発生しており、持続可能性に懸念があった。

ポストコロナにおけるインバウンド観光の復活も見据え、今後は観光の量的な拡大の追求ではなく、質的な面も含めて持続可能な観光地を目指すことが課題となっている昨今。沖縄観光において最重要コンテンツの一つであるマリンレジャー有数のこのエリアをモデルに、高付加価値で持続可能な観光地をつくっていくことが狙いだ。

真栄田岬周辺にダイビングショップを構え、利用者への事前教育を行うダイビングショップの取りまとめをする稲村雅司氏は、今回の実証実験について「今まで利用ルールが確立されていなかったことが過剰利用を引き起こし、その代償として周辺道路での渋滞や違法駐車など、地域住民への負担にも繋がってきたのだと思います。また、海洋環境への負荷も大きくなりました。環境に配慮した利用方法と共に、管理体制の構築が今後の課題かと思います。実証事業の中には恩納村で導入しているグリーンフィンズの行動指針の周知が含まれており、環境に配慮したダイビングやシュノーケリングの楽しみ方も利用者に促進できると思います。検証事業を皮切りに環境に配慮した恩納村ブランドとして持続可能な観光の有り方を確立していくことを期待します。」という。

美しい海をいつまでも楽しんでいけるよう、真栄田岬、ひいてはそれをモデルに他のエリアが持続可能なダイビングエリアになることを願い、改めて私たちの普段のダイビングスタイルを見直していきたい。

▶︎真栄田岬公式ホームページ

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