ドリフトダイビングは本当に「同じくらいの難易度」なのか
先日、行ったアンケート「ドリフトダイビングは難しい?むしろ楽?」の結果がこちらです。
ドリフトダイビングは通常の一般的なボートダイビングより難易度が高いと思いますか?
- その他 (9%, 45 Votes)
- むしろ難易度は低い (13%, 65 Votes)
- おおよそ同じくらいの難易度 (42%, 217 Votes)
- 難易度が高い (37%, 191 Votes)
Total Voters: 518
厳密に言えば、コメント欄にもあるように、一概には言えないということになるのでしょう。
環境にもよりますし、逆にダイバーのスキルや準備によっても難易度は異なってきます。
まあ、こういう質問は、最終的には個別事情によるって話になってしまうのですが、相対的なイメージというとらえ方をした時に、「同じくらいの難易度」という答えが一番多かったことには、正直、驚きました。
自分自身が「ドリフトダイビング=難易度が上がる」と当たり前のように認識していたからです。
ドリフトダイビングだと知れば身構えますし、実際に通常より疲れます。
ドリフトが続くと、おもしろいけど大変なので、「のんびり湾内に潜りたい…」みたいなテンションになることも。
なぜ、「同じくらいの難易度」が多かったのかを想像すると、先述したように一概には言えないということや「どんなダイビングでも、そのダイビングなりのリスクがある」とか「ドリフトダイビングだから難易度が高いというのは偏見」「準備をしてさえいれば難なく潜れる」といった、“心構え”のようなものの表れもあるのかもしれません。
しかし、率直に、流れている海に飛び込んで、“流される”って、結構、ただ事ではないことだという感覚があるのですが、どうなんでしょ。
一方向に限定された巨大な力に対応するには結構労力を使います。
エントリーやエグジットなど、静から動、あるいは動から静への移動点は特に緊張するし疲れます。
しかもバディやグループとまとまって、動きを合わせて行動するのでなおさらです。
エクジット後の船上で、「ふ~、やれやれ」なんてことは、体験上、少なくありません。
ましてや、方向からはずれたり、逆らうことがあれば、その修正はとてつもなく大変で、想像するだけでドキドキします。
自分の意志で動けない分、緊急事態に対する備えは、より重要になってくるのは明らかでしょう。
「泳がずに、中性浮力で流れに乗っていればむしろ楽」なんて言う人もいますが、確かにただA地点からB地点に移動するには速いかもしれませんが、流れに合わせて水中姿勢を整えるのに意外と労力を使っていますし、なんだかんだで、流れに逆らわねばならない場面もちょくちょくあります。
よく流れるプールを例えに出して、「ほら、楽でしょ?」ということがありますが、自分の意志で落ち着いて行動できる普通の25mプールで泳いでいる方が気持ちも体もずっと楽です。
バリのダイビング事故で、ドリフトダイビングが一般メディアにとりあげられたとき、「ドリフトダイビング=怖い」は誤解だと言うダイバーも多かったのですが、僕は率直に怖いと思っています。
とはいうものの“怖い”の意味が誤解を与えてしまうことも事実ですが、だからと言って、「ドリフトは流れに乗れるからむしろ楽」は、もっと誤解があると思います。
このアンケートはいろいろな解釈ができてしまうのですが、少なくとも、ドリフトダイビングはいつも以上に準備が必要になることは確か。
その分、準備さえしっかりすればとっても面白いんですけどね。