レギュレーターから海水が入ってくる、意外な原因とは?

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宮古島・南海岸「七又アーチ」(撮影:越智隆治)

「水中で呼吸をしたら、レギュレーターから海水が入ってきた」

こんな経験をした方、決して多くはないはずですが、周りに一人くらいはいるかもしれません。

セカンドステージの部品が原因であることはもちろんありますが、意外に盲点なのが、マウスピースを取り付けるストラップの取り付け不備。

マウスピースの取付けは簡単にできるため、ご自身でされる方も多いのですが、オーバーホールでお預かりした器材で、マウスピースが適切に取り付けできていないものを時折見かけます。

よくあるのが、再利用できるクリップタイプのもの。

マウスピース(提供:高尾珠実)

 

取り付けされているのですが、マウスピースとクリップがメーカー違いであるため、径が合っておらず、隙間ができてしまっているケースです。

見た目にはわからず、取り付けできているように思ってしまいがちですが、わずかでも隙間ができていれば、水中で呼吸したときに海水が入ってくる(エアーに海水が混じる)ことがあります。

常時ではなくても、顔を勢いよく振ったときなど。
非常に危険です。

クリップタイプのマウスピース留めは、必ず純正のマウスピースに使ってください。

それから次に多いのが、歯型成型タイプのマウスピースの取付け不全。

マウスピース(提供:高尾珠実)

 

レギュレーターのマウスピース取り付け口とマウスピースの取り付け口の径が合っていない場合、マウスピース側に熱をくわえて成型し、締付バンドで留めなければ隙間ができてしまいます。

ゴムのマウスピースとは違って、締付バンドでいくら締めても、硬い素材ですので完全にシールすることは不可能です。

商品と自身の器材の相性を理解せずに使用すると、知らないうちにこのようなリスクが生じていることもあります。

水中で安全に呼吸できることは、ダイビングをする上で必要不可欠なこと。

販売店やインストラクターに取付してもらう、またご自身でされる場合は、説明を聞いて適切に取り付けされるようになさってください。

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PROFILE
大学在学中、グアムで体験ダイビングをしたのを機にライセンスを取り、卒業と同時にダイビングの会社に就職。
その後、数店舗の都市型ダイビングショップで、スクールや器材販売、ツアーの企画・引率をし、2000年にインストラクターに。

数メーカーのメンテナンス講習を受けた後、ダイビング器材オーバーホール専門店「アイバディ」に10年間勤務。
現在はフリーインストラクターとして活動する傍ら、ダイビング器材・オーバーホールについて執筆活動中。

「器材の中身は見えない。だから伝えねばならない」がモットー。

ダイビング器材の中身は見えない。だから伝えねばならない~オーバーホールの現場から~ | オーシャナ
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