夏限定ダイバーは卒業します! ドライスーツのお悩み解決〜ありがちな10の疑問に回答します〜
ドライスーツへの苦手意識を打破
教えて!ワールドダイブさん
少しずつ気温も下がり、夏の終わりが近づいてきましたね。
「夏も終わったし、そろそろ今年のダイビングも潜り納めかな〜」
なーんて、言っちゃっているアナタ、ちょっと待ってください。
潜り納めるなんてもったいない!
だって、本当のダイビングのベストシーズンは今からですよ〜!
伊豆や紀伊など本州のポイントは水温が下がることで、透明度がググーンと上がります。透明度20mオーバーのスコーンと抜けた青い海が日帰りで楽しめるなんて最高でしょ。
でも、はい、言いたいことは分かりますよ……。
ドライスーツに苦手意識があると。
ドライスーツを着たことがないから不安だと。
分かりました。
そんなドライスーツの壁にぶち当たっているアナタのために、今回、オーシャナ編集部がダイビングの総合スーツメーカー「ワールドダイブ」の担当者の方にドライスーツのお悩みについて聞いてきました!
(以下、ありがちなお悩みと各お悩みに対するワールドダイブさんからの回答です)
ドライスーツのお悩み①
「締め付けが苦しいんです……」
基本的には“慣れ”と捉えるべし
「着脱のタイミング」と「水面での空気の排気」がポイント!
ドライスーツのよく聞くストレスがコレですね。
ドライスーツのサイズが合っているという前提になりますが、基本的には「慣れ」です。着ていくことで、自分の体のサイズになじんできます。
レンタルの場合は、サイズが合っていないことが多いものです。
サイズがきついと締め付けをより感じやすかったり、ゆるいと水が入ってきたり。まずはマイサイズのマイドライが一番になります。
それと、ドライスーツの締め付け感は「首」が一番感じやすいのですが、首が苦しいのは「陸」と「水面」のみで、ダイビング中は苦しくないという方が多いのではないでしょうか?
水中ではスーツの生地に入っている気泡が圧力で小さくなるので、それに伴い締め付け感も少なくなると考えられます。
なので、脱ぎ着するタイミングを考えて陸上で着用する時間を短くしたり、水面でスーツ内に空気がたまらないようにしっかり抜いたり、そういった工夫をすることで解決されるかと思います。
それでも苦しいという方は、ドライスーツを作成する段階で、首回りを少しゆるく作成し、潜るときはネックバンドを巻いたり、フードを被ったりして補うということもできます。
もっと簡単に楽にするなら、生地の「素材」を変えちゃうことですね。
もとから締め付けの少ない生地で補うということも可能です。
しかし、やはり慣れというのは非常に重要になります。
日常生活で首を絞められている状態の人ってなかなかいませんからね(笑)。
ワールドダイブでは、首の締め付け感を感じやすい方のために「SCDネック」というやわらかい素材を準備している。
女性専用モデルには標準装備。
ドライスーツのお悩み②
「急浮上が怖いんです……」
空気を抜く技術の習得が必要
ドライスーツ内の空気の動きを読み取るのだ!
ドライスーツの中にたまった空気が抜き切れずに急浮上。
これを一回経験したダイバーは、トラウマにもなりかねません。
しかし、解決法は簡単!
「空気を抜く」ということをしっかりと教わることです。
水中で「スーツのなかの空気が今どこにあるか」を理解できるようになること。
とくに、足のつま先の空気なんかは抜けていないことに気づきにくく、急浮上の原因になることが多いです。
ポイントは抜くときの「姿勢」。
膝を曲げずに、フィンがやや下になるような姿勢で泳ぐと、常につま先にスクイズを感じて泳ぐことができます。
その状態でスーツ内の空気がどこにあるか感じられるようになると、その空気が姿勢を変えることでどこに動いていくかも感じられるようになります。
足のつま先の空気も、姿勢を変えれば上半身に上がってくるので簡単に抜けます。
背中に空気がたまってくる感覚さえ掴んでしまえば、すぐに習得できますよ〜。
あとは、空気を抜くことをより効率的に行うにはバルブを増やすことですね。
リストバルブは手首の少し上部分に付いたバルブで、軽く上げるだけで簡単に空気が抜ける排気システムだ。
「足の空気が抜けづらいなら足にフットバルブをつければいいのでは?」と思うかもしれないが、ワールドダイブには「フットバルブはつけない」というこだわりがある。
それは、フットバルブは抜きたくない空気まで足から抜けてしまい、必要以上に空気を排気させてしまい保温力の低下にもつながりかねないから。
しかも、左右のブーツに水漏れのリスクを増やすことにもなるからだ。
ダイビング中にバルブのON-OFFの操作をするために、足首にあるバルブを触るのも、なかなか難しい動作だろう。抜きたい・抜きたくないときにコントロールがしにくいことが考えられる。
もちろん、メリットもあるけれどデメリットの多さを考えたときに、ワールドダイブは「ない」方を選択した。
リストバルブは手元でON-OFFの操作もできるうえ、手首を上に上げるだけでOK。
ドライスーツに不慣れな人でも、水中で簡単に空気を抜く動作がしやすい。
また、空気が抜けているところを目視でも確認しやすい利点もある。
「足首」よりは「手首」ということでリストバルブを推奨しているのだ!
