パプアニューギニア連載コラム「千変万化」
第二回
水中カメラマン・細田健太郎
パプアニューギニアの“この一枚”
群れとの勝負に興奮!
ボートからエントリーした瞬間、根の周囲に黒く渦巻くものが見えた。
渦巻くものはバラクーダの群れだ。
「これは数が多い!」とワクワクしながら近づいていく。
魚の群れに出会うとなぜこんなに興奮するのだろう。
群れを散らさずにフレームにうまく収めるにはどうしたらいいか、ポジションをどこに取るかを考えながら泳いでいく。
この時が一番気持ちが高ぶっているのだと思う。
シャッターを押したいのを我慢しながら、群れに圧力をかけないようにして、ジリジリと距離を詰めていく。
そして、間合いに入ったらあとはシャッターを切るだけ。
さらに自分の位置を微調整し、ベストなアングルを探っていく。
この写真は群れの先頭に回りこんで撮影していたら、バラクーダがぐるぐると回りだしたもの。
先頭のバラクーダが最後尾に追いつき、円を描いて泳いでいた。
自分の周囲360°が魚で、まるで壁のようだ。
こんなシーンに出会えると半端無く嬉しい。
やがてギンガメアジの群れも合流し、周囲は魚群が混ざりカオスとなっていった。
この写真を撮ったのはキンベ湾の「ブラッドフォード」というポイント。
パプアニューギニアは全般に魚の数が多いので撮り甲斐がある。
ここ以外でも、パープルビューティーやキンギョハナダイなど多くの群れを撮る機会があった。
僕にとって群れを撮るのは大好きなこと。
魚との駆け引きをしながら、そっと近づいて、どれだけうまくフレームに収めることができるか、この緊張感がたまらない。
パプアニューギニアの海は、毎日のように群れとの楽しい出会いがあった。
細田健太郎(ほそけん)
1970年、東京生まれ。写真家。ダイビング雑誌で、スタッフフォトグラファーと編集者の仕事を並行して携わる。その後、写真一本で活動するため2008年独立し、細田健太郎写真事務所を設立する。
独立後は、水中撮影だけでなく、ライフスタイルマガジンや建築系、広告系等、幅広く撮影活動を行なっている。現在は世界遺産と絶景を求めて全世界を撮影中。今までに訪問した国は約70カ国。
■パプアニューギニアへのツアーはこちらをご覧ください!
・全食事付♪さらに無制限ビーチダイブ無料!ワリンディ☆東京発 ワリンディ 全食事&最大10ダイブ付 8日間
・3本潜るとナイトダイブ1本無料☆リゾート感抜群!タワリリゾート東京発アロタウ タワリリゾート 最大12ダイブ付 8日間
■「SORA」でのお知らせはこちら。
お知らせ | SORA-web「パプアニューギニア」UP!