交換時期はいつ?ホースカバーって無駄!?知っておきたいレギュレーターホース基礎知識

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ホースの内側がどんな風になっているか、ご覧になったことはありますか?
金太郎飴のように切ってみたら、ホースの断面はこんな風になっています。

■LP(中圧)ホースの内部構造

・LPホースのエアー取込口

ホース内部(提供:高尾珠実)

・中圧ホース

ホース内部(提供:高尾珠実)

別名:LP(ロープレッシャー)ホース
用途:レギュレーター、オクトパス、BCインフレーター、ドライスーツ用
構造:ゴム・生地・ゴムの3層

■HP(高圧)ホースの内部構造

・HPホースのエアー取込口

ホース内部(提供:高尾珠実)

・高圧ホース

ホース内部(提供:高尾珠実)

別名:HP(ハイプレッシャー)ホース
用途:ゲージ用
構造:ゴム・生地・ゴム・生地・ゴムの5層

高圧ホースは高い圧力の空気が通るため、より丈夫にする必要があり、層が多めに作られています。
そして空気の入口は、針も通らないほど小さい穴になっています。

両ホースともに、

■空気を止めるのは、一番内側のゴム層
■膨らみを防止しているのが、生地層
■紫外線や外傷等からの保護の役目が、一番外側のゴム層

よって、器材本来の性能からいえば、このようにメッシュのカバー(画像の青いカバー)やスパイラルカバーを巻く必要はありません。

ホース内部(提供:高尾珠実)

カバーの上に、更にカバーをしていることになるのです。

自分の器材であるという目印の意味合いで巻いている、ということもあるかと思いますが、
画像のようにビニールテープを巻くことはやめてください。

ゴムに、塩化ビニールという異質素材のテープを巻きつけていると、化学変化を起こして、ホースにべたつきがでます(ホースを傷める原因になっています)。

それからホースは、劣化していく部品ですので、いずれは交換しなければなりませんが、いつ交換すればよいのかご存知でしょうか?

日本スクーバ協会および各メーカーの方より、ご購入2~5年の期間内に定期的なホース交換が推奨されています。
また、下記のような「危険兆候」が見られた場合は年数に関わらず、ホース交換をされてからダイビングを行ってください。

■ホースの経年劣化および危険兆候参考例

ホースの経年劣化および危険兆候参考例(提供:高尾珠実)

ひとつご注意いただきたいのは、ラバー製のホースは外的兆候が表れやすいですが、ウレタン製のホースは兆候が表れず、突如破裂することがあります。
水中で引っ張って脱落したケースも。

ボート上でパーン、って大きな音が鳴ってホースが破裂した、という光景を目にしたことはありませんか?
ウレタンホースではよくあることです。

詳しくはインストラクター・販売店にお尋ねいただき、ぜひ安全に器材をご使用ください。

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PROFILE
大学在学中、グアムで体験ダイビングをしたのを機にライセンスを取り、卒業と同時にダイビングの会社に就職。
その後、数店舗の都市型ダイビングショップで、スクールや器材販売、ツアーの企画・引率をし、2000年にインストラクターに。

数メーカーのメンテナンス講習を受けた後、ダイビング器材オーバーホール専門店「アイバディ」に10年間勤務。
現在はフリーインストラクターとして活動する傍ら、ダイビング器材・オーバーホールについて執筆活動中。

「器材の中身は見えない。だから伝えねばならない」がモットー。

ダイビング器材の中身は見えない。だから伝えねばならない~オーバーホールの現場から~ | オーシャナ
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