鳥取・田後(たじり)「越智隆治はじめてのダンゴウオ」

鳥取・田後(たじり)の海・越智隆治とダンゴウオ

越智隆治の撮影テクニックQ&A
&ダンゴウオいろいろ

田後で撮影する越智隆治

撮影機材データ
■CANON EOS 7D +100mmマクロ
■SEA&SEA MDX-7D ハウジング
■SEA&SEA YS-D1 2灯
■クローズアップレンズ125
■RGBlueライト

Q.なぜ、その機材を選んだのでしょうか?

“ダンゴウオの幼魚の天使の輪を撮影する”のが今回の取材のテーマの一つだったので、クローズアップレンズは必要と考えました。

事前に色々な人からダンゴウオのサイズを聞いたところ、小さい個体だと「イクラサイズ」とか、「米粒サイズ」とか、色々だったのですが、それくらいのサイズなら天使の輪の幼魚のアップ写真もかなりいけるかなと思いました。
だけど、現地に行って聞いてみると幼魚は2ミリ……。
よりよく撮るために持ってきたクローズアップレンズでしたが、なければを話にならないとわかり、持ってきてマジで良かったと思いました。

色違いのペア

色違いのペア

成魚は、ライトを当てるとすぐに動いてしまい、クローズアップレンズを付けての撮影は困難だったので使用は避けました。

成魚を横から

成魚を横から

Q.実際に撮影して感じた撮影のポイントやコツを教えてください。

幼魚はとにかく小さいので、まずはうねりの少ない、身体とカメラを固定しやすい場所で見つける事が最優先。
これはガイドにゆだねるしかないですね。

天使の輪がくっきりとわかる幼魚

天使の輪がくっきりとわかる幼魚

自分にとってのベストポジションは、ヒザ足立ちして、垂直な岩のちょうど顔より少し下、あるいは上の海藻に付いているダンゴウオの幼魚が一番撮影し易かったです。
大きな岩がうねりをガードしてくれるし、カメラのグリップの片方を岩に押し当てる事ができます。
そうすることで、ポートの先端を指で固定することもできます。
この「指で先端を固定する」姿勢が取れた場合とそうで無い場合は、撮影のし易さがまったく違いました。

成長して、天使の輪が消えかかっている個体

成長して、天使の輪が消えかかっている個体

とにかく、今回は海中のうねりが抜けないコンディションでした。
2本目以降に入ったポイントは幼魚がたくさんいる場所に限って、うねりがもろにぶつかる岩場だったので苦労しました……。

1本目にコンディションが悪くてしかたなく入った近場のポイント「一文字」の方が、実際には撮影し易い場所にダンゴウオの幼魚がいてくれた印象があります。
水深も浅いし、ダンゴウオオンリーでの撮影なら、もう一度あのポイントに潜っても良かったかなと感じました。

たくさん個体がいるいないも大事ですが、海況を含めた撮影環境がとても大事ですね。

成魚のアップ

成魚のアップ

また、初めての海、初めての被写体ということもありますが、サポートが欠かせません。
まず、見つけないことには始まりませんからガイドさんの存在が大事なのは言うまでもなく、今回もうねりで動いてしまうような大きな海藻は避けて、小さめの海藻にいるダンゴウオを見つけてもらいました。
それでも、うねりで動いてしまう場合には、サポートしてくれるバディの存在は重要。
海藻が揺れるのをホールドしてもらわないと撮影はなかなか難しいと思います。

Q.カメラにおいて、技術的に気を付けていたことはありますか?

幼魚に関しては、とにかくフォーカスが目に来る事を最優先に考えて撮影しました。

Q.途中、ストロボ(フラッシュ)を使わずに撮影していましたが、どうでしたか?

:話題のライト、RGBlue

:話題のライト、RGBlue

今回のライト(RGBlue)での撮影は、モニターで利用していたのでトライしてみましたが、ISO感度1600くらいで、シャッタースピード1/160、絞りf4.6での撮影だったので、ピンは相当シビア。
高感度での撮影なので、粒子の荒れ具合が気になる人には進められません。
CANON EOS 5D MarkⅢのように、高感度で問題無いカメラであれば、ライトの光だけで撮影するのもありかしれません。

ライト(RGBlue)のみで撮影したダンゴウオ

ライト(RGBlue)のみで撮影したダンゴウオ

Q.田後の海はどうでしたか?

今回は滞在期間も短くて「ダンゴウオ」のみに集中した撮影だったから、田後の海全般に関しては、まったく感じる事ができなかったのが残念でした。
しかし、噂に聞いていたダンゴウオ天国の実力は思う存分に堪能することができたと思います。
次回は、親がたくさん見られる時期に訪れて親狙いで撮影したいし、ワイド系のポイントにも潜ってみたいと思います。

それと、ブルーライン田後のスタッフの雰囲気がいいですね。
山崎さんは、とても穏やかでどっしりした雰囲気で、年下だけど安心感を感じます。
そして、明るくてムードメーカーの奥さん・由香里さんの存在はとても重要だなと感じました。
ガイドの松原さんには、今回時期が少し早いにも関わらず、赤いダンゴウオの成魚を見つけてもらいました。
短いロケ期間で見つけてもらえて感謝しています。

スタッフみんなで“鳥取の海、グー!”。左から、やらされてる感たっぷりの山崎英治さん、ノリノリで思わずダブルの由香里さん、はにかんでいるせいでグーの角度がおかしい松原さん

スタッフみんなで“鳥取の海、グー!”。左から、やらされてる感たっぷりの山崎英治さん、ノリノリで思わずダブルの由香里さん、はにかんでいるせいでグーの角度がおかしい松原さん

鳥取・田後(たじり)「越智隆治はじめてのダンゴウオ」

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