ドライスーツのお悩み③
「トイレに行きたいのにすぐいけない!」
バディとコミュニケーションを!
あとは……スーツの進化を待つのだ……
えっと、水分コントロールを上手にしましょう(笑)。
それでも頻尿の方もいるかと思いますので、バディサインを決めてしっかりバディとコミュニケーションをとって、リスクヘッジしていくのがいいでしょう。
「どう?」「まだ大丈夫!」などなど。
最終的にオムツ着用もありです。
また、テクニカルダイビングでは、男性が着用したまま用を足せる「Pバルブ」というものも広く使われています。
かなり長いダイビングをすることも多い、テクニカルダイビングならではの工夫です。
一方で、この問題に関しては、「ドライスーツの着脱性」の充実化も求められますよね。
もっとドライスーツの脱ぎ着がスムーズにできればというのは、我々ダイビング スーツメーカーのこれからの大きな課題の一つです!
ドライスーツのお悩み④
「操作が難しそうでできる自信がない……」
「BCD」と「ドライスーツ」両方操作ではなく
メインの操作は1つで充分!
こちらもよく耳にするドライスーツのストレスの一つですね。
ドライスーツもBCDと同じく、浮力体なので浮力調節という作業が必要です。
初心者ダイバーからしてみると「BCDの操作でもまだ大変なのに、まだもう一つしなきゃなの?」というところですよね。
確かに、その通り。でも、考え方を変えれば簡単です。
慣れてないうちは、ドライスーツは「操作をする」というよりは「締め付け解除」という作業だけにすればいいのです。
締め付けがきたときのみ、必要な分だけ空気を入れる。
そして、②でもお伝えしたようにドライスーツの空気が今どこにあるかを意識できれば、浮上する前にその空気を抜いてしまって、浮力調節はBCDのみにしてしまうのも手です。
一方、ドライスーツの浮力調節に慣れてきたら、逆に、ドライスーツで中性浮力を取り、BCDは補助的な役割にしてしまうという選択もできるようになります。
そうすると、操作はドライスーツのみとなり、さらに簡単になります。
ドライスーツのお悩み⑤
「体が動かしにくいんです!」
ためらわずにドライスーツに空気を入れるべし!
「入れる」抵抗をなくすには「抜く」技術が必要
大きすぎるドライスーツはスクイズが強すぎたり、逆に小さすぎれば窮屈で動きにくいものです。
そもそもサイズが合ってないことがこうした問題の原因となるので、自分のサイズに合ったフルオーダーのドライスーツを着用すれば改善されるでしょう。
あとは、ドライスーツ内のエア不足ですね。
急浮上が怖くてドライスーツの空気を入れることを怠ると、ドライスーツのスクイズで体を締め付け、身動きがしづらくなります。
空気を「抜く」という作業に抵抗がなくなれば「入れる」という作業がもっと楽にできるようになります。
②で伝えたように、空気を抜く技術を習得しましょう!
それでも動きづらいという人は、シェルドライスーツという選択もあります。生地が軽いため、陸上ではかなり軽快に動くことができます。
ただし、このスーツは生地自体に伸縮性がなく、その分だけスーツを大きく作る必要があります。
その影響で水中ではスクイズが強くかかります。
また、生地が薄いため、ネオプレンと違い保温力がありません。
なので、それらの問題を解消するために、専用の分厚いインナー着用して保温力を確保しつつ、水中ではしっかり空気を入れてスクイズを緩和してあげると快適にダイビングができます。
空気をしっかり入れないとネオプレンよりも強くスクイズがかかるので、特性を理解して使うことが大切です。
ドライスーツのお悩み⑥
「手首とか首がすぐ破けてしまうんですけど……」
ドライスーツに優しくあれ!
脱ぐときはバディで協力を……
これは、脱ぎ方の問題ですね。
爪を立てたり、生地を無理に引っ張ったり……。そんなことをしたら、どんな生地でも破けます。
無理に一人で脱ぐと脱ぎ方が雑になりやすいので、無理せずにバディに袖口を広げて脱ぐのが一番負担なく脱げます!
こちらもスーツの素材で、ある程度補うことも可能です。
ワールドダイブのドライスーツは、手首の内側の表面にウレタン樹脂をコーティングしてあるので滑りやすく脱ぎやすいのだ!
しかも、「ユーザーサポート」という保証制度があり、首、手首のシール部分をうっかり破いて交換が必要な場合や、スーツ本体のピンホール修理などが無償となる。
ユーザー登録をするだけで製造から2年間保証適用されるので、安心だ。
▶︎ワールドダイブ AFTER SERVICE
ドライスーツのお悩み⑦
「値段が高くて手がだせない!」
スーツ作りのほとんどは手作業
1年のほとんどを使用すると思ったら意外とリーズナブル?
