スキンダイビングにライセンスは必要?初心者必見の完全ガイド

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海の青さを全身で感じ、水中世界をもっと自由に泳ぎ回りたい。そんな願いを叶える鍵は、スキンダイビングのライセンスの取得にあるかもしれない。スキンダイビングは、シュノーケルとマスクとフィンを使って手軽に始められるアクティビティ。しかし、より安全に楽しみ、スキルを向上させるには適切な知識と練習が必要になってくる。ここでは、スキンダイビングの魅力からライセンス取得のメリット、さらに具体的な取得プロセスまでを詳しく解説。特にスキンダイビングの初心者は必見!

スキンダイビングって何?

スキンダイビングは、酸素ボンベやレギュレータといったスキューバダイビングの呼吸器材を使わずに素潜りで水中世界を探検するアクティビティ。自分の肺の空気だけを頼りに、息継ぎをせずに自分の息が続く限り水中に潜り泳ぐもの。水中での自由度が高く、気軽に始めることができるため、幅広い層から人気がある。素潜りをしながら、サンゴ礁や色とりどりの魚を間近で観察できるのは、スキンダイビングならではの魅力。海や水中の美しさを直接体感する素晴らしい方法であり、水中の世界への理解を深めたい人には特におすすめ。

スキンダイビングとシュノーケリングの違い

シュノーケリングも、酸素ボンベやレギュレータといったスキューバダイビングの呼吸器材器材を使わずに水中を楽しむアクティビティだが、スキンダイビングとはいくつかの違いがある。シュノーケリングは、顔を水につけてシュノーケルで呼吸をしながら水面で海を観察する。これに対して、スキンダイビングは水中に潜ることを前提としており、息を止めてより深い場所まで潜って水中の世界を探検する。スキンダイビングは、シュノーケリングより技術と体力が求められるため、シュノーケリングから一歩進んだアクティビティと言える。

スキンダイビングとフリーダイビングの違いは?

呼吸器具を使用せずに水中世界を探検するアクティビティにもうひとつ、フリーダイビングがある。レクリエーション目的で家族や友人と気軽に行われることが多いスキンダイビングに対して、フリーダイビングは、競技としての側面が強く、潜る深さや息を止められる時間を競う国内・世界大会なども行われている。スキンダイビングで学ばない潜水前の特別な呼吸法で、肺を最大限に活用し、水中へと潜り込み、潜る深さ、水中での滞在時間、心拍数の管理をするスキルが求められる。興味や求める体験に応じて、スキンダイビングかフリーダイビングのどちらに挑戦してみるか決めるのがいいだろう。

スキンダイビングのライセンス(Cカード)は取得した方がいいの?
そのメリットと必要性

では、ここから本題に入っていこう。まず、「ライセンス」という言葉について触れておきたい。実は私たちが講習を受けて取得するのは「ライセンス」ではなく、「Cカード」というもの。これはCertification Cardの略で、証明書の意味だ。つまり、ダイビングの指導団体が定めた講習を修了した後に、「この人はスキンダイビングの知識とスキルを身につけました」ということを“証明”してくれるカード。
このことを踏まえると、ライセンスを取得していないからといってスキンダイビングができないわけではない。では、なぜダイビング指導団体が発行するスキンダイビングのライセンスがあるのだろう?

メリット①安全面

ライセンスを取得する過程で学ぶ、さまざまな水中環境での安全対策や緊急時の対処法は、もしものときに冷静に対応できるようにするためのもの。たとえば、潜水中に耳抜きがうまくいかなかったり、装備に何らかのトラブルが起こった場合でも、ライセンス取得者は学んだ知識と技術を活かして、パニックに陥ることなく問題を解決できる可能性が高くなる。

メリット②スキルアップ

プロのインストラクターから効率的な泳ぎ方や、水中での長時間滞在に必要なテクニックを学び、習得することができ、よりスキンダイビングを楽しむことができるようになる。仮に我流でスキンダイビングを始めた場合、自分の改善点や課題に気付きづらく、スキルアップが遅くなりがち。経験や知識が豊富なインストラクターから基礎からしっかり学ぶことによって、上達スピードも早くなるといえる。

メリット③スキンダイビングの幅が広がる

近年、安全上の観点からドルフィンスイムやホエールスイム、ボートに乗ってスキンダイビングポイントに行く際などにこのライセンスの提示が求められるようになってきている。つまりライセンスを取得することで、楽しめる海の幅が広がるということでもあるのだ。

メリット④スキューバダイビングへの道にもなる

スキンダイビングのライセンスを取得することは、スキューバダイビングに挑戦するための、出発点ともなりうる。スキンダイビングで習得する水中での移動方法、呼吸のコントロール、中性浮力(水中で浮も沈みもしない状態)の感覚などは、スキューバダイビングを安全に楽しむための重要な基本スキル。実際に、スキンダイビングで潜水技術を磨いたダイバーは、スキューバダイビングのライセンス取得コースに参加する際、圧力の変化への適応や水中での方向感覚などに既に慣れているため、講習をスムーズに進めることができる。

スキンダイビングのライセンス取得のプロセス

スキンダイビングのライセンス取得は、水中での冒険をより安全に楽しむための第一歩。まず、適切なダイビングショップを選び、基本的な要件を確認することが大切。実際の講習では、器材の使い方から泳ぎ方、安全に関する知識まで幅広く学んでいく。

スキンダイビングのライセンスの例(BSAC)

スキンダイビングのライセンスの例(BSAC)

