パプアニューギニア連載コラム「千変万化」
第一回
水中カメラマン・中村卓哉
パプアニューギニアの“この一枚”
こちらの写真は、ニューギニア半島の最東端に位置する秘境“タワリリゾート”周辺にある奇跡の海中景観である。
ここでは海まで迫り出した森の木々を太陽光が抜け、木漏れ日のシャワーとなって海中に降り注いでいる。
パプアを代表する人気スポットだけあって、私も初めて潜るまでにイメージは頭の中に描いていた。
しかし、百聞は一見にしかずとはまさにこのことか。
実際に潜ってみると想像を遥かに超えた神秘的な光景が広かっていた。
スポットライトのように降り注ぐ太陽光といえば、海中洞窟やクレパスなど世界中にメジャーな地形ポイントは無数にある。
しかし、タワリ沿岸は数キロに及ぶ海岸線の殆どが木々に覆われているため、浅瀬を進めばどこまでいってもこのような光のシャワーを体験出来てしまう。
さらに木々が風にそよぐ隙間を抜けてくるやさしい光は、海面の波の揺らめきの波長とミックスされ、まるで舞台照明演出のようなリラックス効果をもたらせてくれる。
中でも私のお気に入りは「コーラルガーデン」というポイント。
ここは木影になった浅瀬のサンゴ畑が美しく、太陽が木漏れ日を抜ける角度によってめまぐるしく明暗のトーンが変化する。
まさにフォトジェニック。
どのように「切り撮ろうか」、「露出はどこに合わせれば良いか」四苦八苦しながらも写真家魂がかなり揺さぶられた。
おまけにリーフエッジからは、木漏れ日を生み出す特異な沿岸部とサンゴ礁を半水面で写真に収める事が出来るのだ。
まるで海の撮影スタジオのように、撮影意欲を掻き立ててやまない実にウマウマな好ポイントなのである。
※「一度の旅で2つの海を欲張る!? パプアニューギニア“Two Faces of PNG”」を解剖した特集はこちら!
一度の旅で2つの海を欲張る!? パプアニューギニア“Two Faces of PNG” | オーシャナ
中村卓哉(なかむら・たくや)
1975年、東京都生まれ。
10歳のときに沖縄ケラマ諸島でダイビングと出会い、海の虜になる。
現在、フリーランスの水中カメラマンとして新聞や週刊誌などにコラムを掲載。
講演や写真教室などの活動も行っている。
主な著書に『わすれたくない海のこと 辺野古・大浦湾の山・川・海』(偕成社)、『海の辞典』(雷鳥社)などがある。
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世界を巡る中村卓哉が感動したパプアニューギニア