スーツ作りはほとんど手作業で行っていて、材料も手間もかかります。
こちらの映像でフルオーダースーツが作られる工程を見られるのですが、見たら納得してもらえるかと……。
こうやって手間も時間もかけて、質の高いドライスーツが作られていきます。
価格もそれなりのものになってしまいます。
ただ、ドライスーツを使うシーズンって気温と水温と体調などを考えれば、関東でいうと実際9〜11ヶ月ぐらいあります。
そう考えれば、高い買い物ではないはずです!
ドライスーツのお悩み⑧
「浸水が怖いんです……」
首の動きに注意すべし!
浸水する人は動き方を見直そう
「浸水する動き」をしているからという場合が多いですね。下を向くとか。
浸水は首が多いのですが、首だけを大きく動かすと首の筋の隙間ができ、そこから浸水します。
ゆっくりと体ごと動かすようにしましょう。慣れるとどこまで首を曲げたら、また、どんな動きをしたら水が入ってくるかが分かってくるので、水漏れせずにダイビングができます!
ワールドダイブは首の形をかなり研究している。
トライ&エラーを繰り返して今の形になっていて、より浸水しにくい首の形を作り上げているのだ!
ドライスーツのお悩み⑨
「お手入れが大変そう……」
要領よくすれば意外に簡単♪
ダイビング後のお手入れは3つのみ
決して安いお買い物ではないので、なるべく修理費も抑えたいですよね。
だから、お手入れも大変なのでは?というイメージがあると思いますが、要領よく行えば、じつはそこまで手間がかからないのです。
ダイビング後に以下の【3ステップ】を行なってください。
1:海からあがったら、スーツを着たままシャワーを浴びる。
これでスーツ表面の海水をしっかり洗い流します。バルブとファスナーもしっかり洗ってくださいね。
2:スーツを脱いだら裏返しにして、そのままの状態で5~10分ほど干し、表返して干しておく。
スーツの中は密閉状態で潜っているので意外に蒸れているもの。その水分をしっかり飛ばしてあげましょう。
3、ファスナーに潤滑剤(ワックス)を塗る。
スーツを買った際に一緒についてくるパラフィンワックスなどの潤滑剤を使用しましょう。
以上のことができていれば問題ありません。
意外に簡単でしょう?
ドライスーツのお悩み⑩
「管理が難しそう……」
スーツの弱点を把握すべし!
「運搬」と「保管」に注意
せっかくお手入れしたスーツも、管理方法がずさんだと台なし。
注意しなければいけないのは「運搬」と「保管」です。
ただ、こちらも重要ポイントだけしっかり抑えていれば簡単です。
・運搬時は必ずファスナーを閉める。
開いたファスナーに負荷がかかってしまうと、ファスナーが破損する恐れがあります。
・床にブーツがついている状態でハンガーにかけて保管。
ドライスーツの重さは5kgほどあるので、宙に浮いていると肩の部分にスーツの重さが全てかかり、その部分の気泡がへたってしまいます。
専用の幅広のハンガーでかけて保管するのがいいでしょう!
ということで、一番気をつけるべきところは「運搬」と「保管」。
この2点を十分に注意しておけば、問題ないでしょう。
スーツの肩部分に負担をかけないように、スポンジ素材のやわらかい幅広のポールを使用。
スーツのサイズに合わせて曲げることができるので、自然なカーブを描くことができるため、スーツに優しい。
さらに、ネック部分はシワになりにくいように首の形に沿って作られている。
せっかく買った大事なスーツだから、長持ちさせよう!
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徹底的にユーザー目線
総合スーツメーカーの底力に脱帽!
「先入観」や「第一印象」で、ドライスーツに対してマイナスイメージを抱いてしまっていることも多いものです。
今回、ありがちなお悩みを総合スーツメーカー「ワールドダイブ」の担当者の方に問いかけましたが、淀みなく回答して下さる姿に感動しました!
まさか、ここまで想定してドライスーツを作っているとは驚きです。
実際に潜るダイバーの目線にたって、きめ細かい開発をされているのが伝わってきます。
取材を通して、ドライスーツのお悩みの多くは「使い方」で解消されること、また、それを補える「素材」も準備されているということを教えていただきました。
これで、安心してドライスーツデビューできますね。
ワールドダイブ……ありがとう……。
ドライスーツへの苦手意識が理由で、立ち止まっていたダイバーのみなさん、今年の冬こそチャレンジしてみては?
■supported by ワールドダイブ
「あらゆる環境で快適なダイビングライフをお届けすること」をモットーに、国内生産にこだわり、自社の工場でスーツを製造している総合スーツメーカー。設計、素材、装備、そして技術のすべてにおいて、現在得られる最上のクオリティで仕上げ、その名の通り世界の海で通用するスーツを作り上げている。
\期間限定ドライスーツ発売中!/
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