ガイコツパンダホヤが新種だと判明! 学名も“骨のパンダ”に!?
パンダと骸骨にそっくりな不思議な生き物「ガイコツパンダホヤ」が、新種であることが北海道大学大学院より発表された。新種だと発見したのは理学院博士後期課程3年の長谷川尚弘氏で、なんとSNSの情報が発見の契機となったという。
ガイコツパンダホヤとは?
ガイコツパンダホヤは沖縄県久米島の海域で多くみられるホヤ。2017年頃、久米島のダイビングショップのウェブサイトで紹介されたのをきっかけに、その見た目からガイコツパンダホヤの名前で親しまれてきた。主にTwitter(現X)で話題となり、テレビ番組でも取り上げられるほどの人気を博している。
北海道大学の研究により
その正体があきらかに
ホヤの仲間は全世界で約3,000種、日本国内では約300種が知られているが、ガイコツパンダホヤの正体はこれまで謎に包まれていた。長谷川氏と指導員である柁原宏教授は、2021年3月に久米島海域でスキューバダイビングでの調査を行い、ガイコツパンダホヤの採取に成功。そこから解剖や系統解析を実施した結果、ガイコツパンダホヤはツツボヤ科(Clavelinidae)、ツツボヤ属(Clavelina)に属する新種であることが明らかになった。
新種の名前は、ラテン語で「骨の」を意味するossisと、「パンダの」を意味するpandaeを組み合わせたClavelina ossipandaeと名付けられた。
新種発見はSNSがきっかけに?
長谷川氏によると、SNSやメディアによる情報が研究者に届けられた結果、新種の発見に繋がったことは特筆すべき点だという。つまり、誰もが新種の発見者になれる可能性があるということだ。一方でSNS上での生物情報は、乱獲や生息地の破壊につながる恐れもあると警鐘を鳴らしている。生物多様性の保全に努めながら、地道にそこに棲む生き物たちの生物多様性を解き明かしていく必要性があるのだ。
さらに、この研究は、学術系クラウドファンディングやJST次世代研究者挑戦的研究プログラムの支援を受けて行われた。ガイコツパンダホヤの新種認定は、研究者とダイバーをはじめとする一般市民が協力することの大切さを示す一つの例であり、今後の研究に大きな期待が寄せられている。
\変なホヤ、珍しいホヤを見つけたら長谷川氏までご連絡を→長谷川氏Xアカウント:@hoyahoy11532152/