ダイビングショップの選択

スキンダイビングのライセンスを取得する過程で最も重要な要素のひとつが、どのダイビングショップを選択するか。スキンダイビングのライセンスを発行する指導団体はいくつかあるため、指導団体で悩む方もいるが、それよりも、自分が楽しく講習を受けられて、信頼できるようなダイビングショップの雰囲気や対応を重視して選ぶのがいいだろう。たとえば口コミや評判などを参考にしたり、無料の説明会などに参加してみてもいいかもしれない。

スキンダイビングのライセンスを発行している主な指導団体と参加要件

現在国内でスキンダイビングのライセンスを発行している主な指導団体は以下の通り。各指導団体によって発行されるライセンスの名称も若干異なるが、学ぶ内容に大きな違いはない。またスキンダイビングのライセンスを取得するには、一定の年齢や健康状態が求められるので、特にお子さまが受講する際にはチェックしておこう。

■PADI「アドヴァンスド・スノーケラー(スキン・ダイバー)」
※参加要件:年齢8歳以上
PADIは本部をアメリカ・カリフォルニアに置き、日本をはじめ世界に7ヶ所のエリアオフィスを配置。1966年設立以来数多くのダイバーを育成し、今では代表的なダイビング指導団体となった。

■NAUI「スキンダイバー」
※参加要件:年齢 12 歳以上(ジュニアスキンダイバーについては 8 歳から 11 歳も参加可能)
NAUIは、1960年に世界で初めて民間のダイビング指導員組織としてアメリカで誕生。個人個人の年齢や体格、能力などに合った指導をするのが特徴。

■BSAC「スキンダイバー」
※参加要件:年齢8歳以上
「BSAC」とは、The British Sub Aqua Clubの略称で、1953年に英国のロンドンで設立。「安全最優先」というポリシーのもとに講習が構築されているのが特徴。

■AA(アプネアアカデミー)「スキンダイバー」
※参加要件:年齢12歳以上
世界的なフリーダイバーが主宰する、イタリアで設立されたアプネア・アカデミーの正式な姉妹校として発足した東洋初のフリーダイビング指導団体。

学習コースと試験の流れ

学科講習で知識を身につける

学科講習で知識を身につける

プール・海洋講習で実際にスキルの練習をする

プール・海洋講習で実際にスキルの練習をする

どの指導団体を選んだとしても、スキンダイビングのライセンスを取得するための講習は基本的に、学科講習とプール・海洋講習で構成される。この講習を通じて、水中での安全確保や必要なスキル及び知識を習得することが目的だ。

水中では正しい知識と技術を持っていないと、危険な状況に陥った時に冷静に対応ができない可能性がある。たとえばPADIやNAUIが提供する講習では、基本的なフローティング技術から始まり、マスククリア(マスクに入った水を取り除くスキル)、緊急時の対処法など、広範な技術を学ぶことができるのだ。

ライセンス取得後

スキンダイビングライセンスを取得した後は、そのライセンスを活かして経験を積むことが大切。まずは、実際のスキンダイビングに積極的に参加し、海の中の豊かな体験を通じて学んだスキルを現場で試してみよう。継続的にスキルアップのためのダイビングショップなどが企画するトレーニングに参加してもいいだろう。

ライセンス取得後さらなる冒険に向けて

国内外のおすすめスキンダイビングスポット

日本国内では、沖縄県の石垣島や宮古島がその透明度の高さと豊富な海洋生物の多さからスキンダイバーに人気のスポット。関東圏であれば、伊豆半島にもスキンダイビングができるポイントが多くあるのでおすすめ。

関東周辺のスキンダイビング練習におすすめの海24選!ダイビングショップに聞きました

もちろん海外にもオーストラリア、タイ、バリ島、サイパン、パラオ、モルディブ、フィリピン、ロタ島、グアム、ハワイなどなど、魅力的なスキンダイビングポイントはたくさんある。せっかくなら国内でスキンダイビングのスキルを磨いてから海外に行ってみるのがいいかもしれない。

また、国内外問わず、土地勘がない場所でのスキンダイビングはダイビングショップなどのツアーに参加するのが安心。その海をよく知っているガイドが、サンゴか綺麗な場所や魚が多い場所を紹介してくれるのはもちろんのこと、潮の流れや波の高さなども考慮して安全管理を行ってくれるので安心してスキンダイビングを楽しむことができる。

ライセンス取得後のレベルアップ

ライセンスを取得した後も、ぜひレベルアップを目指してみよう。たとえばより深く、長く潜れるようになりたいと思う場合には、フリーダイビングのライセンス取得を考えてみてもいいかもしれない。スキンダイビングのライセンス講習では習わない、潜る前の呼吸法や無呼吸時の体の動きなどを詳しく学ぶことができる。新たなスキルを学び、さらに高度なダイビングスキルを身につけることで、より充実したダイビングライフを送ることができるはず。

ここでご紹介したライセンス取得は、スキンダイビングをより安全に楽しんでもらうための手段。ぜひライセンスの取得も検討し、美しい青い海を自由に泳ぐことができる魅力的なアクティビティを思い切り楽しもう♪

【オーシャナのスキンダイビングレッスンの紹介】

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PROFILE
0歳~22歳まで水泳に没頭し、日本選手権入賞や国際大会出場。新卒で電子部品メーカー(広報室)に入社。同時にダイビングも始める。次第に海やダイビングに対しての想いが強くなりすぎたため、2021年にオーシャナに転職。ライターとして、全国各地の海へ取材に行く傍ら、フリーダイビングにゼロから挑戦。1年で日本代表となり世界選手権に出場。現在はスキンダイビングインストラクターとしてマリンアクティビティツアーやスキンダイビングレッスンを開催。
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