レギュレーターから息を吐くことができない!? ~理由と対処法~

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今日は、よくある、現地でなりうる器材トラブルとその対処法をひとつご紹介します。

「吐くことができないレギュレーター」

器材をセッティングして、レギュレーターをくわえて吸ってみたとき、息を吸うことができても吐くことができない、という不具合が起こることがあります。

どんなときに起こるの?

レギュレーターをきちんと洗っていなかったり、長い間使用せずに保管していた後、器材を使おうとした際に起こりがちです。

器材はどうなっているの?

排気弁(エグゾーストバルブ)がセカンドステージのケース本体に、貼り付いてしまっている状態です。

オーバーホール

通常、ダイバーが息を吐くと、排気弁が浮き上がって排気されるのですが、貼り付いてしまったがために、空気が排出されない!!というケースです。

処置の方法は?

排気弁が剥がれれば解決する問題なので、処置はシンプルです。

セカンドステージを水に浸す、また排気弁の淵に向って流れるように優しく流水をかけると剥がれます。

それでも剥がれない場合は、インストラクターに相談し、排気カバー(エグゾーストティー)をはずし、直接排気弁の淵をそっと指でなぞるように優しく剥がすといいでしょう。

緊急時は、レギュレータークリアの要領で、勢いよく息を吐けば剥がれる場合もありますが、汚れがひどく、ケースに癒着していたら、無理に勢いよく剥がそうとすることで排気弁が傷ついてしまう可能性もあります。

できるだけ、水を用いて優しく丁寧に処置を行いましょう。

排気弁の交換時期はいつ?

一部メーカーのオーバーホール基本パーツキットには排気弁が含まれていますが、一般的には、排気弁に変形が見られたり、切れや破れが生じたり、ケースと排気弁の隙間ができないようにきっちりシールすることができなくなったときが交換時期になります。

オーバーホール

癒着して空気が吐けないのとは逆に、シール性が弱くなった場合は、レギュレーターのケース内部に海水が入ってきて、呼吸する際に空気に水気を取り込んでしまって危険です。

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定期的なオーバーホールを心がけて、未然にトラブルを防ぐようにしましょう。

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PROFILE
大学在学中、グアムで体験ダイビングをしたのを機にライセンスを取り、卒業と同時にダイビングの会社に就職。
その後、数店舗の都市型ダイビングショップで、スクールや器材販売、ツアーの企画・引率をし、2000年にインストラクターに。

数メーカーのメンテナンス講習を受けた後、ダイビング器材オーバーホール専門店「アイバディ」に10年間勤務。
現在はフリーインストラクターとして活動する傍ら、ダイビング器材・オーバーホールについて執筆活動中。

「器材の中身は見えない。だから伝えねばならない」がモットー。

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